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大谷翔平とダルビッシュ有は何イニング投げられるのか。WBC1次ラウンドは65球まで

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Feb 15, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ワールド・ベースボール・クラシックには、投球数の制限がある。1次ラウンドの試合は、65球までだ。打席の途中で65球に達した際は、その打席が終わるまで投げ続けることができる。

 昨年、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)は、それぞれ、28試合と30試合のマウンドに上がった(レギュラーシーズンのみ)。大谷はどの登板も65球以上を投げたが、ダルビッシュは65球未満が1度あった。シーズン2登板目の4月12日は、57球だった。初回の6失点に続き、2回裏に2点を追加されたところでマウンドを降りた。塁上に残っていた走者の生還により、1.2イニングで9失点(自責点9)が記録された。

 大谷の28登板とダルビッシュの29登板――65球未満の4月12日を除く――に、WBC1次ラウンドの球数制限を当てはめると、2人とも、平均4.1イニング前後で65球に達し、降板となる。大谷の最短と最長は3.0イニングと5.2イニング、ダルビッシュは3.0イニングと6.0イニングだ。

 これらの数値からすると、少なくとも3イニング、平均は5イニング目の途中まで、多ければ5イニング以上を投げることができるが、7イニング目に入るのは難しい、ということになる。

 もちろん、条件は異なる。例えば、1次ラウンドで日本が試合を行う相手は、3月9日が中国、10日が韓国、11日がチェコ、12日はオーストラリアだ。どの国のラインナップも、メジャーリーガーがずらりと並ぶことはない。ただ、そうであっても、レギュラーシーズンより少ない投球数で長いイニングを投げることができる、とは限らない。例えば、奪三振が多くなれば、投球数は増えるかもしれない。早いカウントで打たせてアウトにするほうが、投球数は少なくて済む。

 ちなみに、日本は、2017年の1次ラウンドで、キューバ、オーストラリア、中国と対戦した。各試合の先発マウンドには、石川歩(千葉ロッテ・マリーンズ)、菅野智之(読売ジャイアンツ)、武田翔太(福岡ソフトバンク・ホークス)が上がった。3人とも、1失点ずつ。投球数とイニングは、石川が58球で4イニング、菅野が66球で4.1イニング、武田は47球で3イニングだ。

 石川の場合、予定どおりのイニングだったのかもしれないが、4イニングを投げ終えた時点で上限の65球まであと7球となったため、次の投手の登板は、イニングの途中ではなく、イニングの頭からのほうがいい、ということになったように思える。一方、菅野は、4イニングで48球。あと17球で3つのアウトを奪う可能性は十分にあったので、引き続き、5イニング目も投げたのだろう。武田は、3イニング目に3本のヒットを打たれた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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