うちの愛犬がなんだか不機嫌 攻撃的になっているか見分けるポイントは?
愛犬と一緒にソファで休んでいたのに、最近、ウーとか唸って、うちの子はなんだか不機嫌ということがありませんか。または、いつも飼い主に、熱烈大歓迎だったのに、怒りっぽくなっていると感じることがあるかもしれませね。噛傷(こうしょう)などの事故にならないうちに、今回は、「犬が攻撃的になっているかどうかはどこを見れば、わかるのか」と「うちの愛犬が最近、なんだか不機嫌な原因」を解説していきます。
どこを見れば、攻撃的になっているかがわかるか?
ますは、攻撃的な態度は、どこを見ればわかるのかを見ていきましょう。
それがわからないと、あなたが噛まれたりすることに遭遇するかもしれません。犬はいきなり攻撃することは、少ないです。予め以下のように、ボディランゲージをすることが多いです(稀に、いきなり噛むこともあります)。
・うなる
・口角をあげる
・歯をむき出す
・吠える
・体を弓なりにする
・首の後ろの毛を逆立てる
・尻尾を後肢の間に丸める、または尻尾を高く上げて逆立てる
・長い間相手をにらみつける
犬が上記のような態度をすれば、攻撃的になっていることが多いです。よく観察して注意しましょう。
不機嫌になる理由
飼い主は、コロナ禍の中3密を避けて仕事に出かける人が多いですね。愛犬は、家にいて仕事もしていないのに、「なぜ、不機嫌になるの?」と思う飼い主もいるかもしれません。犬には、犬の事情があるので見でいきましょう。以下です。
・精神的なこと
いまや大型犬でも室内飼いをされています。そのため、飼い主のメンタルの影響を受けやすいのです。飼い主が忙しかったり、落ち込んでいたりして、愛犬の相手をできない場合は、犬は敏感に感じとりストレスがたまります。それで、犬がイライラして、怒りっぽくなることもあります。
いまの時代、飼い主は、生きていると不安なことはありますね。犬をお世話するときは、そんな自分を意識することは、大切です。自分が不安なとき、ゆっくりと愛犬と接することは、飼い主にも愛犬にもいいことです。
・病気
穏やかな犬だったのに、シニアになり急に怒りっぽくなる子がいます。その場合は、脳腫瘍などの脳疾患が原因のこともあります。かかりつけ医と相談してくださいね。
その他には、飼い主から見えない場所、つまり内臓などにがんや慢性疾患があり、気分が優れない、または、その辺りに疼痛がある場合もあります。愛犬の様子がおかしいときは、血液検査や画像診断をしてもらってくださいね。
・加齢
若い頃より、怒りっぽくなる子もいます(反対にシニアになって穏やかになる子もいます)。体が思うように動かないなどから、攻撃的になる子もいます。いまや犬の平均寿命は、約14歳ぐらいです。一般的には、7歳ぐらいからシニアがなりますので、生涯の半分はシニアです。愛犬が、7歳を過ぎているときは、このようなことも念頭に置いてください。
もともと攻撃性がある
日本には、チワワ、トイ・プードル、セント・バーナード、グレイト・ピレネーズなど多種の犬がいます。そんな中で、やはり攻撃性の強い子とそうでもない子がいます。その辺りを見ていきましょう。
・育て方の違い
神経生物学が、進歩してわかるようになってきています。
生まれてまもない頃は、子犬にとって母犬が世界の中心です。哺乳も排泄も母犬の世話によって、成り立つのです。母犬は、温もりと栄養を提供してくれます。この時期に、母犬に懸命に世話をされた子犬は、自信を持ちあまり不安を抱かなくなります。散歩のときに、物音がしても必要以上に怯えないのです(不安があったりすると、攻撃性が強くなることもあります)。この時期は、約生後60日といわれています。
・犬種の違い
犬はさまざまな目的で改良されています。番犬や軍用犬として選ばれている子もいますね。そのときは、人を噛むことが任務なので、そういう犬は、やはり噛むことが多く攻撃性がありますね。以下の犬が噛傷事件を多く起こしています。
・ピット・ブルやそのミックス
・ロットワイラーやそのミックス
・秋田犬やそのミックス
などです。これらの犬が、全部、攻撃性が強いというわけではありません。もちろんどんな犬でも人を噛まないという保証はないですね。
上記の犬は、しつけや運動を十分しないと事故を起こす可能性が高くなります。
攻撃性があるかどうかを調べる方法
攻撃性があるかどうかを事前に調べるテストがあります。それで、全てわかるわけではありませんが、ひとつの指標にしてください。
「餌を食べている最中に、餌が入っているボウルに棒などを入れてみる、または、ボウルを動かしてみる」です。そのときは、手など噛まれないように、注意してくださいね。問題のない子は、ボウルを触っても、怒ったりしません。でも、攻撃性の高い子は、怒ったりすることが、多いです。
穏やかな犬はオキシトシンが多い
攻撃的になりやすい犬とそうでない犬がいるのはなぜなのでしょうか。米国の心理学者で人類学者のエバン・マクリーン氏は、学術誌『Frontiers in Psychology』に、オキシトシンとバソプレシンという2種類のホルモンが、それぞれ犬の友好的な行動と攻撃性に関係あることを発表しました。つまり友好的な犬はオキシトシンの血中濃度が高く、攻撃的な犬は、バソプレシンの濃度が高かったといっています。
オキシトシンは、最近では愛情ホルモンとも呼ばれ、出産や母子の絆の形成に関わっていることが知られていますね。人が犬を撫でるとこのホルモンが増えるともいわれるようになりました。
まとめ
犬の行動の多くは「遺伝的なもの」と「育ち」の組み合わせによって決まることが多いです。攻撃性も例外ではありません。つまり幼少期の経験によって攻撃的になることもありますし、持って生まれた気性によってそうなることもあります。攻撃的になったときは、なにが原因かを飼い主、獣医師、ドッグトレナーなどとよく話し合って解決してあげてくださいね。
犬が攻撃的になっても犬に罪はないです。飼い主が、問題に根気よく取り組む必要がありますね。時間をかければ、攻撃性が減ることが多いです。病気の場合は治療をして、そして、ストレスなどの場合は、散歩やとお世話の時間を増やしてあげてくださいね。
筆者の愛犬は18歳で、シニアになってから怒りっぽくなりましたが、ある漢方薬を飲むことで穏やかになりました。犬でも漢方薬を内服する時代になりました。
【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】