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都市部より10度も涼しい!「避暑地の温泉」5選(関東編)

高橋一喜温泉ライター/編集者

夏本番、記録的な猛暑が続いている。

こんなに暑いと温泉に入る気持ちも失せてしまうかもしれないが、気温の低い避暑地の温泉なら話は別だ。蒸し暑い街を離れて、ひんやりとした空気の中、温泉に入るのは最高に贅沢である。

そこで、今回は夏場でも温泉に入りたくなる避暑地の温泉を関東エリアに絞って5カ所紹介したい。

草津温泉(群馬県)

日本を代表する人気温泉地で、湧出量でも全国トップクラス。標高1200メートルの高原にある。気候も冷涼で7~8月でも平均気温は18度、30度以上になることはめったにない。平地よりも約10度は涼しい。温泉地として「泉質主義宣言」をしているように、源泉の質には絶対的な自信をもっており、ほとんどの施設が源泉かけ流しである。ちょっと熱めで、酸性のパンチのきいた湯だが、鮮度は抜群である。

那須湯本温泉(栃木県)

関東を代表する避暑地である那須には、歴史ある那須湯本温泉を中心に「那須八湯」と呼ばれる温泉が点在する。小さな民宿から高級旅館までバリエーション豊かな温泉郷である。ひなびた雰囲気が好きな人には、小さな宿が並ぶ那須湯本温泉を拠点に、日帰り温泉「鹿の湯」や共同浴場に通うのがおすすめ。そのほとんどが源泉かけ流しで、昔ながらの湯治の気分を味わえる。最も標高の低い那須湯本でも約850mで、それ以外の温泉地はより標高が上がり、気温も下がる。那須高原の8月の平均気温は21度である。

鹿沢温泉(群馬県)

上信越高原国立公園内、標高1500mに湯煙を上げる山の温泉地。嬬恋高原は冷涼な気候で、8月の平均気温は約18度。一軒宿の鹿沢温泉「紅葉館」は、明治創業の歴史ある湯治場で、日帰り利用もできる。ひなびた風情がたまらない内湯には、緑色の濁り湯が掛け流し。湯の花が大量に舞う本格派だ。温泉ファンがわざわざ訪ねてくる源泉自慢の宿である。

日光湯元温泉(栃木県)

金精峠の麓にある山の温泉。湯ノ湖の畔に温泉街が構成されている。標高は1500mで、8月の平均気温は約20度。泉質は乳白色に濁る硫黄泉で、温泉情緒あふれる湯船をもつ宿が多い。その多くがかけ流しだ。山間部にある温泉地なので、歓楽街的な賑やかさとは無縁で、ひとり旅にも向いている。温泉街にある温泉寺にも源泉が引かれており、日帰り入浴が可能だ。

奥鬼怒温泉郷(栃木県)

「関東最後の秘湯」と呼ばれる山深い温泉地。加仁湯、手白澤温泉、日光澤温泉、八丁の湯の4つの温泉宿で構成され、それぞれ異なる源泉がかけ流し。基本的に女夫渕から徒歩でアクセスすることになり、約1時間半の道のりである(加仁湯と八丁の湯は宿泊者のみ送迎あり)。アクセスはラクではないが、その分、野趣あふれる露天風呂と大自然に癒やされる。八丁の湯は滝見露天、加仁湯は乳白色の湯が自慢である。標高は1300~1400メートルで、8月の平均気温は約19度。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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