梅雨の雨を待ち望む利根川水系の8ダム
西日本から雨の季節へ
きょう(6月4日)午前、気象庁から九州、四国、中国地方で梅雨入りしたとみられるという発表がありました。
関東甲信地方などでも、梅雨入りは近いと思われますが、この梅雨の雨を待ち望んでいるのが6月上旬としては過去最低の水準に貯水量が落ち込んでいる利根川水系の8ダム(首都圏の水がめ)です。
ちょうど1週間前の記事でもふれましたが、その後もまとまった雨がなく、貯水量はさらに急減している状態です。
この1週間で約7500万トン(約16%)も急減
利根川水系8ダムの貯水量(貯水率)は、約1週間前の5月27日に約3億2500万トン(約70%)ありましたが、その後も利根川流域にはまとまった雨が降らず、きょう(6月4日)午前9時現在の貯水量は約2億4990万トン(約54%)とさらに急減を続けています。
単純計算では、利根川へ1日約1000万トン程度の放流を行っていることになり、もし同じような状態が続けば、来週後半にも2億トンを割り込むような計算となります。
水の需要やその時期にもよりますが、利根川水系では貯水量が約2億トンを割り込む頃から取水制限(川からの取水を制限する)を実施することが多く、もしこのまま雨の少ない状態が続けば来週中にもこのような話が出てくるかもしれません。
矢木沢ダムの貯水率は30%を切る
利根川水系で最大の水がめとも言われており、1億トン以上の水を溜め込むことが出来る矢木沢ダムの貯水量はきょう午前9時現在、約3360万トンで、貯水率は約29%まで低下しています。
関東は梅雨入りしても少雨傾向が続く?
関東甲信地方でも、早ければあす5日にも梅雨入りの発表があると思われますが、実は昨日、関東甲信地方に少雨に関する情報というものが出たのです。
梅雨入りするのに少雨とはいったいどういうこと?と思われる方もいるかもしれませんが、梅雨入りとはあくまでも曇りや雨の傾向が多くなるというだけで、決してまとまった雨が降るのが梅雨というわけではありません。
梅雨前線の影響が小さければあまり雨の降らない梅雨もあり、空梅雨という言葉もあるくらいです。
気象庁の予想だと今後2週間程度(6月中旬頃まで)は少雨の傾向が続きそうだと言うことで、最新の1か月予報でも6月の降水量予想が多雨傾向から少雨傾向へと一転してしまった状態です。
梅雨入りしても少雨傾向が続くようだと首都圏の水がめはさらに貯水量が減少の一途をたどる可能性もあり、今後の状況にはさらなる注意が必要だと思われます。