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サンウルブズ&日本代表・松島幸太朗が語る、「リフレッシュ」の重要性とは。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
2019年のラグビーワールドカップ日本大会に向け、自律を意識。(写真:FAR EAST PRESS/アフロ)

2016年からラグビー日本代表のフルバックに入る松島幸太朗は、「メンタルリフレッシュ」を経て虎視眈々と戦列復帰を目指す。

国際リーグであるスーパーラグビーへ日本から参戦して2シーズン目のサンウルブズは、3月4日、シンガポール・ナショナルスタジアムで第2節をおこない、キングズに23-37で敗戦。次は現地時間3月11日、南アフリカはブルームフォンテインのフリーステイトスタジアムでチーターズとの第3節に挑む。今季からサンウルブズに加わった松島だが、いまはチームを離れた位置から見つめる。

桐蔭学園卒業後に南アフリカのシャークス傘下にあるアカデミーへ挑戦した24歳。身長178センチ、体重87キロの体躯で相手をしなやかにかわし、守っても低いタックルで魅せる。サンウルブズにとっても貴重な戦力だったが、1月いっぱいまではサントリーの一員として国内シーズンでフル稼働。怪我も抱えており、日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチの意向などを踏まえて一時離脱。他の代表経験者とともに、2月初旬からの約3~4週間を静養と個人トレーニングに充てた。

3月6日からは、ナショナルデベロップメントスコッドの第1回キャンプに参加中。ジョセフヘッドコーチの陣頭指揮のもと、サンウルブズのツアー不参加組や若手の日本代表候補らとセッションをおこなう。

8日、都内の練習場で単独取材に応じた。

以下、一問一答の一部(編集箇所あり)。

――今回のキャンプについて。

「皆、エナジーがあって、やっている分には楽しい。うまくなりたいという選手がたくさんいるので。基本的には、日本代表とサンウルブズは連携している。その戦術をちゃんと落とし込んで、どの選手が代表に選ばれても、サンウルブズの追加招集になっても大丈夫…という状態にしているんだと思います」

――ここまで、戦列を離れていましたが。

「メインはメンタルリフレッシュ。万全に近い状態にして活躍できるように…と。基本的に、毎日ラグビーのことを考える。時には、考えない期間も必要だと思います」

――チームを離れている間に、負けが込んでいました。問題は。

「単純な連係ミスだったり、シンプルなハンドリングエラーの回数だったりと…。たぶん、メンタル的な部分を変えていければ全く違うチームになったんじゃないですかね。(自分が戻ったら)いい試合をしよう、とかではなく、勝ちたいという気持ちを出していきたいです。(現在プレーする)皆もそういう気持ちは持っていると思いますけど、ニュージーランドのチーム(開幕節で83失点したハリケーンズなど)を相手にもびびるんじゃなく、楽しむ、というような形にしていきたい」

――「メンタル的な部分」と言えばツアー前の練習中、松島選手と仲の良い田中史朗選手(日本人初のスーパーラグビープレーヤー)が「これ、スーパーラグビーやから!」。連携を確認する練習でも相応の強度を求めていました。

「そうですね。トップリーグの気持ちままで行ってしまうと、初戦みたいになる。判断、攻守の切り替えの早さで上回れてしまったので…。でも、そこは、意識的な部分で変わっていく。…変えていきたいですね」

静養のタイミングがスーパーラグビー開幕前後となったのは、日本代表とサンウルブズの首脳陣の協議の結果のようだ。自分がいない間に苦戦を強いられた仲間を観て「意識的な部分を変えていきたい」と決断した松島は、徐々に復調。一部報道ではチームが帰国する3月下旬からの合流を示唆していたとされるが、待望のカムバックはいつになるのだろうか。

――合流時期は。

「いまのところ、いつ合流するかについては何も言われていなくて。ただ、順調に身体がラグビーのフィットネスに慣れてきている感じです」

評価対象となるパフォーマンスのレベルを高く保つには定期的なメンテナンス、つまりは心身の「リフレッシュ」は必要。プロアスリートとしてそう自覚する松島は、いま、その「リフレッシュ」を経て自身の心技体を再起動している。準備万端、である。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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