「ゲイ気質のセカンド童貞」は独身女性にとって最良の結婚相手になり得る件
結婚相談所やお見合いおばさんへの取材をしていると、必ずと言っていいほど耳にする愚痴がある。「普通に働いている適齢期の男性会員が圧倒的に足りない」というものだ。面倒くさい・自信がない・プライドが許さないの3大理由によって、いわゆる「婚活」の場には出てくる男性は少数派なのだ。
彼らは独身主義なわけではない。「40歳までには結婚したい。仕事に余裕があるときに、自然な出会い方で、キレイで優しい女性と恋愛して結婚する」といった漠然とした願望を持っていたりする。
しかし、恋愛のための行動はほとんどしない。日々の仕事に追われつつ、休日は家の中で読書やテレビ鑑賞、ゲームを楽しんだりして過ごし、たまに男友だちと遊ぶ程度である。ハードなスポーツやバイクなどの乗り物、各種のオタク分野にのめり込んでいる人もいる。「学生時代には恋人はいたけれど、社会人になってから女性との接点はなし。セカンド童貞です」という人も珍しくない。女性と会うよりも、気の合う男性同士でつるんでいたほうが心地良いのだ。そして、気がつけば独身のまま40代を迎えている。
だからこそ、彼らが集う場所にいる「男のように付き合えるけど改めて見るとキレイ」な女性は、競合なしで恋愛や結婚対象を見つけることができる。筆者が先日に取材した独身女性のAさん(34歳)は、大企業のエンジニアたち数人が行っている山岳スキーに紅一点の「レギュラーメンバー」として参加している。「メンバー全員が私をちょっと好き」な状態が楽しすぎて、なかなか一人に絞り込めないようだ。
注意点が一つだけある。彼らに一般的なモテ要素を求めないことだ。一人きりもしくは男性ばかりで遊んできたため、身だしなみや気遣いに関しては男子高校生レベルに留まっている。デートをすると、もさい服装でやってきて鼻毛の3本ぐらいは出ているだろう。おいしくない飲食店で自分が得意な話ばかりをして、きっちり割り勘。レディファーストは一切期待できない。そこに愛らしさを見出す感性が必要だ。
上述のAさんを例にとると、彼女は母性が強いのではなく、自らが「ゲイ気質」なのだとわかる。女性なのに男性と無邪気に遊んでいるほうが好きで、なおかつ性的に男性が好きだという位置づけだ。Aさんはインタビュー取材に協力的で、記事内容も受け入れてくれたが、「だから童貞はイヤ」というタイトルには不満を述べた。「童貞はむしろ好物。筆おろし願望すらある」という。普通の女性にこのような発想はない。
彼らはゲイ気質であってもゲイではない(人が多い)。単に女性慣れしていないだけで、「同性と一緒にいたほうが気楽だし面白い」に過ぎないのだ。結婚をすれば、気が利かないところはあるけれど働き者で浮気などは絶対にしない良き夫になるだろう。
出会いの場には決して出てこない男性たちが、誰に迷惑をかけることなく慎ましく遊んでいる集まりは良く探せば無数にある。独身女性にとっては競合のない豊饒の海、いわゆるブルーオーシャンになり得るのだ。