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「適応障害でも結婚できますか?」という相談が増加中。コロナ禍での婚活を1人で悩まないために

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:Paylessimages/イメージマート)

■適応障害は誰でもなりうる

女優の深田恭子さん(38歳)が、適応障害の療養のため、芸能活動を当面の間休止すると5月26日、所属事務所が発表しました。事務所によると、2020年春頃から体調を崩しがちとなっていたそうです。コロナ禍による急激な生活の変化にストレスを感じていたという報道もあります。早くお元気になっていただきたいですね。適応障害はストレスによって抑うつや不安などの症状が出る病気です。ストレスの原因を取り除くと改善し、ストレスを除いても症状がよくならないうつ病とは異なります。特別珍しい病気ではなく、誰でもなりうる病気です。私はラジオ番組で、恋愛・婚活・結婚生活などのお悩み相談を受け付けていますが、最近、「適応障害(またはうつ病)と診断されたけれども、結婚できますか?」というご相談が増えています。コロナ禍以前と比べると、およそ3倍になります。

■外出自粛で出会いの場が極端に減ってしまった

理由としては、やはり行動が制限され生活習慣が変わったことによる影響が大きいでしょう。リモートワークによってほとんど外に出ず、1日中、誰とも会話らしい会話をしないという人が増えました。そこに雇用や収入が不安定になるといったストレスが加わり、気分がふさぎこんでしまう。頼りになるのは家族だけ、気兼ねなく一緒に食事をしていいのも家族だけ。だからこそ1人暮らしの独身者は「自分には家族がいない」ということを日々痛感し、精神的に追い詰められていくのです。また、夜間の外出や人が密集しているところへの外出が制限されてしまいました。もともと出会いが少なかったから婚活しているのに、婚活パーティや合コンなどの出会いの機会が著しく減ってしまった。「○歳までに結婚して、○歳までに子どもを産んで⋯⋯」という計画も台無しに。収束まであと1年かかるのか、2年かかるのか、先行きが見通せず婚期がどんどん延びていくことに自分が苛まれているような気持ちになり、適応障害やうつ病に繋がっているようです。

■「コロナ禍だから結婚できない」と言われたケースも

交際中の相手がいたとしても、コロナ禍をきっかけに悩んでいる人もいます。相手からコロナ禍を理由に「今はまだ結婚の時期じゃないよね」と言われたというのです。要するに、その相手はもともと結婚する気がなく将来のことをきちんと考えていないだけなのですが、それをコロナ禍のせいにしているわけです。ひどい場合は、「緊急事態宣言も出たし、もう会わないほうがいいね」なんて軽くあしらわれた人も⋯⋯。交際する時は、結婚を前提にしていることをお互い確かめ合い、将来のことをきちんと話し合ってからスタートしなければ、いくら長い間交際したとしても結婚には至りません。その話し合いができなかったということは結果は見えています。けれどもその現実を見ずに「コロナが収まったらもしかしたら⋯⋯」と考えてしまい、ズルズルと付き合い続けてしまう。そしてただ時は過ぎ、悩みはどんどん深くなってしまうのです。

■対策は「1人の時間を前向きに捉える」

私は、婚活の専門家として相談者に次のように対策を伝えています。「『早く結婚しなければ』と必要以上に焦らないように。結婚のことばかり気にしていると、日々が辛くなり余計に追い込まれてしまいます。ステイホームで1人の時間が増えたり通勤時間が減ったりした分は、読書や普段時間がなくできなかった家の中の整理整頓などをして自分のための時間に当てようと前向きに捉えることが大切です」

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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