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Android搭載機の出荷台数、今年は10億台の大台に、Windowsはプラス転換、アップルは急伸

小久保重信ニューズフロントLLPパートナー

米グーグルのモバイル基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を搭載する機器の2014年における世界出荷台数は前年比2桁増となり、初めて10億台の大台を突破する---。こうした調査リポートを米国の市場調査会社、ガートナーが7日に公表した。

デバイス全体の出荷台数は7.6%増の24.7億台

ガートナーはパソコン、タブレット端末、携帯電話の今年1年間における世界出荷台数を予測している。このリポートによると、これらコンピューティングデバイスの出荷台数合計は昨年から7.6%増え、24億7400万台になる見通しだ。

これをデバイス別に見ると、デスクトップパソコンやノートパソコンなどの従来型パソコンが、前年比7.2%減の2億7800万台。

これに対し米アップルの「アイパッド(iPad)」などのタブレット端末は同46.7%増の2億6300万台となり、パソコンに迫る勢いで伸びるという。

この傾向はその後も続き、2015年には従来型パソコンが2億6800万台、タブレットが3億2500万台となり、両デバイスの出荷台数は逆転するとガートナーは予測している。

携帯電話は4.9%増の18.9億台に

一方、薄型軽量のノートパソコンや、タブレットにもなる1台2役のハイブリッド型パソコンなど、ガートナーが「ウルトラモバイル」と呼んでいる新種のパソコンは、前年比2.3倍の4000万台になるという。

このウルトラモバイルは伸び率が最も高いが、まだ規模は小さい。それでもパソコンの減少を食い止める(今年は前年比0.2%増)効果をもたらすという。

そしてこれらのデバイスに対し、携帯電話の規模は圧倒的に大きい。

例えばガートナーは今年の携帯電話の世界出荷台数が18億9300万台になると推計している。この数は前年比4.9%増と伸び率は比較的低いが、携帯電話は今後も消費者の必携品として緩やかに伸び続けるという。

最も成長するのはアップルのOS

アンドロイドがこれらコンピューティングデバイスの市場を支配しているのは、圧倒的に多い携帯電話の数が背景にある。

ガートナーの推計によると2014年のOS別出荷台数は、アンドロイドが11億300万台で最も多く、コンピューティングデバイス全体の44.6%を占める見通し。

これに次ぐのが米マイクロソフトの「ウィンドウズ」で、出荷台数は3億6000万台。ウィンドウズのデバイス全体に占める割合は14.5%になるという。そしてウィンドウズに迫るのがアップルの「iOS/Mac OS」で、3億4400万台(同13.9%)。

またこれらOSの前年比伸び率を見ると、アンドロイドは25.6%増、iOS/Mac OSは29.0%増、ウィンドウズは9.7%増との予測だ。ちなみに2013年の前年比伸び率実績は、アンドロイドが74.3%増、iOS/Mac OSが24.8%増、ウィンドウズは5.3%減だった。

つまり、アンドロイドは昨年の反動で今年は伸びが鈍化する。アップルは昨年発売したアイフォーン5sと同5c、そしてアイパッドエアーと同ミニのレティナモデルが好調に推移する。ウィンドウズはプラスに転じるものの伸びは比較的小幅にとどまる。ガートナーはこう見ているようだ。

JBpress:2014年1月9日号に掲載)

ニューズフロントLLPパートナー

同時通訳者・翻訳者を経て1998年に日経BP社のウェブサイトで海外IT記事を執筆。2000年に株式会社ニューズフロント(現ニューズフロントLLP)を共同設立し、海外ニュース速報事業を統括。現在は同LLPパートナーとして活動し、日経クロステックの「US NEWSの裏を読む」やJBpress『IT最前線』で解説記事執筆中。連載にダイヤモンド社DCS『月刊アマゾン』もある。19〜20年には日経ビジネス電子版「シリコンバレー支局ダイジェスト」を担当。22年後半から、日経テックフォーサイトで学術機関の研究成果記事を担当。書籍は『ITビッグ4の描く未来』(日経BP社刊)など。

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