春一番は羽田や江戸川臨海まで
九州北部、中国、四国、北陸では春一番
日本付近を進んだ低気圧や前線に強い南風が吹き込んだために、2月21日(土)には九州北部で、22日(日)には中国、四国、北陸地方でも春一番の発表がありました。
一方、関東地方(東京)では予想ほど吹かずに見送りとなりましたが、都内でも春一番の吹きこんだ所はありました・・・。
東京湾の周辺だけ春一番
下は2月23日(月)午前5時の関東地方の風と気温の様子です。
千葉県の他、神奈川県~東京都の東京湾周辺では平均で10メートル前後の南~南西の風が吹き込んでおり、この南風の吹き込んでいる所では気温が10℃を超えて、15℃以上になっている所もあります。
この中で、東京都に注目すると、羽田や江戸川臨海(葛西臨海公園)までは強い南風が届き、気温も12℃~14℃ありますが、北の丸までは吹き込んでおらず、気温は6℃台しかありません。これはよくあることなのですが、関東平野にたまっている冷たい重たい空気の上に暖かい南風が乗り上げてしまっている状態です。
いわば平均10メートル前後の強い南風を持ってしても、冷たい重たい空気を押しのけることが出来ない状態なのです。この暖かい空気は上空には吹き込んでいるために、同じ時間帯、標高が約1000メートルある富士五湖周辺(河口湖や山中湖)の方が東京よりも気温が高い逆転現象が起こってしまっています。
関東地方(東京)の春一番を発表する基準は北の丸の風や気温次第となりますので、いくら羽田などで基準以上の南風が吹いたとしても基本的には関東地方で春一番が発表されることはありません。
実はこの現象、関東地方、あるいは東京地方に特有の現象とも言え、度々あることなのですが、東京のデータを発表する観測ポイントが大手町から少し西側にある北の丸に移ったことも多少影響するのかもしれません。いずれにしても、このほんの数キロ程度の単位で南風が入るか入らないかという予測は非常に難しいものです。