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同行する親のせいで受験生がバス乗れず報道。実際は同日に保護者向け説明会が行われていた

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

2月25日に行われた東北大学の2次試験において、「臨時バスに受験生と一緒に乗る父母が増えて乗り切れない受験生が続出した」と朝日新聞が報道しました。

東北大2次試験、バス満員受験生乗れず 同行の親増加で:朝日新聞デジタル

ボクも最初読んだときは「保護者同伴で受験生が乗れないとか、おかしいだろ。親はその席を譲れよ」などと思っていたのですが、その後、少し事情が違うことが分かりました。

同日に大学生協で保護者向け説明会

じつは、同日25日に東北大生協にて、保護者を対象にした説明会が開催されていたのです。しかも予約なしの先着順です。

説明会情報 :: 東北大学生協の[受験生・新入生サポート]:: New Life Support by Tohoku Univ. Co-op

そりゃあ、親も行きますよ。同行するに決まってるじゃないですか。子供は受験、親は説明会。何もおかしいところはありません。

が、それをまるで「受験に同行する親が増えたためバスに乗れない受験生が続出した」と朝日新聞は報道したわけです。

問われる朝日新聞の報道力

いったい、朝日新聞は何を考えてるんでしょうか。気になるところはふたつあります。

ひとつは「本当に知らなかったとしたら朝日新聞の調査力はどうなっているのか?」。もうひとつは「知っていたとしたら朝日新聞はこれを狙って書いたのか?」です。

まず「知らなかった」としたら。知らなかったのならまあしょうがないところです。しょうがないところですが、それで新聞として大丈夫なのかと思います。

そんな十分に調べていない、ぶっちゃけ東北大に電話の1本でも入れれば原因の分かりそうなことすら調べずに“イマドキの親批判”をするのはおかしいでしょう。

念のため、この記事を書いている現時点で朝日新聞デジタル内を「東北大」で調べてみましたが、続報はないようです。

もうひとつ、「狙って書いた」のであれば、天下の朝日新聞がこんなゴシップ風に書き上げなければいけなかったこと自体が「どうなのよ?」という気分です。

新聞業界が斜陽産業と言われるようになって久しいですが、言われるにはそれなりの理由がある。もっと言えば保護者側の落ち度ではなく、東北大と同生協側のミスであることが分かった時点で訂正報道もしないようでは落ちていくのは当然のことなんじゃないでしょうか。

朝日新聞が初めて下野なう。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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