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【9月22日は秋分】昼と夜の時間は「同じ」でない!?今年は「暑さ彼岸まで」になる?気象予報士の暦解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

今日9月22日は秋分です。祝日にもなっている暦ですが、もとは二十四節気という伝統的な暦のひとつで、「昼と夜の時間がほぼ同じになる頃」という意味。
「ほぼ」ということは、ぴったり同じではないということになりますが、なぜでしょうか。

また、「暑さ寒さも彼岸まで」という言い回しがありますが、実際に今年2024年は「暑さ彼岸まで」になるのでしょうか。この先の秋の気温は…??

気象予報士とめぐる暦解説です。

昼と夜の時間が同じにならない!?

秋分には、1日24時間のうち昼が12時間、夜が12時間、という具合に同じ長さになる、と思っている人が多いかもしれませんが、実際にはそうなっていはいません。

たとえば東京では、今年2024年の秋分は日の出が5時29分、日の入りが17時38分で、昼は12時間9分、夜は11時間51分となっていて、昼の方が長いのです。

その理由は、「日の出」と「日の入り」の定義にあります。

太陽がちょっとでも出たら「日の出」

実は、もし「日の出」を「太陽の中心が地平線まで上がってきた時」、「日の入り」を「太陽の中心が地平線まで下がってきた時」とすれば、秋分の「日の出」から「日の入り」は12時間になります。

しかし実際には、太陽の中心が地平線まで上がってこなくても、太陽の上端がほんの少しでも地平線から出れば一気に明るくなりますから、その瞬間が「日の出」になるのです。

実際の「日の出」は右図の状態なので、左図の場合よりも日の出が早くなり、昼が長くなる(筆者作成)。
実際の「日の出」は右図の状態なので、左図の場合よりも日の出が早くなり、昼が長くなる(筆者作成)。

そのため、太陽の上端から中心までの距離(半径)の分だけ日の出は早くなり、昼が長くなります。
同じことが日の入りのときにも起きます(太陽が完全に地平線に隠れる瞬間が「日の入り」になる)。

また、地球の大気の影響で、地平線が浮き上がって見える効果(専門的には「地平大気差」と言います)によって、さらに日の出は早く見え、日の入りは遅く見えるのです。

加えて、そもそも日本では太陽は真上へ昇るのではなく斜めに昇ってくるため、この差はさらに広がって、昼の時間が12時間ではなく12時間9分となるわけです。

今年の秋の暑さはどうなる?

季節予報の(左)10月、(右)11時月の気温予想(気象庁HPを元に作成)。
季節予報の(左)10月、(右)11時月の気温予想(気象庁HPを元に作成)。

気象庁が発表している最新の季節予報によると、このさき10月、11月と平年並みか高い気温が予想されています。

さらに、10月に関しては沖縄~関東・北陸では降水量が平年を上回る予想となっていて、涼しくさわやかな秋というより、ちょっと蒸し暑い秋になるかもしれません。

今年2024年は7月、8月、9月と連続して各地で大雨の被害が発生しましたが、このさきも大雨への備えを続けていきましょう。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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