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不撓不屈の受け師・木村一基王位がしのぐか? 藤井聡太挑戦者が攻めきるか? 王位戦第4局は中盤の佳境

松本博文将棋ライター
写真撮影:悟訓

 8月20日。福岡県福岡市・大濠公園能楽堂において第61期王位戦七番勝負第4局▲木村一基王位(47歳)-△藤井聡太棋聖(18歳)戦、2日目の対局がおこなわれています。

 そろそろ11時半になろうというところ。藤井挑戦者は熟慮の末に、金の頭に歩を打ちました。的確な攻めの継続手です。この一手には1時間13分を使いました。

 藤井挑戦者が席を立ったあと、木村王位は盤を見ずにしばらくうつむきます。そして大きく息をする声が聞こえてきました。その場面だけを見ると木村王位が苦しそうにも見えます。しかしここは辛抱しがいのありそうな局面。強靭な受けの力で知られる木村王位が本領を発揮できそうなところかもしれません。攻めをしのげば飛車と銀の交換の駒得が活きてきます。

 ABEMAの中継で豊川孝弘七段(副立会人)は次のように語っていました。

「福岡は暑い! ヒロミ・ゴーでアッチッチーですよ!」

(福岡は食べ物が美味しいがお土産は)

「みんな好みがあるでしょ? 木の実ナナ」

(50手目の段階で)

「どっちか持てって言われたらどうします? 持田真樹」

(藤井挑戦者の封じ手が△8七同飛成で)

「同飛車大学がTwitterのトレンドに? Yahooでも? それってけっこうすごいんですか? これおれ、同志社大学から表彰されると思う。光栄ですね。将棋指し冥利って言うよりね、オヤジ冥利に尽きます。同飛車なります南です」

(土産ものの食レポをしながら)

「うん! マウイ島! 美味いよこれ。いいよ、これ。飯野健二」

「どうもー! センチメンタル・ジャーニー!」

(現地からの中継終了)

 50手目。木村王位は打たれた歩を駒台に乗せます。そして一回空打ちをして、金を前に進めました。木村王位は43分を使って、残りは2時間46分。藤井挑戦者は2時間17分です。

 木村王位の金が四段目に上ずったのを見て、藤井挑戦者は時間を使わず、木村陣二段目に歩を打ちます。これが桂取り。

 木村王位はまた考えます。しばらくして記録係の池永天志四段に消費時間を尋ねます。

木村「この手は何分ですか?」

池永「10分です」

 木村王位は次の手を指さず、12時30分、昼食休憩に入りました。

 再開は13時30分からとなります。

 王位戦七番勝負、2日目の対局は夕食休憩はありません。通例では夕方から夜にかけての終局となります。

 筆者手元のコンピュータ将棋ソフトは、後手の藤井挑戦者がややよしという判定をしています。

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将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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