最初の4試合で2度もサヨナラ勝ちのヒーローになったのに、MLB初安打はまだ。…マジか!?
パトリック・マジーカ(ニューヨーク・メッツ)は、5月5日にデビューし、ここまで5試合に出場している(5月12日時点)。どの試合も代打として起用され、ヒットは打っていない。犠牲フライと犠牲バントも皆無だ。けれども、すでに3打点を挙げている。2試合目、3試合目、4試合目に、それぞれ1打点を記録した。
そのうち、2試合目と4試合目は、サヨナラ勝ちとなる打点を挙げた。
まずは、5月7日だ。10回裏、1死満塁の場面で、マジーカの打球は力なく右へ転がった。マウンドから駆け寄った投手が、グラブですくってそのまま捕手へトスしたが、送球が少し逸れ、捕手は捕り損なった。捕球していても、足がベースから離れていたので、結果は同じだったはずだ。
5月11日は、9回裏にメッツが同点に追いついた直後、1死一、三塁の場面で登場した。ワイルド・ピッチで二、三塁に。マジーカは、前進守備を敷く一塁手の前にゴロを打った。今度の打球は4日前よりも速かったが、送球がわずかに浮いたこともあり――4日前と違い、タッチしないとアウトにならない――三塁走者のスピードが勝った。
どちらも、記録はフィルダース・チョイス(野選)だ。イライアス・スポーツ・ビューローによると、初安打を打つ前にサヨナラ勝ちを決める打席が2度以上は、ここ100年で初めてだという。打点が公式記録となった1920年以降、最初の4試合中2試合以上でサヨナラ勝ちとなる打点を挙げたのも、マジーカが最初だ。
また、サヨナラ勝ちとサヨナラ勝ちのちょうど間、5月9日の6回裏には、2死満塁の場面で打席に立ち、押し出しとなる四球を選んでいる。
なお、マジーカは27歳。ポジションは、一塁と捕手だ。20代後半のデビューからも窺えるとおり、プロスペクトとして注目されたことはなかった。