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19歳のマイナーリーガーが「13者連続奪三振」。2人の救援投手と合わせ、1試合に22三振を奪う

宇根夏樹ベースボール・ライター
13者連続奪三振は継続中(写真:イメージマート)

 4月23日、フィラデルフィア・フィリーズ傘下のA、クリアウォーター・スレッシャーズのアンドルー・ペインターは、最初の打者から三振を奪い、2人目に二塁打を打たれ、3人目をライト・フライに討ち取った後、4人目から16人目まで――1回表の3アウト目から5回表の終了まで――13者連続奪三振を記録し、ストリークを途切れさせることなくマウンドを降りた。5イニングで16人と対戦し、被安打は1本、15アウト中14アウトは奪三振だ。

 さらに、ペインターに続いて登板した2人、マリック・ビンストミー・マッカラムは、それぞれ2イニングを投げて4三振ずつを奪った。ペインターと合わせて、奪三振は22に達した。試合は、3対0でスレッシャーズが勝利。6回表までは両チームとも得点がなく、白星はビンスにつき、マッカラムがセーブを挙げた。

 ペインターは、19歳の長身右腕だ。しかも、今月の10日に誕生日を迎えたばかり。昨年のドラフトで全体13位指名を受け、フィリーズに入団した。スタットキャストのデータによると、この日の70球の内訳は、4シームが49球とスライダーが21球だが、カーブとチェンジアップ、2シームも投げる。昨シーズンは、ルーキーリーグの4登板で計6.0イニングを投げ、12三振を奪って与四球と失点はなし。Aで開幕を迎えた今シーズンは、ここまで3試合に登板し、計12.0イニングで30奪三振と3与四球。こちらも、失点はゼロだ。プロ入り以来、防御率0.00を続けている。

 フィリーズ傘下のA+には、2020年のドラフト全体15位、ミック・アベルがいる。こちらは、20歳の右投手だ。順調にいけば、フィリーズのローテーションは、数年後にアベルとペインターがトップ2になるだろう。

 なお、ビンスとマッカラムも右投手だ。今シーズンの年齢(6月30日時点)は、ともに23歳。彼らも、プロ入りはペインターと同じ昨年だが、ビンスのドラフト順位は18巡目・全体535位と高くなく、マッカラムはドラフトにかからなかった。スタッツを見る限り、2人とも制球に難がある。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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