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富田林のオリックス戦は岩貞と横山で連勝《7/25,26 阪神ファーム》

岡本育子フリーアナウンサー、フリーライター
25日のオリックス戦で6回110球、球数を要したものの1失点と粘った岩貞投手。

暑すぎる日が続いていますね。連日30度を軽く超える中で行われるスポーツ競技に、選手たちは大丈夫なんだろうかと心配になるくらい。阪神鳴尾浜球場のベンチ横にあるカメラ席で座っているだけでも体力を消耗しますが、25日に富田林バファローズスタジアムで行われたウエスタン・オリックス-阪神戦では試合途中、初めて救護室のお世話になってしまいました。

厳しい暑さの上に風がほとんどなく、観戦もつらい状況。試合中盤にはもう退席される方が多かったですね。7回にちょっと写真を撮って戻ってきたら呼吸がスムーズにできなくなって、あまりの息苦しさに焦りました。水分も塩分もしっかり摂っていたのに。そこで救護室に行き、首の後ろや腋の下を“アイシング”してもらって、しばらくすると楽に深呼吸ができるようになったのです。手当してくださった皆様、ありがとうございました。

富田林その1 伊藤隼の三塁打で勝ち越し

そんな中で行われた『2015富田林ドリームフェスティバル』オリックス-阪神戦。まずは25日の結果と試合経過、そしてコメントをご紹介します。この日は6回1点ずつ取り合ったまま最終回を迎え、2点を勝ち越した阪神が勝ちました。見ている方にとっても、両チームの投手陣が好投してくれたことが救いです。

《ウエスタン公式戦》7月25日

オリックス-阪神 20回戦 (富田林)

阪神 000 001 002 = 3

オリ 000 001 000 = 1 

◆バッテリー

【阪神】岩貞-二神-○筒井(3勝2敗)-S石崎(3勝3敗2S) / 梅野

【オリ】佐野(7回)-森本(1回)-●白仁田(2敗)(2/3回)-大山(1/3回) / 若月

◆三塁打 伊藤隼

◆二塁打 中谷、森越

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]中:柴田  (4-1-0 / 3-1 / 0 / 0) .354

2]二遊:森越 (2-1-0 / 0-2 / 0 / 0) .345

3]指:伊藤隼 (4-1-1 / 0-1 / 0 / 0) .259

4]左:ペレス (3-0-0 / 2-2 / 0 / 0) .327

〃左:緒方  (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .226

5]捕:梅野  (4-1-1 / 0-1 / 0 / 0) .318

6]一:中谷  (5-2-0 / 1-0 / 0 / 0) .289

7]遊:北條  (2-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .258

〃二:荒木  (2-1-0 / 0-0 / 0 / 0) .159

〃打二:黒瀬 (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .221

8]三:陽川  (2-1-0 / 1-2 / 0 / 0) .245

9]右:横田  (4-1-0 / 2-0 / 0 / 0) .212

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

岩貞 6回 110球 (6-7-2 / 1-1 / 2.89)

二神 1回 12球 (0-2-0 / 0-0 / 2.14)

筒井 1回 13球 (0-2-0 / 0-0 / 2.59)

石崎 1回   8球 (0-1-0 / 0-0 / 3.89)

【試合経過】

打線はオリックスのルーキー・佐野に対して2回、中谷の右翼線二塁打と陽川の四球、横田の中前打などで2死満塁と攻めましたが先制ならず。それ以外にも、1回が柴田の中前打、3回は四球2つ、4回は中谷の左前打(続く北條はバントを決まられずに追い込まれた結果、三ゴロ併殺打。直後に交代…)と陽川の中前打、5回は柴田の死球と毎回走者を出しながら無得点に終わっています。一方、阪神の先発・岩貞も、3回を除いて毎回1本ずつヒットを許したものの、5回まで無失点。

6連戦の続く8月、1軍で必要とされる時がきっと来る岩貞投手。
6連戦の続く8月、1軍で必要とされる時がきっと来る岩貞投手。

そして6回、阪神は先頭の梅野が四球を選び、1死後に荒木の左前打と陽川の四球で満塁として横田が左飛。タッチアップはしなかったのですが、レフト武田の送球があらぬ方向へいったため梅野は生還!それぞれ進塁して2死二、三塁となるも、次の柴田は三振で1点止まり。するとその裏、岩貞が山本に四球、カラバイヨは左前打、2死を取ったあと奥浪の右前タイムリーで追いつかれてしまいます。

7回に森越から3人連続で四球を選んだものの、佐野に後続を断たれて得点なし。8回は森本の前に、陽川からの3人が今度は連続で空振り三振を喫しました。こちらの投手も、2人目の二神が7回は2奪三振などで三者凡退!8回に登板した筒井もカラバイヨ、T-岡田を連続で空振り三振に仕留めて三者凡退と、見事なピッチング!(だったそうです。ちょうど救護室で静養中でした…)

1対1で迎えた9回、オリックス3人目・白仁田から先頭の森越が左中間への飛球。センター小田が打球に触ったものの捕れず、記録は二塁打となります。続く伊藤隼は右中間へ大きな当たりで、勝ち越しのタイムリー三塁打!ペレスの二ゴロで2死となったあと、梅野はセカンド奥浪の横を抜ける右前タイムリー!中谷はレフトポールぎりぎりのファウルで沸かせましたが、遊ゴロで2死二塁。ここで白仁田から大山に代わり、代打・黒瀬は一邪飛。貴重な2点が入り、9回裏は石崎がわずか8球で三者凡退!試合終了です。

【投手編】岩貞、筒井

「よかったと思います。真っすぐでカウントも取れたし、三振も取れました」という岩貞投手。7三振のうち、見逃しの三振3つは直球で奪ったもので「スピードも出てきているし、感覚は悪くない」と言います。5回と6回に少し球数が多くなった点は「丁寧に行かないといけないところだったし、プロは簡単に打ち取れないので」とのこと。8月になると1軍は6連戦が増えてきますね。「もちろん、そこは狙っています!」。ライバルたちの動向は気になるでしょうけど、まずは自分でこうやって結果を出していくことが最大のアピールです。この日の最速は147キロでした。

「暑さは大丈夫でしたよ~」と涼しげな顔で言う岩貞投手。6回110球も投げたのに?
「暑さは大丈夫でしたよ~」と涼しげな顔で言う岩貞投手。6回110球も投げたのに?

久保投手コーチは「前回(7月8日、由宇の広島戦で6回6安打2失点)投げてから、自分のピッチングを見つめ直している。どうしたらバタバタしないで、落ち着いて投げられるか。きょうはしっかり投げきることができていましたね。コントロールもよかったと思いますよ」と話しています。

その岩貞投手のあとを受けて、パーフエクトリリーフを披露した3投手。でも二神投手と、自己最速の154キロをマークした石崎投手は残念ながら、話を聞くタイミングを逃してしまいました。すみません!8回に登板した筒井投手は切れ味抜群の変化球で、カラバイヨ選手を空振りさせたチェンジアップは見事だったそうです。「調子はずっといいので、また1軍に上がれるよう準備だけはしておきます」とコメント。

なお私が救護室から出てきた時、ちょうど投げ終わって戻ってきた筒井投手と遭遇したのですが、ものすごい汗!「8回までずっと投げていたみたいでしょ?10球くらいしか放ってないのに」と笑っていました。いや~あの炎天下、日陰のないところで準備していたリーリーフの皆さんは大変だったと思いますよ。

【野手編】伊藤隼、中谷、森越

古屋監督は「岩貞がよく放ってくれた」という言葉に続き、三塁打を放った伊藤隼選手について「今後は打席を増やしながら、すぐ1軍に呼んでもらえるような結果を出していかないと。(三塁打より)その前の打席だね。すぐ上がるかどうかは1軍が決めることだけど、きょうのヒットで吹っ切れたんじゃないかな」と振り返っています。

そして伊藤隼選手本人からも同じ言葉が出ました。21日の練習試合(BCリーグ合同チーム)で復帰して、24日のオリックス戦で二塁打を放ち、25日には9回に勝ち越しのタイムリー三塁打。「足、動いていました?」と冗談を言ったあとに「それ以前の打席がダメですね。最後に(試合を)決めたといっても、反省する打席の方が多すぎます」と表情は緩みません。

マルチヒットの中谷選手は「ラッキーですね。調子自体は悪くないです」というひとこと。

勝ち越しに貢献した森越選手の話も聞こうと近づいたら、もう既にニヤニヤ。9回の左中間二塁打は「ラッキーパンチ!」と笑顔でした。相手守備のおかげだったかもしれませんが、でもあれは大きかった。試合を決めたと言ってもいいくらいでしょう。「ですよね?持ってますよ、僕」。また1軍に行かなくちゃいけませんね。今度こそ暴れてこないと。「はい!頑張ります」

富田林その2 横山が72日ぶりの白星

さすがに26日の取材は断念しましたが、気温データだけを見ると富田林近辺は25日より2~3度高くなっています。観戦された皆様、大丈夫ですか?これは場所の問題ではありませんよね。なんたって全国的に異常な暑さになっているので、どこにいても同じだったでしょう。どうぞ十分にご自愛ください。油断は大敵です。はい。

さて、26日は阪神が中谷選手の3ランで先制!7回にペレス選手の犠飛で1点追加して、小刻みに追い上げられるも1点差で逃げ切りました。横山投手が5回1失点で、5月15日の広島戦(鳴尾浜)以来の3勝目を挙げています。選手のコメントはありませんので、簡単に試合経過だけ書いておきます。

盛り上げてくれた富田林市のマスコット・とっぴーちゃん。…暑かったでしょうねぇ。
盛り上げてくれた富田林市のマスコット・とっぴーちゃん。…暑かったでしょうねぇ。

《ウエスタン公式戦》7月26日

オリックス-阪神 21回戦 (富田林)

阪神 003 000 100 = 4

オリ 001 000 101 = 3 

◆バッテリー

【阪神】○横山(3勝4敗)-金田-桑原-渡辺-S石崎(3勝3敗3S) / 小豆畑

【オリ】吉田一(2回)-●斎藤綱(1敗)(1回)-戸田(1回)-柴田(1回)-森本(3回)-大山(1回) / 若月

◆本塁打 中谷5号3ラン(齋藤綱)

◆二塁打 カラバイヨ3、ペレス、森越

◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策) 打率

1]左:緒方  (5-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .231

2]二:森越  (5-2-0 / 3-0 / 0 / 0) .348

3]中:伊藤隼 (4-2-0 / 0-0 / 0 / 0) .274

〃打:黒瀬  (1-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .219

〃走中:柴田 (0-0-0 / 0-0 / 0 / 0) .354

4]指:ペレス (2-1-1 / 1-2 / 0 / 0) .333

5]一:中谷  (3-1-3 / 0-1 / 0 / 0) .289

6]遊:北條  (3-1-0 / 0-1 / 0 / 1) .259

7]三:陽川  (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0) .228

8]右:横田  (4-1-0 / 3-0 / 0 / 0) .213

9]捕:小豆畑 (4-0-0 / 3-0 / 0 / 1) .207

◆投手 (安-振-球/失-自/防御率)

横山  5回 85球 (4-2-5 / 1-1 / 2.70)

金田  1回 14球 (0-0-0 / 0-0 / 5.40)

桑原 0.2回 29球 (1-1-2 / 1-0 / 3.44)

渡邉 0.2回 20球 (1-2-1 / 0-0 / 3.78)

石崎 1.2回 29球 (3-3-0 / 1-1 / 3.96)

【試合経過】

打線は3回、伊藤隼の内野安打とペレスの左越え二塁打で1死二、三塁として中谷がレフトへ第5号3ラン!その裏に横山が先頭の小田に四球を与え、1死後にカラバイヨのタイムリー二塁打(サード陽川を強襲)で1点返されます。7回に森越が左越え二塁打、伊藤隼も中前打で続き無死一、三塁。次のペレスが中犠飛を打ち上げて4対1としました。

横山は5回を投げて4安打ながら5四球。1回と5回にあった満塁のピンチを切り抜け、3回の1失点のみで投げ終えています。6回の金田は三者凡退でしたが、7回は桑原が四球とT-岡田の左前打、チャベスの遊ゴロで北條がエラーして2死満塁となり、奥浪に押し出し四球を与えて降板。なおも満塁のピンチで代わった渡辺は、山本から三振を奪って0点に抑えました。

8回の攻撃は三者凡退で終わり、その裏も続投の渡辺が宗への四球と小田の右前打で1死一、三塁として交代します。ついで、連投の石崎が川端を二ゴロ併殺打に仕留めて無失点。9回表は先頭・緒方の中前打や相手エラーなどがあったものの追加点なし。

2点リードで9回裏も引き続き石崎がマウンドへ。先頭のカラバイヨに右越え二塁打(カラバイヨはこの日、3本目の二塁打)を許し、1死後にチャベスの左前打で一、三塁となって奥浪の中前タイムリー。1点差と迫られますが、山本と若月を連続三振に仕留めて試合終了。前日に自己最速の154キロをマークした石崎投手、この日は155キロも出たとか。どこまで伸びるのか楽しみですねえ。

なお、25日の試合後にオリックスはユニークなファンサービスを行いました。小虎のことじゃないですけど『小虎日記・番外編』として次で詳しく。26日に鳴尾浜で“○○○選手”が143キロの球を投げた!という話と合わせてご紹介します。お楽しみに。

フリーアナウンサー、フリーライター

兵庫県加古川市出身。MBSラジオのプロ野球ナイター中継や『太田幸司のスポーツナウ』など、スポーツ番組にレギュラー出演したことが縁で阪神タイガースと関わって約40年。GAORAのウエスタンリーグ中継では実況にも挑戦。それからタイガースのファームを取材するようになり、はや30年が経ちました。2005年からスポニチのウェブサイトで連載していた『岡本育子の小虎日記』を新装開店。「ファームの母」と言われて数十年、母ではもう厚かましい年齢になってしまいましたが…1軍で活躍する選手の“小虎時代”や、これから1軍を目指す若虎、さらには退団後の元小虎たちの近況などもお伝えします。まだまだ母のつもりで!

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