北朝鮮軍事パレード今朝未明に終了? 午後に録画放送?
北朝鮮が朝鮮労働党創建75周年を記念した閲兵式(軍事パレード)をすでに今朝未明に行ったとの情報があるが、一部ではリハーサルで、本番は午後からではないかとの見方も出ている。
韓国では5年前の党創建70周年パレードが午後3時にスタートしていることや、午前中は参加者への新型コロナウイルス防疫に時間を費やすとみて、おそらく午後から、それも生中継されると身構えていたが、早朝未明にやったのが事実ならば、極めて異例のことで、韓国の裏をかいたことになる。
軍事パレードが実況生中継されと韓国当局が想定した理由は過去に何度も生中継されているからだ。具体的には2013年7月27日の朝鮮戦争勝利60周年軍事パレード、2013年9月9日の建国65周年軍事パレード、2015年10月10日の労働党創建70周年軍事パレード、そして2017年4月15日の金日成主席生誕105周年軍事パレードはいずれも同時生中継だった。しかし、直近の2018年に行われた2度の軍事パレードはいずれも午前中に行われ、編集され、午後に録画放送されていた。
午前11時半に始まった2月8日の朝鮮人民軍健軍70周年軍事パレードは午後5時半に録画放送され、午前10時から2時間にわたって行われた9月9日の建国70周年軍事パレードも午後に録画放送されていた。
中国全人代の栗戦書委員長、ロシア連邦議会のワレンチナ・マトヴィエンコ議長、モリタニア共和国のムハンマド・ウルド・アブデルアズィーズ大統領ら外国の賓客らが招待された9月9日の建国70周年軍事パレードでは金正恩委員長の演説もなく、またトランプ政権への配慮もあってミサイルは登場させず、自衛用の152ミリ砲の自走砲や地対空ミサイル「KN-06」,300ミリ放射砲の「KN-09」などの在来式兵器だった。トランプ大統領は北朝鮮が弾道ミサイルを登場させなかったことについて「とても前向きな意思表示だ。金委員長よ、ありがとう」とツイートしていた。
しかし、その7か月前の人民軍健軍70周年軍事パレードでは短距離ミサイルのほかに中距離弾道ミサイル「北極星2」、準ICBMの「火星12」、ICBM級の「火星14」、そして最後に米本土攻撃可能なICBM「火星15」が18車輪の4基移動式発射台に搭載され、登場していた。
今年の軍事パレードは「コロナ対策」として外国からの招待客はゼロで、また平壌に駐在している外国の大使館員や国際機関の駐在員ら全員も会場へのアクセスを禁じられている。このため、今日のパレードに昨年12月末に金委員長が「世界は間もなく新たな戦略兵器を目の当たりにするだろう」と予告していた新型の戦略ミサイルが公開されるのかが金委員長の演説の有無も含めて最大の関心事となっている。