「体を作るための入り口のお口」はケアが大事
柔らかい食事をしていると、歯に食べ物が挟まる、奥歯に食べものが詰まるなど口の中の不快感が少なく、歯磨きや口腔ケアをおろそかにしてしまう…なんていうことはありませんか?介護をする上で口腔ケアはとても重要です。
「柔らかいから歯が悪くなることは無いでしょ」「液体に近い食事の形態だとそんなに敏感にならなくてもいいのでは?」と思って、つい歯磨きや口腔ケアをおろそかになっていませんか?また、体調が悪くて歯磨きまでできない…という場合もあると思います。ですが、歯磨きをはじめとする口腔ケアを怠ると、とても大変なことになります。
わが家の介護メンズは、口腔ケアが苦手でした。病気で歯磨きをする体力までなくなってしまい、2週間ほど歯磨きをすることができませんでした。私も当時はそこまで気が回らず、本人も特に気にしていなかったのでケアをすることなく過ごしていました。その結果、虫歯だらけ…。半年かけて虫歯を治療し入れ歯や差し歯を作ることになり、ちょっとしたわが家の騒動になりました。また、先生も容赦なく「歯磨きをきちんとしないからだ」と本人に言い、しまいには付き添いの私まで怒られる始末…。治療が終わるころには「こんな思いもうしたくない」という気持ちでいっぱいでした。
それからは介護メンズは歯磨きを起床時、毎食後に行っていて歯間ブラシや舌クリーナー等も使用しています。また訪問歯科も利用して口腔ケアを行っています。おかげで、今のところ虫歯はなく、口腔内に食べ物の「カス」が残らず誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)のリスクも減りました。また口腔内を常にきれいにすることで体内にウィルスなどの細菌が入るを防いでくれるので体調も安定しています。
「口腔ケア」のグッズはドラッグストアなどに行けば、たくさんあります。普段使っている歯ブラシの他に体調が悪い時にベッドサイドでも使用できる「口腔ケア専用のウェットティッシュ」やマウスウォッシュなどがあると、簡単にケアができます。災害時なども使用できるので、介護を受ける方がいる方は備蓄していると便利です。
食事が柔らかいから、歯に詰まらないし影響は少ないでしょ~と考えず「体を作るための入り口はお口」です。その入り口のお口のケアはしっかりと行い、食べ物から栄養を摂って体力や体調を整えましょう。
※口腔ケアについて、気になる点があるときは歯医者さんに相談しましょう。もしかかりつけの歯医者さんがない場合は、ケアマネージャーさんや行政の窓口で「どこの課に行けば歯医者さんの相談ができますか?」と聞いてみてください。教えてくれますよ。口腔ケアまで介護をするのはとても大変です。ぜひ、行政などに相談して専門家の知恵を借りていきましょう。