【リオ五輪・女子バスケット】 渡嘉敷来夢が見つめる2つの夢
■「メダルへの挑戦!」
「メダルへの挑戦!」をスローガンに、リオデジャネイロ五輪開幕を心待ちにしている女子バスケットボール日本代表『アカツキファイブ』。
12年ぶり4度目の五輪舞台となる今回は、初めて前年のアジア選手権を制して臨む五輪であるうえに、「100年に1人の逸材」と称され、昨季から米女子プロバスケットボールリーグのシアトル・ストームでプレーしている渡嘉敷来夢の存在が期待を一層膨らませている。
渡嘉敷は7月下旬のアルゼンチン合宿から日本チームに合流。開幕を前に、胸に“2つの夢”を秘めている。
■吉田亜沙美とともに出る初めての世界大会
渡嘉敷には、リオ五輪への期待とリンクする、悔しい思い出がある。14年秋に開催された世界選手権。日本は1次リーグでスペイン、チェコ、ブラジルに歯が立たず、3連敗であえなく敗退した。
もちろん、チーム全体の力が及ばなかったのは事実だが、渡嘉敷は吉田不在の影響を重く感じていた。吉田は同年2月に左膝前十字じん帯を断裂し、日本代表から離れていた。
「あのときはリュウさん(吉田のコートネーム)がいなかったのが大きかった。自分はずっとチーム(JX-ENEOS)でリュウさんと一緒にやってきたので、いなかったことが本当に大きかったんです。だから、次の世界舞台にはリュウさんと一緒に立ちたいと思っていました」
リオ五輪は、日本の女子バスケ史上に名を刻むダブルヒロイン、渡嘉敷と吉田が、初めてともに世界舞台に立つ大会なのだ。
「五輪は出ること自体が楽しみなのですが、リュウさんと一緒に日本のバスケットを世界の舞台で見せられるということが楽しみであり、一つの夢です」
■シアトルのチームメートがいる米国と対戦したい
このように話す渡嘉敷のもう一つの「夢」は、シアトルのチームメート2人が代表メンバーに入っている米国と対戦することだ。2人とは、五輪3大会連続金メダル獲得中の名ガードであるスー・バードと、渡嘉敷のポジション争いのライバルであるブレアナ・スチュアートだ。
「米国に行って感じたのは、やるのと見るのとでは全然違うということでした。一緒のチームでやったり、試合で対戦したりするのと、見ているのとではまったく違うんです。だからこそ、それを日本人みんなに肌で感じて欲しい。そうすることで日本チームがどんどんレベルアップしていくと思うんです」
渡嘉敷は「当たりの強さは米国の方がすごいけれど、スピードだったら日本の方がある。スピードなら勝てる」と話す。
■初戦は日本時間7日午前7時45分、ベラルーシ戦
リオでは、12チームが6カ国ずつ2組に分かれて1次リーグを行い、各組上位4チームが決勝トーナメントに進む。日本が入ったA組は、世界ランク2位のオーストラリアの実力が頭一つ抜けているが、残りの5チームには大きな実力差はない。
日本の初戦は、6日午後7時45分(日本時間7日午前7時45分)から始まるベラルーシ戦。初戦に勝って勢いをつけていくことが、まずは肝心だ。
米国と当たるのは、準々決勝以降だが、もちろん、決勝で当たるのが理想だ。2つの夢の実現へ、渡嘉敷は大いに燃えている。