宮城県 4月末は上着要らずの暖かさ ところが梅雨には長袖が活躍?
今週はこの時季にしては強い寒気が日本列島の上空に流れ込みました。4月下旬らしからぬ空気の冷たさの日が多くなり、東北地方の山の上では雪の降り積もった所もあったくらいです。ただあす25日(土)以降はこの流れが変わっていきそうです。
暖気に押し出されていた寒気
過去10日間の気温を平年と比較した図を見ると、全国的に水色=平年より気温が低くなっていました。
今年は、冬は暖冬だったのに、なぜ今頃になって寒気が強まったのでしょう?
それは、寒気が無理やり押し出されていたためです。
図は北半球を北極の真上から見た地図に、上空約1500mの寒気を重ねたものです。
今年の冬~今月初めは、上空の寒気は北極付近でひと塊になっていて、なかなか日本の方にやってきませんでした。
ところが現在の様子を見ると、寒気の塊は大きく3つに分かれていて、そのうちの1つが日本列島に流れ込んでいます。
一方でシベリア付近は寒気が弱くなっています。これはシベリア付近に、南から極端に暖かい空気が入ったためで、その暖かい空気に押し出されるような形になって日本付近に寒気が南下。これによって、4月下旬だと言うのに山の上では雪が降り、気温も低くなりました。
ただ今後はこの暖かい空気が、寒気を日本の東に押し出していくため、あす25日(土)以降はこの時季本来の気温が戻ります。
さらに4月末~5月初めはその暖かい空気そのものが日本列島に流れ込みます。宮城県においても、日中は20℃を上回って上着要らずの暖かさがやってきそうです。
今年の梅雨は梅雨寒が多い?
また、きょう気象庁は5~7月の3か月予報を発表しました。
それによると東北地方は、6~7月はほぼ平年並みの気温という予想になってはいますが、宮城県は平年より気温の低い梅雨寒の日が多くなる可能性もあります。
その理由はオホーツク海高気圧です。
今年の6~7月は、夏の太平洋高気圧が西には張り出すもののなかなか北には張り出さない予想になっています。
そして空いたスペースであるオホーツク海に高気圧が現れやすくなる可能性があり、そうなると宮城県など東北太平洋側にはやませと呼ばれる冷たい海風が吹き込むようになります。
最近では、2017年の夏がこのやませによって冷夏になりました。もしかすると今年の梅雨も気温の低い日が多くなり、長袖が活躍してくれるかもしれません。
ただオホーツク海高気圧の動向を予測するのは非常に難しいため、気象庁は今回の3か月予報においてはオホーツク海高気圧について明言はせず、気温の予想も「ほぼ平年並み」で発表しています。
あとひと月ほど経って、1か月予報の射程距離に入るようになれば、より確実性の高い予想になりますので、最新の情報をご確認ください。
【参考資料】
気象庁 全般季節予報支援資料 3か月予報 2020年4月24日