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2016年11月25日の「ブラックフライデー」とは? ブラックマンデー、ブラックサーズデーと違う?

横山信弘経営コラムニスト
2016年のブラックフライデーは11月25日!(写真:ロイター/アフロ)

2016年の「ブラックフライデー」は11月25日(金)。この記事を書いているのが11月25日ですから、今日が「ブラックフライデー」です。この「ブラックフライデー」という言葉を聞いて、心がウキウキしたり、楽しい気分になる日本人はまだ少ないことでしょう。「ブラック」と聞いて嬉しい気持ちになるのは、有楽製菓(株)のチョコ菓子「ブラックサンダー」の愛好家ぐらいで、他の日本人は普通「ブラック企業」だの「ブラックバイト」だの「ブラック上司」だのという言葉を思い浮かべるはず。

また、「ブラック」+「曜日」の名称ですから、1987年に起こった「ブラックマンデー」などをはじめとする「ブラックサーズデー」や「ブラックチューズデー」など、株の大暴落を想起する人も多いことでしょう。

「ブラックフライデー」とは、そもそもアメリカにおけるクリスマス商戦スタートの日のことで、感謝祭の翌日、金曜日に大々的にセールを行うことからこの名前がついたと言います。普段はセール品にならないものまで値下げをすることもあり、この「ブラックフライデー」のためにお金を貯め、一年に一回の大きな買い物にでかける方も多いとか。

さて「ブラックフライデー」なる商習慣を日本にも取り入れようということで、2016年はイオンや百貨店が大々的なセールを開始したようです。はたして「ハロウィン」のように、輸入された商習慣は定着するのか、注目しています。

プロ野球球団が優勝し、地元のデパートや百貨店が「優勝セール」を大々的に執り行うことは、すでに風物詩として定着しました。小売店は何かしら理由をつけてお客様を集めたがるものであり、その理由は正直なところ何でもよいのです。セール品を購入するだけでなく、そのついでに他の商品にも手を出す「ついで買い」を誘発することが最大の目的。デパートや百貨店で何も買わなくても、そこへ出かけるまでの移動プロセスや、食事、レジャー体験などが促進され、総じて経済は活性化するもの。

オンラインショッピングだと経済の波及効果はかなり限定されますが、リアルな小売店でのキャンペーンやセールは人を動かす力があり、新たなお金の流れを生み出します。「ハロウィン」でも「クリスマス」でも「節分」でも何でもいいですから、お祭り気分でショッピングできるキッカケはさらに増えてほしいと個人的には願っています。

血と同じで、定期的にお金の流れを促すポンプ的な仕組みがないと、末端までお金が行き渡らないからです。

ただ日本に定着させるには、やはりネーミングが悪すぎるでしょう。商習慣はともかく、「ブラックフライデー」という名称までそのまま輸入してもうまくいかないのではないか。

「明日はいよいよハロウィンだね。仮装して渋谷へ行こう!」

……は、しっくりきますが、

「明日はいよいよブラックフライデーだね。お金をいっぱい持って新宿へ行こう!」

……は、なんかしっくりこない。

「明日はいよいよブラックフライデーだね。なるべく外に出ず、家の中でじっとしていよう」

……うん、この表現はしっくりきます。

キャンペーンやイベントの名称はとても大事です。気持ちよくお金を使えるようなネーミングにローカライズできないものか、再考してもらいたいですね。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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