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シーズン50本塁打に到達したスタントンは60本も超えそう。アーチ量産には理由あり

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリスチャン・イェリッチ(左)とジャンカルロ・スタントン Aug 22 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月27日、ジャンカルロ・スタントン(マイアミ・マーリンズ)がシーズン50本目の本塁打を放った。

 スタントンの前にシーズン50本塁打以上を打った選手は、1920年のベーブ・ルースから2013年のクリス・デービス(ボルティモア・オリオールズ)まで27人(延べ43人)を数える。そのうち、ルース、ロジャー・マリスマーク・マグワイアサミー・ソーサバリー・ボンズは、60本を超えた。マグワイアは2度、ソーサは3度の60本以上を記録した。

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 彼らに続き、スタントンも60本塁打を上回りそうな勢いだ。9月を迎えるまでに50本を放った延べ8人中、60本に届かなかったのは2001年のルイス・ゴンザレス(57本)しかいない。

 スタントンは9.52打数に1本塁打を打っており、これは歴代15位に相当する。60本以上の選手と比べても、1998年と1999年のソーサ、1961年のマリスを凌ぐ。しかも、7月以降は6.45打数に1本(187打数/29本)。驚異的なペースでアーチを量産している。

 2ヵ月足らずの数値とはいえ、たまたまではあるまい。シーズン途中からスタンスをよりクローズドにしたことが、功を奏しているようだ。

 マーリンズはあと33試合を残している。スタントンの後ろを打つクリスチャン・イェリッチが安定した成績を残しているため、まったく勝負をしてもらえないという状況に陥ることもないだろう。故障に見舞われない限り、スタントンが60本塁打に到達する可能性はかなり高い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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