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【河内長野市】実際は9差路?河内長野駅近く七つ辻の先には何があるのか、筋をひとつずつ歩いてみました。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

交差点で5本以上の道路が交わることを多差路(たさろ:多叉路)と呼びます。5・6本は結構あるそうですが、7本を超えると非常に珍しいもの。河内長野駅から西に300メートルほど歩いたところにある本町(七つ辻)も、そんな珍しい多差路となります。

調べてみると、七つ辻は知られている分において、日本国内に4例しかありません。

河内長野の本町七つ辻のほかに、東京都大田区にある七辻と福岡市早良区の原(はら)交差点が七辻、そのほかかつて「冥土の苦界六道の辻」と呼ばれた大阪市住吉区の六道の辻・閻魔地蔵前交差点は現在一本増えて七辻になったそうです。

ちなみに河内長野だけ七辻の間に「つ」が入っています。

さらに河内長野のものは七つ辻と呼ばれていますが、実際には小さい路地を入れて八辻。さらに少しだけ東に離れた長野商店街西商栄通りも加えると、実に9つの道路が交差しているという日本でも非常にレアな交差点です。

普通なら「へえ、日本でも珍しいのか、ふーん」という一言で終わってしまうであろう七つ辻の話題ですが、私はここでせっかくの機会と思い、実際にひと筋ずつ、少しだけ歩いてみることにしました。

まずは南東に向かっている①の筋を歩いてみました。地図にもあるようにすでに答えが見えていて、この道をまっすぐ進めば河内長野駅に向かいます。

河内長野駅は300メートル先にあるのですが、①の筋に入ったときにはもう駅前の様子が見えています。

こうして河内長野駅に到着。ちなみに①の道は旧国道170号線で、バイパスの大阪外環状線と並行している道。①の道は駅前から進路を北方向になり、石川沿いに近鉄汐ノ宮駅やその先にある富田林方面に向かいます。

そのほか①は国道310号線とも合同になっており、その道は菊水町あたりで旧170号線と分かれて南東に進路を取り、観心寺や石見川を経由して最終的に奈良県五條市方面にむかいます。

次に、南に向かっている②の道を見てみましょう。この道は国道ではなく一般道です。

こちらの道です。①と比べると細い道ですね。

実は②の道は七つ辻から出る道路の中でも一番距離が短くて、すぐに道が終わっていました。ここから左右に道が分かれています。

右側にはこの道が続いています。

左側は坂を下っていきます。

次は南からやや西よりに向かう③の道。これは国道371号線です。ただしこの道は「どこまで続くだろうか」と思って歩いていくと大変な目に遭います。

それは七つ辻にあるこちらの標石が表しています。この国道371号線の起点が本町七つ辻ですが、その先というのは高野街道として和歌山県に入った後、黒河道になって高野山に向かうのです。そこからさらに紀伊半島を南下。

そのまま護摩壇山や龍神温泉を過ぎていき、熊野古道の横を蛇行しながら最終的には串本町、つまり潮岬のすぐ近くまで続いています。ただ紀伊山中で一部未開通の区間があり実際には行けないとか。

とりあえず③の道をほんの少しだけ歩いてみました。国道なので道が広いですね。

七つ辻バス停がありました。

国道371号線の標識を確認したところで引き返しました。

余談ですが、七つ辻に引き返すと、ちょうどモックルコミュニティバスが私を追い越して行き七つ辻に入りました。

次は④の道です。これはちょうど西方向に向かっている一般道。

④はこちらの細い道です。

この道は結構長く西方向に続いています。歩いていくと畑が現れ、町の空間が広くなっていました。

この道は結構先まで歩いてしまいました。途中には西代浄水場があり、最終的には高向の方まで道が続いています。後日地図で追いかけるとその先は日野、滝畑まで道がありました。

次は西北に向いている⑤をみましょう。これは国道170号線の旧道です。

こちらの道です。川見の辻があり、その先に見えるのがラブリーホールですね。

ラブリーホールを越えると道が西方向に向かいます。この道もバイパスの大阪外環状線と並行しており、上原町や天野山金剛寺を抜けて和泉市、最後は熊取や関空の近くまで続いています。

次は⑥の道です。これは北方向に向かっている道で、国道370号線です。

⑥は国道なので交通量が多いですね。そしてこの道もあまり先まで行くとキリがありません。

少し歩くとコメダ珈琲店が見えてきました。この辺りで引き返しましょう。この道は南海高野線や西高野街道と並行しており、千代田駅の近くを通り大阪狭山市を越え、大仙古墳・仁徳天皇陵の北側を経由。最終的には堺市の中心部に向かいます。

七つ辻としては最後になる⑦の道で、こちらは一般道。面白いのはこの先にも五つ辻があることです。

⑦の道を歩いてみましょう。国道ではないので交通量も少なくて歩きやすいですね。

しばらく歩くと、こちらの交差点に出てきました。ここは5つ辻になっています。

最後に七つ辻に入っていない、ふたつの道を番外編として見てみましょう。まず⑧の方の道、本当に小さく路地のような道があります。こちらはどうなっているのでしょうか?

これが⑧の道です。七つ辻の道としてカウントされなかっただけあって本当に細い道。

途中で行き止まりを覚悟しましたが、続いていました。

そして細い道から、こちらの道に抜けられました。

そして番外編のもうひとつ⑨の道は長野商店街のアーケードです。⑧の道とほぼ並行して続いていました。

余談ですが、番外の⑧と⑨の道はこの辺りで合流していますが、この道は西高野街道になっています。

というわけで、七つ辻(厳密には9筋)をひとつずつみてきました。歴史を感じる七つ辻でしたが、河内長野の中心と言えば、現在は河内長野駅か河内長野市役所界隈。

しかし、七つ辻を起点にして歩いていると、昔この地域がまだ錦部郡長野村とか南河内郡長野町と呼ばれていたころの中心として、風格のようなものを感じました。

本町(七つ辻)
住所:大阪府河内長野市本町
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩4分

奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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