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将来有望18歳左腕が150キロ“デビュー”! 巨人2軍を翻弄

田尻耕太郎スポーツライター
公式戦デビューを飾ったソフトバンクの古谷優人

武田が復帰後最長7回を投げる

6月17日、ソフトバンクはファーム交流戦で巨人2軍と対戦した。

【6月17日 ファーム交流戦 タマスタ筑後 3,113人】

巨人     002010000 3

ソフトバンク 010001000 2

<バッテリー>

【G】○畠(2勝0敗)、中川、S戸根(1勝1敗11セーブ)――宇佐見

【H】●武田(0勝2敗)、古谷、野澤、児玉――堀内

<本塁打>

吉村2号

先発した武田翔太
先発した武田翔太

<戦評>

この週末は巨人2軍をタマスタ筑後に迎えての2連戦。多くの来場者が見込まれる中、初戦はチケット完売の3,113人でスタンドがにぎわった。

ホークスは右肩痛から一軍復帰を目指す武田が先発。リハビリを経て3度目のマウンドで最長となる7回を投げた。結果は3失点。「肩はもう何ともない。ただ、フォームが自分の頭と体で一致しないボールがまだ見られる。それが課題」と悩ましげな表情。「肩は良くなっているんで、自分の無意識の部分にしっかりアプローチをしながらやっていきたい」と武田らしい表現で今後への意気込みを口にした。

試合はソフトバンクが先制。2回に4番の吉村がレフトへソロを放った。しかし、3回に巨人も4番のギャレットが2点タイムリーを放ち逆転。5回にはドラ一ルーキーの吉川尚の右前適時打で追加点を挙げた。ソフトバンクは6回に吉村の犠飛で反撃したが及ばなかった。(了)

古谷優人「緊張した」も、直球はすべて146キロ以上

ソフトバンクのドラフト2位新人左腕・古谷優人が二軍戦ながら公式戦“デビュー”を飾った。8回、武田翔太からバトンを継いで2番手で登板。いきなり初球で148キロをマークするなど強気に攻めた。一人目の吉川大を左飛に打ち取ると、二人目は4番のギャレット。それでも臆することなく直球勝負で追い込み、最後は130キロのスライダーで三振。助っ人に中途半端なスイングしかさせなかった。

続く中井には詰まらせながらレフト前に運ばれるも、この球がこの試合で最速の150キロをマーク。最後は藤村からスライダーでまた三振を奪った。

1回を無失点。打者4人、被安打1、奪三振2の投球内容だ。ただ、古谷の自己採点は意外にも厳しめだった。

厳しめ自己評価も、武田を驚かせた宝刀スライダー

「ランナーを出す前までは自分のいいところを出せたと思います。その後が投げ急いでしまった」とフォームの崩れを反省した。堂々としたマウンドさばきに映っていたが「緊張して何も考えられなかったです」と初々しい表情を見せた。

それでも、非凡さを見せつけたことには間違いない。武田も「あのスライダーはエグい。何であんなに曲がるのか、教えてほしいくらいです(笑)」と目を丸くした。

二軍合流は限定的で今後は三軍でまた経験を積むようだが、この好投を自信にしてさらにスケールの大きな投手へと育ってほしいものだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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