【秋田県大仙市】明治から続く食文化が令和に羽ばたく!『ちゃんす長野屋』のうさぎ鍋とは?
うさぎ肉ってどうなの?噂の郷土料理を求め、行きつけの酒場へGO!
俺たちのうさぎ料理、もう終わっちゃったのかな。バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ。
私が住む大仙市中仙エリアには、ジャンボうさぎを飼育し食用にする文化がある。……とはいえ、飼育する農家さんは年々減少傾向で、うさぎ肉がナチュラルに食卓へ並ぶことはなくなった。ヤング世代は、そもそもうさぎ肉を食べることに抵抗を感じる方もいるだろう。
だがここにきて明治時代から続く地元の食文化を、もう一度盛り上げようという動きが活発化している。ラビット・リターン。ジャンボうさぎ肉を使った料理がいま、再び注目を集めているのだ。
そんな噂の郷土料理を求め、私は行きつけの酒場へと向かった。そう、以前の記事で名物のにしん丼を取り上げた『ちゃんす長野屋』である。今宵は1928年創業の老舗酒場で、なかなかお目にかかれない「ジャンボうさぎ料理」を肴に、ひとり新年会といこう。
品書き
中仙月夜(うさぎ肉を使った料理)
・月夜(うさぎ)鍋:2,300円(※一人前)
・うさぎの串焼き:400円(※一串)
・うさぎのもも唐揚:1,500円
・うさぎのヒレカツ:800円
・うさぎのバラ焼き:700円
・うさぎ鍋定食:2,700円
『ちゃんす長野屋』では、ジャンボうさぎ肉「中仙月夜」を使った料理として、うさぎ鍋のほか、串焼きや唐揚も提供中。お酒を呑まない方は、小鉢やフルーツも付いたうさぎ鍋定食がおススメだ。
ちなみに大仙市のこの日の最低気温はマイナス11度。いよいよ本気を出してきた冬と対峙するため、温かい鍋は外せない。そしてもう一品。今回は気になる串焼きも追加だ。
まるで良質な鶏肉?地元のソウルフード・うさぎの串焼き&月夜鍋で乾杯!
……ぶっちゃけ、うさぎの肉ってどうなの。実はそんな気持ちで、私は串焼きを口に運んだ。ここまで黙っていたが、私はうさぎ肉を食べたことがない。子供の頃食卓に並んだことはあったが、食わず嫌いしてそれから食べる機会を失っていたのである。そんなうさぎビギナーの私だが、今ならこう伝えられる。
うさぎ、けっこうウマいよ。
肉質は弾力を感じるが、思ったより柔らかくクセは少ない。良質な鶏肉というところだろうか。
ちなみに『ちゃんす』の焼きとり……いや、焼きうさぎは一串で色んな部位の味が楽しめる。串の真ん中に陣取ったレバーも滑らかでウマかった。味付けはスパイスが効いていて、ビールのお供としても優秀だ。
さあ、続いて噂のうさぎ鍋に進もう。大量のうさぎ肉がスタンバイするスープの中に、今宵の鍋を彩る野菜やキノコたちを投下。うさぎ鍋って、どうなんだろ。手元のビールをグイっとやりながら、その答えを待つ私だ。
……ああ、ウマい。今回鍋の主役を務めるうさぎ肉だが、懸念していた獣臭さはない。やはり鶏肉に近く淡白で上品な食感だが、それにプラスしてさらりとした脂の旨味がたまらない。
そんな本日の主役をアシストするスープは、あっさりした味わい。うさぎ肉はもちろん、脇役の野菜やキノコたちとの相性も抜群で酒も捗る。やっぱり冬は鍋だな。こっそりそう呟いたところで、手元の酒をビールから熱燗に変える私だ。
ドンパン節の里で、古くから愛されてきたうさぎ料理。現在大仙市中仙エリアでは数店舗でジャンボうさぎブランド『中仙月夜』を使った料理が楽しめる。今まで馴染みの無かった方も、ぜひ新年会のお供に歴史あるこの食文化に触れてみてほしい。
寒い冬を温める郷土料理に舌鼓を打ちながら、酒を呑む。これこそが最高の贅沢かもしれないな。
そんなことをふと思う、地元の夜だ。
【店舗情報】
ちゃんす 長野屋
住所:秋田県大仙市長野柳田178-5
営業時間:11時~13時、17時~23時
電話番号:0187-56-3020
定休日:不定休
店舗HP(外部リンク)