【富士宮市】ビールと共に富士山麓のご馳走を。ブルワリー併設、ジビエ解体処理施設『山歌』がオープン
「自然と共生しながら価値を生み出して、地元の人が汗をかくことで収入にもつながって、世代を超えて受け継がれていく」
そんな社会の営みを自分たちの手でビールを介して取り戻そうと自社醸造を行っている『FUJIYAMA HUNTER’S BEER』さん。
その名の通り、『農業』を基にしながら、男子スタッフ5名が狩猟免許を持つ『猟師』でもあります。
現在野生動物(特に鹿による)による農作物の食害が多く、生態系を守る取り組みとして狩猟した命。
その命を無駄にせずに頂き、命の循環につなげて行く取組の際に、狩猟した獲物を安心安全な形で処理できる施設が無く、クリーン流通させる為には片道一時間近くかかる提携施設に持ち込まなければならない事が悩みだったと言います。
そんな中、ブルワリー敷地にある古い納屋をリノベーションして解体処理施設『山歌』を設立。
先週の土曜日(11月9日)に、解体施設『山歌』見学会及びジビエバーガーの試食会が行われました。
当日はブルワリーの見学もでき、ビールができるまでの工程を丁寧に教えて頂きました。
麦芽粉砕は屋外にあるこちらの機械で。
糖化はビールの味を決める重要な工程。
タンクに内蔵されている機械と上から手作業で混ぜ合わせるのだそう。
混ぜられたものは煮沸され、冷却されながらタンクを移動。
2週間ずつ発酵・熟成されてビールができあがります。
作られて行く工程を知ると、『FUJIYAMA HUNTER’S BEER』のクラフトビールには技術と作り手の思いと、柚野の自然の旨さが詰まっていることが素人の私にも感じることができました。
ブルワリーの裏に位置する解体処理施設『山歌』は、元々馬小屋だった建物を食品衛生法に基づきリノベーションされています。
施設内は、2部屋に分かれています。
高めに位置する懸吊設備は足をかけて吊る下げた際に獲物の頭が床に触れない高さになっています。
解体用の刃物も見たことのない形状のものもあり、施設は基より、専門の技術を持つ方がいるからこそと感じました。
暗いイメージを持っていましたが、施設内は明るく清潔で、解体された肉は部位ごとに真空にされ保管される大きな保管庫も設置されていました。
そして、『山歌』で処理された鹿肉で作られたジビエバーガーを試食させて頂きました。鹿肉というと固めで、パサパサして淡白な味わいというイメージでしたが、頂いたジビエバーガーは、市内にある岡村牧場の牛脂を加え、おいしく食べられるように開発されたそうで、肉の旨みがぎゅっと濃縮したビールと自然が似合うおいしさでした!
ジビエバーガーは当面イベントのみの販売で、改良を加えて完成したらタップルームでも提供予定なんだそうです。
自然豊かな富士宮市では、狩猟される野生動物も多いと思います。
そんな中で、解体施設が身近にできたことにより、狩猟された命を無駄にせず、頂けるということがより身近になりました。
そして、自分達も自然の1つとして生かされているということを感じ、生きている事のありがたさを、おいしいジビエバーガーと共に改めて嚙みしめました。
柚野テイスティングルーム(醸造所)
住所:富士宮市大鹿窪1427
営業日:土曜日・日曜日
営業時間:13:00~18:00
浅間大社タップルーム
住所:富士宮市宮町12-2 いちふくコーポ1F
TEL:0544-66-0399
営業日:金曜日・土曜日・日曜日
営業日時:17:00〜23:00(金) / 13:00~23:00 (土) / 13:00~20:00(日)
※営業日・営業時間は変動の場合あり