33歳の元クローザーが復活に向け好発進。ハーパーら3人をいずれも空振り三振に仕留める
2月28日、ケン・ジャイルズ(アトランタ・ブレーブス)は、3回裏のマウンドに上がり、フィラデルフィア・フィリーズの3人、ブライス・ハーパー、ニック・カステヤノス、アレック・ボーンに対して投げた。今春の初登板だ。そして、どの打者からも空振り三振を奪った。
ジャイルズは33歳。2014年にメジャーデビューし、これまでに115セーブを挙げている。2010年代後半(2015~19年)の113セーブは、このスパンの11位。5シーズンのトータル奪三振率12.17も、200イニング以上の361人のなかで11番目に高かった。
だが、その後、メジャーリーグのマウンドに上がったのは、2020年の4試合と2022年の5試合だけだ。2020年9月にトミー・ジョン手術を受け、2021年は全休。昨年は、7月からロサンゼルス・ドジャース傘下のマイナーリーグで投げた。
今月初旬、ジャイルズは、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)つきのマイナーリーグ契約をブレーブスと交わした。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンは、メジャーリーグのロースターに入った場合の年俸は175万ドル、と報じている。
スタットキャストによると、ジャイルズの15球は、4シームが4球とスライダーが11球だった。カステヤノスには、4球ともすべてスライダー。ハーパーとボーンにも、最初に4シームを2球続けた後、それぞれ、スライダー3球とスライダー4球を投げた。
かつてのジャイルズは、時に100マイルを超える4シームと落差のあるスライダーを組み合わせていた。当時ほど速い4シームは投げられなくても――この日の最速は95.3マイル――まだ通用するのではないだろうか。
サンプル数としてはわずかながら、スライダーはよく沈んでいて、全盛期を彷彿させた。ハーパーもカステヤノスもボーンも、スライダーに対して2度ずつバットを振り、すべて空を斬った。