ファン失望 気まぐれなメイウェザーは話題作りも超一流
ボクシングの元5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー・ジュニアは7日、年末に予定されていた日本のキックボクサーの那須川天心との対戦をキャンセルすると自身のSNSを通じて発表した。メイウェザーはインスタグラム(Instagram)での投稿で、埼玉で予定されていた那須川との試合について、公式戦には一度も同意していないことをはっきりさせておきたいと書いている。 会見の発表後は様々なメディアで取り上げられ、一般紙でも大きく取り上げられただけに非常に残念なニュースとなった。日本中を騒がした、この騒動の原因はいったいどこにあるのだろうか。しかし、メイウェザーの気まぐれは今に始まったことではない。
気まぐれなメイウェザーの動向
今年9月にメイウェザーは来日していた。その時は亀田プロモーションとタッグを組んで、日本で新たなビジネスを展開するという記者会見も行っている。イベント会場で偶然、マニー・パッキャオと会い、東京で2人が再戦するかもしれないと話題になった。しかし、メディア関係者に聞いたところによると、会見では当初の予定から大きく話題がずれ、プレスリリースを打ったのにもかかわらず具体的な発表もなく記者会見が終了した。記者も困惑していたとの話も聞いた。私も知り合いの関係者に話を伺ったところメイウェザーの気まぐれに翻弄されたとの話もあった。なので今回の会見があった時も、実際に試合が行われるまでは安心できないと思っていたのも事実だ。
話題作りが非常にうまいメイウェザー
これまでも度々SNS等で総合格闘技への転身やパッキャオとの再戦など発言をしていて、物議を醸し出している。メイウェザーは人の注目を浴びて期待感を煽りビジネスへ繋げていくのが非常にうまいのだ。そもそもメイウェザーのボクシングスタイルは派手なものではなく、どちらかというと地味なスタイルだ。非常にディフェンシブで好戦的ではない。徹底的にパンチをもらわないスタイルで確実にポイントを積み重ねていく。時には退屈な試合運びに顧客からブーイングされたりとメディアでも酷評されている。それでもなぜ顧客がメイウェザーの試合を観るかというと彼のセルフプロモーションが非常に巧みなのだ。試合前のトラッシュトーク(罵り合い)もするし相手を散々罵倒して一触触発の雰囲気を作ったりと期待感を煽るのがうまい。観客はそんなメイウェザーが痛快に負ける姿が見たいのだ。
負けるところが見たいファンの心理を利用する
メイウェザーはファンも多いがそれ以上にアンチが多い。派手な生活を見せびらかし生意気な発言を繰り返している。観客はそんなメイウェザーの負ける姿が見たいのだ。正義と悪の対立構造を巧妙に作り悪役を演じる。試合前のプロモーション映像を観てもマネーの愛称たっぷりの金持ちをアピールした演出を欠かさない。しかし一方で練習には非常に真面目でお酒も一切飲まないらしい。朝までパーティ三昧の生活をしているようだが、練習は人一倍するようだ。人が寝ている時に練習していて、夜中から朝にかけて練習するスタイルも非常に特徴的だった。
負の感情を力にできる特殊なアスリート
プロボクシングや格闘技は興行の世界だ。いかに多くの人に興味を持ってもらい、会場に足を運んでもらったりテレビを通して試合を観てもらうかがカギになる。その点メイウェザーのプロモーションは非常に興味をそそられる。注目されることで多くの人がメイウェザーの試合を見に会場に足を運び、PPV(有料放送)を課金する。それにより大金を得ているのだ。通常ボクサーは人に応援されることが力になるケースが多い。たくさんの人に応援されることでモチベーションが高まりリングの上で戦い抜くことができる。しかし、メイウェザーは応援とは正反対の負のエネルギーを力に変えてここまで勝ち上がってきた。メイウェザーへの嫉妬や妬み、負けろという思いや感情のエネルギーを力に変えて戦ってきたのだ。観客はメイウェザーが負けるところやKOされるところを見にくるのだが、メイウェザーは決して負けない。そのため今度こそはと新たな挑戦者を応援しに会場に足を運ぶ。その循環のサイクルでメイウェザーは勝ち続けてきた。より多くの人に知られて注目されることでマネー(金)に繋がるのだ。
今回の件も自身のプロモーションにするのでは
会見でも大々的に発表して大いに自分のプロモーションに活用したのだろう。
今回の先には総合格闘家との試合やパッキャオとの再戦も視野に入れているのだろう。
多くの人に注目されることでメイウェザービジネスは益々軌道にのっていく。度々日本にも訪れているので日本でビジネスをしたいという思いはあるのだろう。まだ今後どういう展開になるかはわからない。しかし、日本でのビジネスが大金に繋がりそうだと思えば、天心との試合もチャンスはあると思う。何にせよメイウェザーの気分次第で今後の展開も決まっていくだろう。