【福岡市博多区】麺にこだわるあまり、製麺所まで作ってしまったラーメン店『吟麦製麺』
お散歩ライターの石井つかさです。
麺にこだわり過ぎて製麺所まで作ってしまった焼きそば店「バソキ屋」が、博多区美野島に「吟麦製麺」といいうラーメン店を出していたので行ってみました。
筆者の感覚では、製麺所が自社製品を使って麺類を提供する飲食店を出すというイメージなのですが、こちらの製麺所は逆なんです。自身が経営する焼きそば店で使う麺を作るために製麺所を作り、その麺の可能性を探るべく、ラーメン店を出してしたのです。
お邪魔したのは、ランチタイムも終わろうかという14:30頃で店内は比較的空いていてゆっくりした雰囲気でした。
「吟麦製麺」さんのこだわりは、栄養価が高く小麦の風味が感じられる吟麦を使って麺を作っているところです。また、麺の形状なども選べるのが嬉しいところですが、この日は吟麦 中平麺と吟麦 ちぢれ麺は売り切れていました。
注文は入り口前の自動券売機で行います。筆者が注文したのは、辛そば(税込950円)で1玉、1.5玉、2玉と麺の量が選べます。この日は、歩き回っていたので2玉にしました。麺の増量が無料とは嬉しいサービスです。
辛そばが到着するまで、店内を観察します。お洒落で清潔感のある店内にバーカウンターがあります。 バータイムにお酒とパスタを出していたことがあるそうです。現在はバータイムの営業はしていないとのことで、ちょっと残念です。この吟麦で作られた、お酒に合う料理を食べてみたいです。
バータイムのことを妄想している間に、注文した辛めん(2玉)が運ばれてきました。
さすが2玉、けっこうなボリュームがあります。麺の上にはたっぷりの刻み海苔が乗せられています。チャーシューもたっぷり。ちらりと見えるメンマに一味がかかっているのもいい感じです。
付けダレにはたっぷりのゴマとネギが入っており、フライドオニオンが散らしてあります。香ばしくなって美味しいんですよね。
まずは麺だけ食べてみます。吟麦という小麦を使った麺を食べるのは、初めてなので溢れ出る食欲と好奇心が止まりません。
麺は小麦の香がしっかりとして看板に偽りなしです。麺を茹でた後に、しっかりと冷水で締めているのでコシも抜群です。今回は冷たい麺にしましたが、次は温かい麺も食べてみたくなりました。
次に付けダレに麺をつけて食べてみます。このタレは麺に負けないようにしっかりとした味付けになっていて絶品です。筆者は辛いのが好きなので一味を足しましたが、辛いのが得意ではない方でも、そのまま美味しくいただけると思います。
食後に代表の山中さんにお話を伺うことができました。
山中さんは、福岡では有名な焼きそば店の「バキソ屋」を経営されています。 その焼きそば店で使う麺を突き詰めていくうちにピッタリな小麦にたどり着き、さらに製麺にもこだわるために製麺所を作ってしまったということです。
山中さんによれば、「”一応”ラーメン店なのですが、以前はお好み焼きを出したり、夜はパスタを出したりと、吟麦の可能性を追求するためのラボのような役割のために作った製麺所兼店舗なんです。」というお話を伺いました。
そのため、予告なくメニューが変更になることもあるそうですが、それを楽しみにしている常連さんも多いそうです。また週末だけですが、朝8時から営業されていて、週末の朝食としても利用ができそうですね。
製麺所の中や調理場を見せていただきました。
店舗の1番奥が製麺所になっています。客席からも、うっすら製麺所の様子を見ることはできますが、しっかり見ることはできないので、こうやって中に入れてもらえるのはありがたいですね。
厨房は機能的な設備が揃っていて、麺を茹でた後の湯切りは湯切りエリアに入れると風が出て、しっかりとお湯が切れるという仕組みになっています。そして、その横に氷がたっぷり入った水が用意されています。この氷水で麺をしっかり締めるそうです。
麺にこだわるあまりに、製麺所まで作ってしまったラーメン店のラーメン、一度食べてみてください。