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ポストシーズン進出は10チーム→16チーム。シーズン負け越しのワールドチャンピオンが誕生する!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
昨年はワシントン・ナショナルズがワールドシリーズ優勝 Feb 17, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年のポストシーズンには、10チームが進出した。1リーグ5チーム。地区優勝の3チームとワイルドカードの2チームだ。今年はそこから6チーム(1リーグ3チーム)が増え、両リーグで計16チームになるようだ。MLB機構の案を選手会が受け入れ、あとはオーナーたちの承認を待つだけだという。ESPNのマーリー・リベラをはじめ、何人もの記者が報じている。【追記:7/24】16チームのポストシーズン進出が決定した。

 ポストシーズンに進む1リーグ8チームの内訳は、各地区の1位と2位(3地区で計6チーム)とワイルドカードの2チームだ。

 これを昨シーズンに当てはめると、ポストシーズン進出チームは、以下のようになる。実際はポストシーズンへ進めなかった6チーム(1リーグ3チーム)のうち、クリーブランド・インディアンズ(ア・リーグ中地区2位)は勝率.574だが、他5チームは勝率.535未満。テキサス・レンジャーズ(ア・リーグ西地区3位)に至っては、負け越している。

筆者作成
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 ナ・リーグは8チームとも勝ち越しているように、全チームの過半数――リーグ15チーム中8チーム――がポストシーズンに進出しても、そこに負け越したチームが含まれるとは限らない。だが、15チーム中5チームと比べ、その可能性は高まる。

 2018年は、ア・リーグ中地区2位のミネソタ・ツインズが勝率.481だった。2017年は、今年のフォーマットに当てはめるとポストシーズン進出となる計16チームのうち、4分の1の4チームが負け越している。ナ・リーグ東地区2位のマイアミ・マーリンズとア・リーグ西地区2位のロサンゼルス・エンジェルスの勝率は.475と.494。ア・リーグでは、地区1位と2位を除く9チームの上位2チーム、タンパベイ・レイズ(東地区3位)とカンザスシティ・ロイヤルズ(中地区3位)も、エンジェルスと同じ勝率.494だった。

 しかも、今年のフォーマットの場合、地区優勝チームも(地区2位のチームも)ワイルドカードのチームも、ワールドチャンピオンまでの道のりは同じになると思われる。ディビジョン・シリーズの前に、3試合(2戦先勝)のシリーズが行われる予定だ。各リーグ4カード。それぞれの勝者がディビジョン・シリーズへ進む。前年まで、地区優勝の3チームは、ディビジョン・シリーズからスタート。ワイルドカードの2チームは、ワイルドカード・ゲーム(1試合)で対戦し、そこで勝ったチームがディビジョン・シリーズへ進んでいた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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