【3月18日廃止】原野の中のポツンと秘境駅 日高本線 浜田浦駅(北海道勇払郡むかわ町)
約一週間後に控えたJRグループの3月18日ダイヤ改正。JR北海道では日高本線浜田浦駅の廃止が予定されている。JR北海道では平成28(2016)年以降、利用客の少ない駅の廃止が続いており、今回の浜田浦駅廃止もその一環だ。
浜田浦駅の一日平均乗車人員は令和3(2021)年度で2.4人。駅があるのは勇払原野の中で、すぐそばを国道235号が通っているため車でのアクセスは容易だが、停車する列車は一日6往復で列車の間隔が大きく開く時間帯もあるのであまり行きやすい駅とは言えない。駅から見える範囲に人家は皆無で、原野の中にポツンと駅だけがあるといった感じである。300m以上離れたところに農家が数軒あるが、車社会であることを考えると駅の利用には結び付かないだろう。
駅の構造としては、短いホームの入口脇にブロック造の古びた待合室があるだけで、駅舎は無い。もちろん駅員のいない無人駅だ。駅前の国道は交通量が多いが、人の姿を見かけることは少ない。
待合室はブロックで組んだ壁にトタンの屋根を被せたもので、入口に扉はなく、内部に明かりもない。長時間の滞在や夜間の使用は想定されていないのだろう。北海道の駅ではたまに見かける造りの待合室だが、国鉄やJRが設置した公式のものではなく、地元住民が部材を持ち寄って建てた非公式のものであることが多い。
駅の開業は昭和34(1959)年12月18日。田浦地区の浜側にあることから、「浜田浦」と名付けられた。昔から利用者が多かったわけではないようだが、過疎化やモータリゼーションによって利用者が減少し、18日で63年3カ月の歴史に幕を閉じる。駅が営業するのは前日の3月17日まで。おそらく今頃は「お名残下車」のファンが訪れているので、秘境駅らしい姿を楽しむことは難しいだろうが、気になる方は行ってみてはいかがだろうか。