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記録的な寒波が襲来へ、東京都心では近年まれにみる冷えこみも

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
都心の冷えこみ(写真:ロイター/アフロ)

記録的寒波が襲来へ

上空1500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)
上空1500メートル付近の寒気予想(ウェザーマップ)

来週24日(火)は西日本から強烈な寒波が襲来し、日本海側を中心に、九州や四国などを含め、広範囲で大雪や猛吹雪、暴風、極寒など、市民生活に大きな影響が出るおそれがあります。

上図は上空1500メートル付近の気温の予想で、青色が濃ければ濃いほど、平年より低い、強い寒気ということを表しています。

24日(火)午前9時の段階では、関東付近はまだ平年より少し高めの赤色となっていますが、夜にかけて、どんどん強烈な寒気が流れ込み、24日(火)午後9時には列島がほとんど青色に埋め尽くされる状況です。

ここで西日本から東日本にとっては、-12度以下で、真冬の北海道並みの寒気の襲来となり、-15度以下は最も低い今の時期の平年値より10度以上も低く、過去最強クラスの寒気の強さとなります。この-15度以下の寒気が25日(水)午前9時には関東付近にも流れ込む予想で、寒波はピークに突入するでしょう。

東京都心は-4度予想で、気象条件によっては-6度の可能性も

東京の予報(気象庁発表に筆者加工あり)
東京の予報(気象庁発表に筆者加工あり)

上図は気象庁による東京の週間予報で、25日(水)は東京都心の最低気温が-4度の予想となりました。さらに()内にある予想幅では-6度~-1度となっており、より寒気が強まったり、風が弱く、放射冷却が効きやすい条件になればなるほど、0度を大きく下回る氷点下となる予想です。水道管の凍結などに要注意です。

後述しますが、東京都心で-4度まで下がった強烈な冷えこみは5年前の2018年1月の寒波襲来時にもありました。この時は、33年ぶりに冬期の東京23区に低温注意報が発表されました。

東京都心で-4度以下まで下がった冷えこみは、以下の通りです。

2018年1月25日-4.0度

1970年1月17日-4.0度

1967年1月13日-4.0度

1965年1月4日-4.7度

1963年1月26日、27日-5.5度(-4度~-5度台が多数出現)

これより以前は多数出現

5年前の2018年1月に-4.0度を観測したのは、1970年1月以来48年ぶりのことでしたが、もし来週-4.1度以下まで下がれば、1965年1月4日-4.7度以来、58年ぶりのこととなります。

2018年1月の強烈寒波襲来時

2018年1月の強烈寒波(ウェザーマップ)
2018年1月の強烈寒波(ウェザーマップ)

上図は5年前の1月25日(木)に東京都心で-4.0度まで下がった時の上空1500メートル付近の寒気の状態です。やはり西日本~東日本にとって、北海道並みの寒気といえる-12度ラインが関東まですっぽりと覆っていました。

来週予想される寒気の強さは、この時と同じか、より強くなる可能性があります。

日本海側を中心に、九州や四国などを含む広い範囲で雪が降り、大雪や猛吹雪のおそれがある他、24日(火)夜から25日(水)明け方頃にかけて、関東でも気圧の谷(風のぶつかい)が顕在化し、平野部でも雪が降る可能性が出ています。またこのタイミングで、都心でも雪が舞うかもしれません。

全国的に記録的な寒波に十分な警戒が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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