【森保監督支持率】爆発的上昇 アジア勢相手にホーム2戦で”17-0”で 「冷静に見るべき」の意見も
日本代表森保一監督の支持率は一気に50%以上アップの64%前後に――。
「Yahoo! みんなの意見」に筆者が設定を依頼している「日本代表監督支持率調査」。2021年3月の2試合(25日韓国戦、30日モンゴル戦)のデータがほぼ出揃った。
支持する63.8%
支持しない24.6%
どちらでもない%。
3月末時点での投票数は約24,600。サッカーファンは森保一監督の3月の采配・チームマネジメントを支持した、というところだ。
(投票・意見投稿受付は4月8日まで実施中)
2020年10月に集計を開始して以来、今回が初めてとなった点が多い。当然のごとく、ここに急上昇の背景がある。
2勝したこと
対戦相手がアジア勢だったこと
ホームゲームだったこと
ここまでの投稿で多く寄せられた不満は「戦術が分かりにくい」というものだった。今回は2戦を通じて17得点が入る展開だったゆえ、その不満もいったん封印できたか。右からは伊藤純也らが縦の突破を見せ、左の南野拓実がカットインの動きを見せる。セカンドボールを高い位置で回収し、再び攻撃を仕掛ける。
韓国戦では相手主将のキム・ヨングォン(ガンバ大阪)をして「日本の間、間に顔を出してボールを受けるパスワークに対応しきれなかった」と言わしめた。得点の多く入った2試合には、やりたいサッカーをしっかり伝える、という効果もあったのではないか。
25日の韓国戦後にはこういった意見投稿もあった。
「若手の攻撃力がよかった、それとバックの鉄壁の守りが印象的でしたね。久しぶりに浅野選手の韋駄天ぶりを見て頼もしさを実感した」
浅野もまた、縦へのスピードがあるタイプ。既存のポゼッションに加え、縦への強さをプラスする姿がこの2戦では伝わってきた。筆者自身、モンゴル戦前には「少々のもたつきであっても、厳しい目を向けるべきでは」「早めに勝負を決める、という展開に持ち込めなければそれはマイナス評価」と記したが、そういった点も見られず引き締まった戦いを披露した。今回の意見投稿は8日まで実施しているので、ぜひとも引き続き投票・ご意見の投稿を。
6月には4戦。「評価ポイント難」ゆえ統計のやりがいある戦い
いっぽうで「まだ支持には転じない」という趣旨と思われる内容もあった。森保監督の下では、下記の通りアウェーや中立地での戦いに弱い。このホームの2勝ではその不満はまだ払しょくできないという意見だ。
2019年 アジアカップ@カタール 準優勝
2019年 コパ・アメリカ@ブラジル グループステージ敗退
2019年 Eー1選手権@釜山 韓国に敗れ優勝を逃す
2020年 U-23選手権@タイ グループステージ敗退
確かにこのチームの大きな目標は「W杯出場権確保」そして「本大会でのベスト8入り」にある。W杯最終予選や本選では、ホーム以外での戦いの比率が非常に高くなる。そこでどういった戦いができるか。その観点も外すことはできない。
すると、日本代表の今後の日程は非常に興味深い。「支持率の予測が難しい」戦いが待っているのだ。
6/3(木)国際親善試合
日本 - 対戦相手未定
@札幌ドーム
6/7(月)FIFAワールドカップ・アジア予選 2次予選
日本 - タジキスタン
@パナソニック スタジアム 吹田
6/11(金)国際親善試合
日本 - 対戦相手未定
@ノエビアスタジアム神戸
6/15(火)FIFAワールドカップ・アジア予選 2次予選
日本 - キルギス
@パナソニック スタジアム 吹田
W杯最終予選進出に大手をかけている日本。まずは4戦を通じてどんなメンバーを招集するのか、あるいは呼ぶことができるのか
6月7日のタジキスタン戦で進出を決めれば、15日のキルギス戦は「消化試合」となる。これをどう見るべきか。4連戦の4戦目にも当たる。何か新しいテストを行う機会とするのか。あくまで既存のチームを成熟させる戦いとするのか。
また3日と11日の国際親善試合の対戦相手が未定だ。コロナ禍にあって、これがどう決まっていくのか。相手の状態はどうなのか。評価ポイントが大きく分かれていく戦いとなるのではないか。
今回は集計を初めて3回目にして初の「完勝」だったゆえの急上昇だったか。今後も勝ち負けによる乱高下が続くのか、はたまたいずれかの支持率ラインで落ち着いてゆくのか。まだまだこれから幾度も統計を取り続けてこそ、深まっていく取り組みです。6月もぜひ、投票・投稿を。サッカーファンの意見を発信していきます。
日本代表監督支持率調査
2020年10月より開始。Aマッチウィークごと(2試合)の投票・意見投稿を受付。筆者の依頼により「Yahoo! 編集部が設問」を投票ページを作成し、その結果を報じます。
目的は「コアなサッカーファンと新規ファンの考えのギャップを埋める」こと。90年代後半から急成長した日本のサッカー界において、これは深刻な問題です。例えば2018年ロシアW杯ポーランド戦後半の「パス回し事件」。長年サッカーを取材してきた筆者自身にとっては「W杯本選でこういうことをやれるようになったんだな」という「感慨深い」シーンだったが、周囲の”にわかファン”は「大ブーイング」。人数的には「にわか」のほうが大多数。「コアが浮いていく」というギャップを埋める方策が必要です。代表監督支持率という分かりやすい数値で「サッカーファンの見方」を広く発信することがよい手段と考えました。