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秋のひとり旅で滞在したい!「昭和レトロな温泉地」7選

高橋一喜温泉ライター/編集者

厳しい暑さが一段落し、いよいよ旅に出たくなるシーズンが始まる。これからは日本各地で順々に紅葉シーズンも迎える。忙しい日常や人間関係から離れて、ひとり温泉に癒やされる旅に出かけてみてはいかがだろうか。

秋のひとり旅におすすめしたいのが、昭和レトロな雰囲気が漂う温泉地。歴史を感じさせる温泉街は、どこか懐かしく、旅情を誘う。レトロな温泉地にゆっくり滞在して英気を養いたい。

そこで今回は、ひとり旅で滞在したい昭和レトロな温泉地を7カ所紹介しよう。

湯宿温泉(群馬県)

新潟との県境の三国峠の手前にある小さな温泉地。歓楽要素は何もなく、共同浴場や湯治宿が並ぶ静かな温泉地で、「寂れている」と受け取る人もいるかもしれないが、「鄙びている」と受け取るほうが正解。熱狂的なファンをもつ、つげ義春の『ゲンセンカン主人』の舞台となった温泉地でもある。ただただ湯の街の情緒を味わい、温泉につかる…そんな温泉中心のひとり旅におすすめ。ひとり旅歓迎の宿「金田屋」など、ソロ客にもやさしい宿が多い。

角間温泉(長野県)

渋・湯田中エリアは10以上の温泉地がひしめく一大温泉郷。渋温泉や湯田中温泉が人気だが、ひとり静かな時間を過ごすなら、角間温泉がおすすめ。小さな宿が寄り添うように立つ静かな温泉地だが、木造の旅館や共同浴場など旅情を誘う空間が魅力。みんなでワイワイと楽しむのには向かないが、1人、2人で非日常の時間を感じるには最適の温泉地だ。各宿の浴場のほか、宿泊客限定で3つの共同浴場を利用できる。温泉三昧にはもっていこいだ。

肘折温泉(山形県)

山あいに湧く静かな温泉地だが、伝統的な湯治場の景観が今も残る。車がすれ違うのも困難な狭い通りの両側に旅館や商店がびっしりと連なる。昔からの街並みがそのまま保存されている証拠だ。長期の湯治客が多いのも特徴で、日用品や食料品をそろえた商店もある。早朝、温泉街に朝市が立つのも見どころのひとつ。ひとりでもリーズナブルに宿泊できる宿が多く、プチ湯治体験を楽しめる。できることなら連泊で滞在したい。

三朝温泉(鳥取県)

三徳川に沿って形成される三朝温泉は、日本有数の放射能泉の名湯として知られる。昔はストリップ劇場のあるような歓楽温泉として賑わったが、現在は昭和レトロを醸し出す落ち着いた温泉地である。多くの宿が川に面しているが、湯浴み客が立ち寄る名物が、河川敷にある河原露天風呂。周囲から丸見えの混浴であるが、一度浸かれば解放感抜群だ。温泉街には飲食店もあるため、素泊まりで滞在して、マイペースな時間を過ごすのもよし。

台温泉(岩手県)

花巻温泉郷の一角を占める台温泉は、山の谷間に10軒ほどの旅館と日帰り温泉が並ぶ静かな温泉地。台温泉の源泉を引く近くの花巻温泉は超巨大温泉ホテルが鎮座するが、台温泉は対照的に湯治場風情の落ち着いた温泉地である。小規模の温泉が並ぶが、なかでも中嶋旅館は宮大工の手による築100年の木造建築が目を引く。基本的にどの宿も硫黄分を含んだ源泉が掛け流しである。もともと湯治場だったこともあり、ひとり客を受け付けている宿が多い。

杖立温泉(熊本県)

杖立峡谷の両岸に宿がびっしりと並び、白い湯けむりがあちこちから立ち昇る。温泉情緒あふれる景観が魅力の温泉街である。坂道や階段が入り組んだ路地を散策するのも楽しい。春には川を横断するように鯉のぼりが泳ぐ。その景色は圧巻。大型旅館よりもアットホームな小規模旅館が多いので、一人でも気後れすることは少ない。

日奈久温泉(熊本県)

昭和レトロな雰囲気が魅力の温泉街には、15軒ほどの旅館と2軒の共同浴場、日帰り専門の温泉もある。もともと湯治場の性格をもつ温泉地なので、華やかさはないが、静かで落ち着いた湯の街情緒を味わいたい人にはおすすめ。参勤交代でも使われた薩摩街道が温泉街の中央を南北に走っており、木造旅館やなまこ壁の商家など郷愁を感じる景色が続く。

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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