高松宮記念、前日単勝1番人気は安定のレシステンシア、馬具効果でメイケイエール、サリオスは弾けるか!?
27日、中京競馬場で高松宮記念(GI、芝1200m)が行われる。
前日オッズではレシステンシアが2.9倍の1番人気に推されている。
続いて単勝1倍台は3頭で、メイケイエールが5.2倍、グレナディアガーズが5.2倍、サリオスが9.4倍。
単勝10倍台はロータスランドが11.5倍、ダイアトニック13.6倍、トゥラヴェスーラ16.1倍、ナランフレグ17.2倍と続いている。
■2021年高松宮記念(GI) 優勝馬 ダノンスマッシュ
前日1番人気は安定のレシステンシア
レシステンシアの人気は単勝に限らず、複勝など他の種類の馬券でも支持されている。無理もない。レシステンシアはこれまで数々の重賞レースで実に安定した成績をおさめてきた。これまで敵わなかったグランアレグリアや昨年の覇者・ダノンスマッシュは引退し、ピクシーナイトは休養中とあれば、レシステンシアのGI制覇の確率は高まったと言える。
しかし、レシステンシアがこれまでクラシックも古馬GIも勝ち切れなかったのも事実である。アクシデントがあった香港スプリントでも最後まで人馬ともに諦めることなく2着に粘り込んだのは凄いが、またしても"爆発力のある誰か"が堅実なレシステンシアの前に1頭いる可能性も多いにある、と筆者は見ている。もちろん、心情的には堅実に頑張ってきているレシステンシアに栄冠が輝くことを期待したい気持ちもあるが、2着にきても至極納得してしまう。レシステンシアとはそんな馬なのだ。
■2021年セントウルS(GII) 優勝馬レシステンシア
メイケイエールは常識的な競馬ができるのか
その点、爆発力があって大仕事をやりそうな雰囲気を醸し出しているのは単勝1倍台で続いているメイケイエール、サリオス、グレナディアガーズだ。
前日2番人気のメイケイエールはデビューから3連勝、桜花賞トライアルのチューリップ賞をエリザベスタワーと同着ながらも制し、GI制覇を期待されたが、その後、"御しにくさ"が露呈し低迷した。昨年のスプリンターズではスタート後に大きく外に膨れて他馬の進路を妨害し自らも大きくロスをしながらも4着という結果。破天荒さばかりが目立ったが、ようやく年明けのシルクロードSではコントロールがきくようになり10か月ぶりに1着でゴールした。
爆発と暴走が表裏一体なだけに、いかに彼女をコントロールしつつ勝負どころで弾けさせるかが課題だ。幸いこの中間はすこぶる状態もよく、ほどよく落ち着いているという。前走後に放牧に出ており、いつも厩舎に戻った直後はカイバ食いが落ちるそうだが、今回はそのあたりも問題ないとのことだ。
レース当日は前走に続き、目をドーム上の馬具で覆う"パシュファイヤー"、普通の手綱よりも制御力の強い"折り返し手綱"といった特殊馬具を装着する。これらで馬を制御することで、よりコントロールが効くようにしようという作戦だ。今回で3戦目のコンビとなる池添謙一騎手の手腕に期待したい。
■2022年シルクロードS(GIII) 優勝馬 メイケイエール
グレナディアガーズ陣営「心身が嚙み合えば凄いパフォーマンス」
グレナディアガーズはまだまだ気性的にも幼い面はあるが、うまくその気性をコントロールできれば結果を出せるだけの資質はある。陣営も「(身体と心が)噛み合ったときは凄いパフォーマンスをしてくれる」(中内田師)としている。今回、福永騎手に乗り替わるが、相性が良ければ大外枠もこなして、あっけなく朝日杯以来のGI制覇がみられるのではないだろうか。
■2020年朝日杯FS(GI) 優勝馬 グレナディアガーズ
サリオスも馬具の工夫により復活の気配を感じる。今回はマイルCSで初めて装着したブリンカーをつけて臨む。馬具の効果で行きっぷりが良くなったし、今回は当日の気配をみてその厚みを調整するそうだ。
■2019年朝日杯FS(GI) 優勝馬 サリオス
他では、馬場の含水率が高いままなら、京都牝馬Sをロータスランドに注目したい。ソフトな馬場をまったく苦にしないので、他が苦にする分有利になる。
安田隆行厩舎のダイアトニックは7歳だが元気いっぱい。「父のロードカナロアの成長力を感じますね。まだまだ馬は若いですよ」と安田隆師。図抜けた馬がいないだけに、チャンスは十二分にあるとみている。