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平均年齢16歳、注目の新鋭ガールズバンド GIRLFRIEND「なんとなくだけじゃ生きていけない」

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
GIRLFRIEND(MINA、MIREI、SAKINA、NAGISA)

コドモとオトナの狭間を揺れ動く心情を音楽で表現

胸の内にあるいちばん強い思いを現在進行形の等身大なサウンドで奏でる関西出身、平均年齢16歳のガールズバンド、GIRLFRIEND。メジャー・デビュー・シングル『15/Hide&Seek』を11月23日にリリースした。ジャパニーズ・ロックの新世代を担うSAKINA(Vo&Gt/16歳)、NAGISA(Vo&Gt/15歳)、MINA(Vo&Bass/16歳)、MIREI(Vo&Dr/17歳)によるフレッシュな4人組だ。キュートなルックスながら演奏力が高く、メンバーそれぞれヴォーカルや作詞作曲を担当する特徴を持つ。

「4人とも、大阪の同じダンス・ボーカル・スクールに通っていて出会ったメンバーなんです。始めは3人だったんですけど、ギターのNAGISAが加わっていまのメンバーになりました。学校から帰ってきて、みんなで集まって曲を合わせて夜遅くまで練習して、家に帰って個人練習もして。次の日また学校行って、帰ったらまた集まっての繰り返しの3年間でいまに至ります。」(SAKIKA / Vo&Gt)

“なんとなくだけじゃ生きていけない”

メジャーデビュー曲に選ばれたのは、ライブでもお馴染みのミドルテンポなナンバー「15」。言葉もサウンドもシンプルにティーンエイジャーの“いま”でしか表現できない心情を素直に伝えてくれる至極のバラードだ。歌詞で印象的な“なんとなくだけじゃ生きていけない”。このフレーズに心が突き動かされる。

「去年、15歳の頃に書いた曲です。中3で受験シーズン真っ最中でした。私は受験勉強をしながら、でも本命はバンドをやっていきたいなって思っていました。変な焦りじゃないんですけど、みんなと違うことをやっている自分に疑問を持ってしまう瞬間があったり、でも“これで大丈夫やんな”って言い聞かせている部分もあったり。そんな揺れる気持ちを込めたナンバーです。」(SAKIKA / Vo&Gt)

「これが今のSAKIKAの心境なんだって当時驚かされました。GIRLFRIENDでは珍しいタイプの楽曲なんです。演奏も、歌詞を大事に歌を立たせるのが一番大事だと思って、リズムはシンプルにしたいなってこだわりました。ライブでも、いつもこの曲を軸にセットリストを考えるほどバンドにとって大切な曲なんです。なので、デビュー・シングルでこの曲を出せるのは嬉しいですね。」(MIREI / Vo&Dr)

「この曲は、中2のときにSAKIKAがアコギで聞かせてくれたのが最初でした。進路を考えなければならない時期の大変さが伝わってきて、泣きそうになったことが忘れられません。受験に限らず、生きていると誰でも迷うことってあると思うんです。なので、たくさんの人に共感してもらえる曲かなって思っています。たくさんの人に気持ちが届いてほしい大切な楽曲ですね。」(MINA / Vo&Bass)

「私は今SAKIKAが『15』を書いた年齢で、まわりがみんな受験生なんです。GIRLFRIENDにとって特別なバラードなので、同じく進路を考えなければならない中高校生、同世代の子たちに聞いて欲しい曲ですね。着飾らずっていうか、ありのままの言葉を持っているたくさんの人の心に届くメロディーだなって思っています。合宿中、一番最後に生まれたことを覚えています。」(NAGISA / Vo&Gt)

“ブレない気持ち持ちつづけて いつでも前に進むだけ”

両A面となる「Hide&Seek」は、TVアニメ『双星の陰陽師』エンディングテーマに起用され話題となっている。フェス界隈でも盛り上がること間違いない、四つ打ちでダンサブルなロックチューンだ。途中、メンバーそれぞれソロの見せ場があるなど、ロックバンドGIRLFRIENDの真骨頂を聴かせてくれる。

「伴奏から4人で作った曲で詞は私が書きました。激しくロックな曲がテーマで、ライブでノってもらえることをイメージしたナンバーですね。お祭り感あるグルーヴで、ちょっと和のテイストも入っています。歌詞も最初は違う言葉使いだったんですけど、タイアップが決まって少しアニメの世界観に合わせて変えました。タイアップで流れた瞬間はテンションあがりましたね。」(SAKIKA / Vo&Gt)

「ドラムはおかずをてんこ盛りに入れました。ライブで盛り上がることを第一に考えて、とりあえず暴れてみようっていう(笑)。これまで、あんまりおかずを知らない状態だったんですけど、とりあえず頭の中でドコドコドンみたいにイメージを膨らませていきました。妄想を実現化させてみるみたいな感じで作った曲なので、演奏していてとても楽しいタイプの曲になっています。」(MIREI / Vo&Dr)

「アニメの第1話を、一緒に部屋に集まって観たんですけど曲が流れた瞬間めっちゃ音量あげました(笑)。アニメのタイアップはめっちゃ夢でした。大好きな潘めぐみさんが声優でテンションあがりましたね。ベースはサビにオクターブ奏法を使って、ちょっと跳ねる感じで弾いています。レコーディングは流れで、勢い重視の一発録りな感じでした。初めてスラップを入れましたね。」(MINA / Vo&Bass)

「アニメでバンド名のテロップが流れて『きた〜!』って(笑)。ギターをがんばっている曲ですね。最初のフレーズからキャッチ―なリフで、タッピングとかいろんな奏法を使っています。2番の間奏のところで、1人1人掛け合いがあって勢いあるギター・ソロに流れていくんですけど、レコーディングでは苦戦して何度も弾き直しました。思い入れいっぱいなナンバーです。」(NAGISA / Vo&Gt)

“甘い誘惑がわたしを閉じ込める 溺れそうだ”

3曲目「甘い誘惑」は、チョコレート好きなMINAによるポップで勢いあるロックンロール・ナンバーに仕上がっている。イントロのギター、間奏で聴かせるアヴァンギャルドな雰囲気など、本人達は意識していないとは思うが80年代初期のニューウェーヴ的なリバイバル感あるセンスにも注目したい。

「曲を作り出した最初の頃、13歳のときにベースで作った曲です。当時、チョコレートが好きすぎて(苦笑)、中学生の頃とか食欲が、あ、いまでもヤバいんですけど(苦笑)。ほんまにチョコレートが好きすぎて。何個食べても飽きなくて毎日食べてた時期があって、これはヤバいわって思ってほんま自分チョコレート中毒やなって書きました(苦笑)。歌詞と曲が一緒に出来た曲ですね。」(MINA / Vo&Bass)

「ギターをがっつり弾かしてもらってます。すごいインパクトのある曲で頭に残るメロディーと歌詞ですよね。ずっと、ふんふんふんって歌える曲で。なのに演奏はけっこう凝っているんです。途中の間奏のところでジャーンって雰囲気の変わるポイントがあるんですけど、ライブに来てくれたらわかると思うんですけど、注目して欲しいですね。そう、ライブに来てください(笑)。」(NAGISA / Vo&Gt)

「この曲をはじめて聞いたとき、強烈なインパクトにぶちのめされました。メンバーみんな1週間に1曲作っていた初期に生まれたナンバーなんですね。ライブでずっと演ってきた曲なので、デビュー作に入ることが嬉しいです。ドラムだけレコーディングは実はめっちゃ昔にしてるんですよ。私は早めに録っちゃうので。1年前ぐらいだったかな。なので歴史のある曲やな〜って。」(MIREI / Vo&Dr)

「大好きな曲です。MINAからはじめて聴かされてからだいぶ時間がたった印象ですね。この曲はGIRLFRIENDにとってけっこう定番曲みたいなイメージです。イントロのギターも歌詞も強烈ですよね。好きな曲リストの上の方に入ってるナンバーで、今となってはすごい長い付き合いになるけど、やっぱり好きやなっていう、バンドにとって欠かせないライブ・チューンです。」(SAKIKA / Vo&Gt)

心を突き動かすポップ&ロック

取材中は、年齢相応にキャッキャしていたメンバーだったが、ロンドンで撮影されたコドモとオトナの狭間を揺れ動く心情を可視化する「15」、MIREIによる振り付けが印象的な「Hide&Seek」などミュージック・ビデオから伝わってくる意志の強そうな目力や迫力あるプレイに圧倒された。キャッチーな存在でありながらもタダモノではないアンファンテリブル感が強烈だったことを告白しよう。心を突き動かすポップ&ロック、そんな二面性に秘められたバンドが持つ目標をリーダーに聞いてみた。

「日本一のガールズバンドになろうってみんなで話しています。ゆっても私たち関西出身なんで、大阪城ホールでワンマン・ライブを絶対実現したいです。あと、海外でもバンド活動したいので英語を喋りたいですねぇ。まだ話せないんですけど(苦笑)。勉強したいです。『Hide&Seek』では、振り付けもやらせて頂きました。大勢の女の子が敢えて無機質に踊るテーマ性を意識しました。」(MIREI / Vo&Dr)

GIRLFRIEND『15/Hide&Seek』
GIRLFRIEND『15/Hide&Seek』

GIRLFRIEND オフィシャルサイト

http://www.girlfriend.band/

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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