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『メディアの沈黙』TBSとジャニーズの関係性、NHK、他民放局はどうだったのか?『TBS報道特集』

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
(写真:ロイター/アフロ)

KNNポール神田です。

※ITやメディア関連情報に追記および修正しました(2023/10/14)

ジャニーズ事務所の記者会見や、NG記者の話題などがネットニュースを賑わっているが、一番の原因は、筆者は、テレビメディアを主体とする業界関係者とジャニーズ事務所との『慣習』だったとのではないかと思う。

ジャニーズ事務所の2度にわたる記者会見ではメディア側が、経営陣にいろんな質疑をぶつけたが、今度はメディア側が、自社とジャニーズ事務所との関わりをしっかりと説明すべき番だと考えている。また、ソーシャルメディア全盛時代におけるテレビ・メディアとの役割について考察したい。

■TBSとのジャニーズ事務所との関係性が明るみとなった『TBS報道特集』

2023年10月7日(土曜日)のTBS『報道特集』を見た。

https://tver.jp/episodes/ep6qfeo565

https://tver.jp/series/srljho6kpk

TVer(※2023年10月15日(日)12:00 終了予定)では前半と後半に分かれてオンデマンドで公開されている。『後半』部分が遅れて公開されたことでTBSも隠蔽するのかと疑われたが単に処理が遅れたということだった…。

報道特集では、TBSの社員ら80人以上に取材、ジャニーズ事務所とTBSの関係について検証しました。

https://tver.jp/episodes/ep6qfeo565

2023年4月までTBSは、この『性加害』の件について報道していなかった。

内容は2003年のジャニーズ事務所の判決と翌年2004年の最高裁での決定を報じなかったことに自局の報道局に問いている。20年前のTBSの元局員らに調査を行っている。

TBSの当時の報道局社会担当の意見としては、『週刊誌の芸能ネタ』のゴシップであったこと、『男性の性被害』についての意識が低かったという。あくまでも『刑事』ではなく『民事』であったからという意見もあった。

TBSは、2012年10月のジャニー喜多川氏の交通事故の報道がなされなかった。

TBS報道局の当時のデスクも『己の不明を恥じるばかり』『職務怠慢』であったと認めた。また局内でも『ジャニーズは面倒だという感覚を持っている局員は私をふくめて大勢います』と現役のTBSの局員が答える。

しかし、TBS制作・編成経験者の多数の認識では、ジャニーズのタレントに関しては熱心で礼儀正しく『さすがジャニー氏はいい育て方をする』というポジティブな意見も多い。何よりも『他の事務所でも「枕営業」やセクハラの話はまぁまぁあると聞いたので、芸能界ってそういうところ、ジャニー氏のセクハラもスペシャルなものとは感じなかった』という証言があった。AD時代に先輩に殴られるのはテレビ業界でも当たり前であった。

つまり、これらの事からテレビ制作および業界全体での『人権意識の低さ』が露呈している。

■『ジャニーズ事務所』のネットメディアでの黒塗り白抜き時代のの違和感

出典:週刊朝日 ネットサイト版
出典:週刊朝日 ネットサイト版

『ジャニーズ事務所』の影響はテレビ業界だけに及ばない。特にインターネット上では、ジャーニー喜多川氏が亡くなる(2019年7月9日)までジャニーズ事務所のタレントの写真を見ることができなかったほどだ。それ以降、徐々にジャニーズ事務所でのネットでの露出が事実上解禁となった。

しかし、テレビ業界以上にネットにおいては、ECサイトの商品なのにアーティストの顔がない、黒塗りされたり、白抜きになるという異常な対応が続いていたのはなぜか?

筆者の2017年9月の当時の記事によると…

■ジャニーズ事務所の所属タレントは、タレントメインのテレビの公式番組サイトにおいても使用が限定されたり、タレントの出演するCMスポンサーウェブサイトでも限定されている。これは現在の時代においては、自ら所属タレントの価値を下げているとしか考えられない。

■そもそも、ジャニーズ事務所の非ネット戦略は、所属タレントのテレビ出演を支えてくれた紙媒体、特にテレビ情報誌への配慮から来ていることはあまり語られていない。関係者への取材によると、テレビ情報誌の表紙にジャニーズ事務所タレントが多数登場していることは、テレビ番組へのリーチを上げると共に、タレントが、テレビか紙媒体でしか接触できないというパブリシティ効果と共に売上も支えるという昭和の時代からの相互補完関係があったからだと言う。

■(しかし)電子書籍などの雑誌版では、ジャニーズタレントの殆どが黒塗りならぬ、白抜きで表示されるという奇妙なタブーが業界に強く残っていた

それは、これだけ自由闊達なネット社会においても、所属タレントの写真をアップロードするファンさえもいないという飯櫃な現象につながっている。

■それと共に、なぜ?ジャニーズ事務所のタレントはネットで活躍できないのだろう?という疑問が再浮上してくることだろう。それは、今までは「ジャニーズ事務所だから…」で片付けられてきたことだ。

ジャニーズ神話のタブーがネットで解禁される時

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/2edadcc135588c471d344793346fc69d600193fb

この記事は、脱SMAPの3人が、口火を切ったかのようにソーシャルメディア戦略にうってでた時の記事だ。その後、6年間、経過して、ジャニーズでのネット上での展開は、今までネット非公開がだったのかが信じられないような展開となっている。

雑誌やテレビのプロモーション、広告のデジタル展開においても、「ジャニーズ事務所だから…」の『慣習』がネット時代においても、まかり通ってきたことだ。

それらが変わった節目が、2018年だ。ジャニー喜多川氏の存命中だ。

■ジャニーズ事務所の本格的なネット活動解禁の2018年

出典:東京FM 現在はSpotifyの提供
出典:東京FM 現在はSpotifyの提供

podcast 木村拓哉 Flow Spotify Edition

https://open.spotify.com/show/5OZfZ8igmdoO8bozdr3dCZ

1995年からのラジオ長寿番組のラジオ番組 TOKYO FMの『木村拓哉のWhat's UP SMAP!』では、2018年8月からSMAPの名前が取れ『木村拓哉Flow』として始まった。スポンサーは、現LINEヤフー傘下となる『GYAO!』であった。

ウェブサイトには木村さんの顔がしっかりと露出している。

https://www.tfm.co.jp/flow/

当然、ラジオの番組はネット上の『radiko』で聞くことができ、木村拓哉の特別動画『 木村さ~~ん!』はラジオではなく『GYAO!(当時)』でも視聴が可能となった。これはまさしくジャニーズ事務所の本格的なネット運用が、ジャニー喜多川存命中から開始となっていた

普通に考えると、何もウェブで視聴できるのは珍しいことではないのだが、ジャニーズ事務所の不文律のNGが壊れたことは、ある意味、日本の芸能界ではようやく『ベルリンの壁』が崩壊したくらいのインパクトがあった。

2018年、ジャニーズ事務所のネット解禁は、「違法コピー保護」の観点ではなく、あらたなビジネス機会の増大につながる気がする。かなり遅まきだったが…。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/f2d249fb96dc1c5419af25f0120a95dd76f57184

■『嵐』2019年のSNS展開で本格的に参入

筆者の2019年11月12日 の記事によると…

■2019年11月3日(日)、国民的アイドルグループでもあり、ジャニーズ事務所の所属タレントの『嵐』がSNSのデビューを果たし、同時にグローバル市場向けでの楽曲の提供の展開も同時に開始した。

■嵐のYouTubeチャンネルは、たったの5時間で200万人が登録した。

■近年のジャニーズ事務所の動向としては、2016年にはSMAPの解散劇。2018年にはTOKIO山口達也脱退と、タッキーこと滝沢秀明の引退2019年7月ジャニー喜多川死去がある。今がまさに、ジャニーズ帝国も大転換期を迎えている。何よりも、テレビやラジオ、雑誌の天敵としての『インターネット』に写真すら掲載させないという徹底ぶりの姿勢が、2019年11月3日に大きく変革した。

■勢力を失いつつあるテレビから、ネットサービスに本格的に参入し始めたのではないだろうか。2020年を目前にして、テレビとネットのシフトがゆるやかに始まる。ジャニーズ事務所の変革期が、ちょうど、ネット参入の絶好のタイミングでやってきたといえる。

■ジャニーズJr.の5グループが各曜日を担当するチャンネル「ジャニーズJr.チャンネル(77万人)」を、2018年1月に開設するなどその布石は着々と準備されていたのかもしれない。

中国では、日本のアイドルの番組や映像が、日本以上に『違法』で流通しており、視聴する機会が多い。そして、日本のタレントでは嵐が中国アジアでも人気が高い。日本のテレビ番組での露出量もあるからだ。今ままでは単に『違法』でフリーライドで消費されていたタレントのコンテンツであったが、嵐にとっては、世界での音楽配信ではじめてマーケットとして意識することができた。さらに、2020年春には嵐の初で最後となる北京公演が計画されているから期待度は高まることだろう。

■日本の市場だけでなく、世界へ目を向けたことによって、海外に向けての情報発信と共に正規の『ライツ(権利)』の管理という新たな側面のマネージメント業務も生まれてきている2020年の賞味期限のある『嵐』でどれだけ、アウトバウンド市場が開拓できるかジャニーズ事務所は、本格的な『デジタル戦略』で世界を相手に戦わなければならない

https://news.livedoor.com/article/detail/17369828/

■ジャニーズ冬の時代から1979年『金八先生』から変わったキャスティングの事務所と放送局のチカラ関係

TBSドラマ担当OB 市川哲夫(金八先生担当)は、

TBSにとっては金曜8時枠における活動というのが、ジャニーズにとっては大きな元になったと語る。

70年代の終わりまでは、ジャニーズは冬の時代だったと語る。それが変わったのが、1979年『金八先生』で『たのきんトリオ』がキャスティングされてからだ。

それまでのジャニーズは、フォーリブス(1967〜197)以降、郷ひろみがジャニーズ事務所から1972年にデビューするが、1975年にバーニングに移籍。そこで1979年までの『たのきんトリオ』デビューまでは、ジャニーズ冬の時代だった。

そこからは、1980年の田原俊彦のデビュー、1981年少年隊、1987年光GENJI、1988年SMAP、1999年 と『ジャニーズ帝国』が出来上がる。

『ドラマを制作するというのは基本的に作る側が企画を立てて、俳優のいる事務所に交渉するのが当たり前のプロセス。90年代に入ってからはタレントの人気、視聴率という点で強くなると、初めに役者を抑える。どれだけの俳優をブッキングできるかという話になり、(プロセスの)順番が逆になる。『今度は誰々をおたくの局で何月に出せるわよ』という話が来ると企画は通ってしまう。キラーコンテンツがそこに転がっているわけですから。そこからジャニーズ事務所の発言力が強まっていった

https://news.yahoo.co.jp/articles/435afd62f21723d06ebc29b7a05d1f7372a4d0e1

そして、完全に制作者サイドのイニシアティブが取りづらくなり、ジャニーズ事務所の以降は無視できないという構図ができあがっていった。そこにあるのは、『忖度』ではなく『ビジネスでの合理性』であった。視聴率が取れれば番組として正義となり、スポンサーが付き、大手のCMもタイアップで流れる。放送局もタレント事務所も広告主もすべてがウィン・ウィンの関係であった。

■性加害だけが問題ではない、業界圧力団体としてのジャニーズ事務所

むしろ、そこからの圧力が強くなっていったとされている。当初は歌番組だけのジャニーズ圧力だったが、木村拓哉のドラマ、SMAPのバラエティに、テレビのすべてのジャンルにジャニーズ事務所の意向が反映されるようになっていった。

■「1980年代から、メリー氏は他の事務所から男性アイドルが出ればメディアに圧力をかけてきたと言われています。ただ、テレビでいえば歌番組にしか効力は及ばなかった。なぜなら、バラエティーやドラマでは『そのタレントを使うならウチは全員出ない』と言えるほどのパワーのあるタレントが揃っていたわけではないからです。それは映画界でも同じです」

■事態は段々と変化していった。93年に木村拓哉(50)がドラマ『あすなろ白書』で高視聴率に貢献。94年にSMAPが『Hey Hey おおきに毎度あり』『がんばりましょう』などのヒット曲を生み、中居正広(51)や香取慎吾(46)がバラエティー界に進出した。この辺りから歌番組だけでなく、テレビの全てのジャンルにジャニーズのタレントが出演するようになり、視聴率を稼いでいった。そして、報告書にある《メリー喜多川は、ドラマの共演者が気に入らないと、その放送局の社長に直接電話をかけ、外すよう要求することもあった》という行為が生まれたようだ。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/328663/2

■視聴率に左右される民放、しかしNHKまでなぜにジャニーズ?

このように、無料で放送するために、広告主を獲得するために視聴率を稼がなければならない民放に、視聴率が取れるジャニーズのイニシアティブや意向が伝わりやすいのはビジネス構造的にわかりやすい。

しかし、国民からの徴収料で成立する公共放送としてのNHKにまでなぜ、ジャニーズが必要なのか? ある程度のバロメーターとしての視聴率は必要だが、公共放送であり、放送法で守れれたNHKがジャニーズを活用する意味あいが見出しにくい。

NHKの稲葉延雄会長は、今回の件でこのようにコメントをしている。

NHKとしては、ジャニーズ事務所所属のタレントの番組などへの出演は、契約で既に決まっているタレントはこれまで通り継続しますが、新規の出演依頼については、被害者への補償や再発防止への取り組みが着実に実施されていることが確認されるまで当面行わないというのが基本スタンス

https://news.yahoo.co.jp/articles/241a7e36afd7fa8abd24a3e7ff7253578b1d7045

筆者は何度となく、NHKはタレントを起用せずに職員のタレント部門を育成して自前でやるべきだと提言してきている。むしろ、米国のメジャーの映画会社同等の規模なので自前できると考えている。

そして、今年2023年の紅白歌合戦では、ジャニーズ所属タレントの出演に依存しない紅白にもなりそうだ。

■この数年、ジャニーズのタレント抜きには紅白歌合戦は、もうありえないほどだった。今やテレビで、ジャニーズとAKB、そしてよしもと芸人を見ない日はない。紅白歌合戦では、よしもと芸人は見なかった気がするが、これでは民放の番組と何も変わらない。あまりにも、依存するところが多すぎるのではないだろうか?つなぎにCMが入っても違和感がない番組構成だ。

■民放でできることを、NHKがすべきではないと、個人的に考えている。民放ではスポンサーの関係上できないようなことを、NHKさんには特に期待したいものだ。

https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d83aa8769658aec3c5552972522fa8c2906d47a3

■ソーシャル時代の告発タイミングとBBCという外圧の偶然

2022年11月13日 ガーシーとの対談でカウアン岡本のYouTubeで告発ビデオが公開。

きっかけは、カウアン岡本へのガーシーからのアドバイスであったからだ。

TikTokでのカウアン岡本へのファンによる反応に対して、ガーシーが中途半端だと指摘したことによって明るみになった…。15〜16歳への同性への行為としては明らかな『性加害』の常習化の証言となっている。当然、これらはテレビなどでは、コンプライアンス上放送できない内容だろう。また、まわりの芸能人の名前が出てくるので衝撃的すぎる。

ガーシーのYouTubeやTwitterは閉鎖されているが、カウアン氏のYouTubeは現存しているので個人の証言として閲覧することができる。

2023年3月11日 カウアン岡本 ジャニーズ事務所から訴訟される

2023年3月18日 BBCによる放送

BBCドキュメンタリー「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」公開

2023年4月12日 カウアン岡本 日本外国特派員協会で記者会見

2023年4月19日 ジャニーズファン有志らが性加害の検証と謝罪を求める署名活動を開始。結果として、4万人を超えるサポーターが集まった。

出典:Change.org
出典:Change.org

「ジャニーズ事務所は性暴力被害者の声を無視しないで! 性加害の検証と謝罪を求めます!」

https://chng.it/JvpGzvFWpx

2023年4月22日 TBSによるカウアン岡本氏の記者会見報道 NEWS23をおこなう。 

2023年5月11日  ジャニーズファンの約1万6000人が署名 TBS報道

2023年5月14日 藤島ジュリー景子社長の動画と文書が発表

https://www.johnny-associates.co.jp/news/info-700/

2023年9月10日 TBSは報道特集で フォーリーブスのメンバーである北公次(2012年没)氏の当時のビデオを放送 

■メディアはジャニーズ事務所の『慣習』という名の共犯者である

今回の民放TBSでの自局の調査と報告は、他局もぜひ、見習うべきである。

それがメディアの最大の罪滅ぼしとなることだろう。そして、今後は業界のタブーを無くし『慣習』を疑ってかかってほしい。

『NGリスト』をスクープしたと言われるNHKこそ、自局の状況を率先して、スクープしていただきたいものだ。

 自分のご子息が10代において単なる性被害だけでなく、学校にも行けず、就職もせずに30代でほうり投げられる怖さを考えてみてほしい。

ジャニーズ帝国のタレントたちの活躍者はごく一部に限られ、その底辺にはいろんな不祥事の事件の主役となってしまっているものも多い。それは、貴重な10代を芸能活動のみの大人の世界でしか体験していないという人生設計の損失が、とてつもなく大きいからだ。タレントという業務委託契約というだけではすまされない社会的損失でもある。

 (TBS)同局の日下部正樹氏は「BBCの報道から半年、私たちテレビ局の中でもようやく自らを見つめ直す動きが出てきた。ジャニーズの問題は1人の男性や1つの事務所の問題にとどまらないと思うんですね。ジャニーズという巨大な帝国を育てたのは間違いなくテレビ局です」とテレビ局の責任に言及。「勇気を持って声を上げた被害者の方々にはどんな言葉を尽くしてもお詫びのしようもありません。私たちは報道機関として当然持つべき弱い立場の人々に寄り添う思いと想像力を欠いていました」と自省の言葉を口にした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e430d12bf35d4a0e266c278f39be721896b8732c

■本当の問題は個人の『性加害』ではなく、日本全体における『人権問題』

今回のジャニーズ事務所は、時系列を見るとわかるが、たまたまカウアン岡本氏のカミングアウトとBBCの外圧、そして被害者たちの声明が折り重なって、日本最大級の芸能事務所が崩壊するという流れになっただけだ。20数年前からの黒い噂があったにも、関わらずだ。

『週刊文春』が20数年前からキャンペーンを組んでいたが、やはり、ソーシャルメディアの後押しで、テレビなどの自主規制のきかないムーブメントが今回のジャニーズ事務所への真相究明となったと確信している

カウアン岡本とガーシーとのコラボは、内容もインパクトがあったと同時に、キングアンドプリンスメンバーが退時期だったというのも重なった。

そして、ファンたちが真相究明に声を上げたメディアが、ネット署名活動サイトの『Change.org』であった。

https://www.change.org/

むしろ、それは長年、芸能やエンタメの世界では当たり前という『慣習』となっていたことが問題だ。そして、『性加害』だけでなくパワハラを含めた『人権』で考えると、相撲業界、歌舞伎業界 と事件になっているのはすべて『人権意識の低さ』というところで相関関係を持っている。

いや、これはスポーツ業界においても、パワハラは、汗と根性の名のもとに『慣習』となっていることだろう。そしてひいては、メディア全体がそれらの加担者となっている。

メディア側がまずは、『慣習』を疑い、『人権意識』を持つことによって、それぞれの業界で顧みるという流れが生み出せると信じている。

そのためにもまずは、メディア各局が、自局の『慣習と人権意識』を調査し、報告する義務を持つものと思う。

それが、総務省から、電波を有償利用している事業者としてのつとめなので、この件に関しては、総務省から強いお達しがあってしかるべきではないだろうか?

むしろ『人権問題』で揺れるジャニーズ事務所に放送局がイニシアティブを握られていたことをTBSなどが内部調査を公表しているのでこちらのほうに対して、総務省は調査を進めるべきではないだろうか?

放送法によると(放送番組編集の自由)

『第三条 放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない』とある。

これに違反している疑いがあったのではないだろうか?

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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