この選手のサイクル・ヒットは稀。チームメイトの合計安打を上回ったのは、他には大谷翔平だけ
7月1日、ノーラン・アレナード(セントルイス・カーディナルス)は、三塁打とホームラン、二塁打に続き、4打席目に内野安打を打った。最後の1本は、三塁手のエラーとされてもおかしくない気がするが、記録はシングル・ヒット(と悪送球で二進)だ。
カーディナルスの選手によるサイクル・ヒットは、2005年4月27日のマーク・グルジラネック以来だが、アレナード自身は、コロラド・ロッキーズ時代の2017年6月18日にも達成している。
また、今シーズンのサイクル・ヒットは、アレナードが5人目(5度目)だ。1人目は5月11日のクリスチャン・イェリッチ(ミルウォーキー・ブルワーズ)なので、60日未満のスパンに5人ということになる。ちなみに、イェリッチは通算3度目。それについては、「3度のサイクル・ヒットは史上最多タイ。すべて同じチームを相手に達成し、最後が三塁打も同じ」で書いた。
ただ、今回、アレナードがサイクル・ヒットを達成した試合で、彼のチームメイトは合わせて3本のヒットしか打っていない。カーディナルスの7安打中4本が、アレナードによるものだ。
スタッツ・バイ・スタッツによると、1900年以降のモダン・エラにおいて、サイクル・ヒットの達成者が打った安打の本数がチームメイトの合計を上回ったのは、2019年6月13日の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)に続き、アレナードが2人目だという。サイクル・ヒットの達成者は、1900年以降に延べ300人近くを数える。
3年前に大谷が達成した試合は、トミー・ラステラ(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)とアルバート・プーホルス(現セントルイス・カーディナルス)が1安打ずつ。エンジェルスの安打は、大谷が4本、他は計2本だ。
この試合で、エンジェルスは勝利を収めた。スコアは5対3。5得点の内訳は、ラステラの二塁打とマイク・トラウトの死球に続く大谷のホームランで3点と、大谷の三塁打に続くプーホルスのホームランで2点だ。
一方、7月1日の試合に、カーディナルスは3対5で敗れた。アレナードが三塁打とホームランで計3打点を挙げ、3対0とリードしたが、そこから逆転された。