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田澤純一が打たれたサヨナラ本塁打は日本人投手30本目。なかには1シーズン3本の投手も

宇根夏樹ベースボール・ライター
田澤純一(マイアミ・マーリンズ)Apr 19, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月21日、同点の9回裏から登板した田澤純一(マイアミ・マーリンズ)は、先頭打者に13球を費やし、その最後の球をセンターのスタンドへ運ばれた。田澤にとっては、通算2本目のサヨナラ本塁打――より正確に言えば、サヨナラ被本塁打。日本人投手が打たれたサヨナラ本塁打としては、ポストシーズンを含め、30本目に当たる。

 サヨナラ本塁打を喫した日本人投手12人のなかでは、6本の上原浩治(現・読売ジャイアンツ)が最も多く、5本の佐々木主浩がそれに次ぐ。2人とも、ポストシーズンの1本を含む。2人の他に、ポストシーズンでサヨナラ本塁打を打たれた日本人投手はいない。佐々木は2000年5月に2登板続けて打たれ、翌年のサヨナラ本塁打は3本(レギュラーシーズン2本、ポストシーズン1本)を数えた。

 クローザーという役割上、彼らのサヨナラ本塁打が多いのは当然だろう。佐々木の129セーブと上原の95セーブ(ポストシーズンを含めると133セーブと102セーブ)は、日本人投手のトップ2に位置する。日本人投手ではないが、ランディ・マイヤーズは1989年に24セーブを挙げた時、打たれた4本のホームランすべてが、サヨナラ本塁打だった。

 上原と佐々木以外で目につくのは、小林雅英だ。サヨナラ本塁打3本は長谷川滋利斎藤隆と同数だが、小林は3本とも同じ年(2008年)に喫し、佐々木と違ってポストシーズンは含んでいない。この年、アウェー・ゲームの9回裏以降に被本塁打3本以上の投手は13人いたが、サヨナラ本塁打3本は小林(4本中3本)だけ。言い換えると、小林は2008年のメジャーリーグで最も多くのサヨナラ本塁打を打たれた。シーズン成績は防御率4.53、6セーブ。在籍していたクリーブランド・インディアンズは、ポストシーズンに進めなかった。

 なお、田澤がサヨナラ本塁打を喫したのは、9年前のメジャーデビュー戦以来のことだ。2009年8月7日、14回裏からマウンドに上がった田澤は、15回裏2死一塁の場面で、アレックス・ロドリゲスにホームランを打たれた。この時に一塁走者だったデレク・ジーターは、現在、田澤のいるマーリンズでCEOを務めている。

 また、デビュー戦でA-RODに本塁打を喫した日本人投手は、田澤が最初ではない。桑田真澄は2007年6月10日に5回裏から登板し、その回は3人で終え、次の回も最初の打者と2人目のジーターを討ち取ったものの、3人目を四球で歩かせ、田澤と同じく2死一塁からA-RODにホームランを打たれた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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