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今度こそ楽天離れ? 楽天カードの投信積立が一部「0.2%」還元に

山口健太ITジャーナリスト
楽天証券の投信積立で還元率が変わる(楽天証券のWebサイトより)

2022年9月より、楽天証券が楽天カードによる投信積立時のポイント還元率を一部変更することを発表しました。多くのユーザーにとって「改悪」になり得る変更ですが、今度こそ楽天を離れるユーザーは増えるのでしょうか。

楽天証券が提供する「楽天カードクレジット決済」とは、特定口座やNISA(一般/つみたて)口座で投資信託を積み立てる際、楽天カードで決済すると100円につき1ポイントの楽天ポイントが付与(1%還元)されるというものです。

低コストな投資信託の場合、購入時や売却時の手数料は無料、年間の信託報酬も0.1〜0.2%といった水準まで下がっています。その上、年会費無料の楽天カードで決済すると1%も還元されるというのは破格のオファーでした。2018年10月に始まったこのサービスには筆者も衝撃を受け、楽天経済圏に関心を持つきっかけになりました。

しかし2022年9月買付分より、主要な低コスト投資信託の還元率が0.2%に引き下げられます。毎月の上限である5万円を買い付けた場合、100ポイントが付与される計算になります。

多くのユーザーにとって「改悪」になり得る変更ですが、一方で新たなポイント還元も始まります。2022年8月買付分から、投信積立では「楽天キャッシュ決済」に対応し、毎月5万円まで、楽天カードによるチャージ時に0.5%(年内はキャンペーンで合計1%)のポイント還元を受けられます。

新たに始まる投信積立の「楽天キャッシュ決済」(楽天証券のWebサイトより)
新たに始まる投信積立の「楽天キャッシュ決済」(楽天証券のWebサイトより)

これらを組み合わせて低コスト投資信託を買い付けた場合、楽天カード決済で最大100ポイント、楽天キャッシュ決済で最大250ポイントが付与される計算です。これまでのような圧倒的なお得さはないものの、1年分の信託報酬に相当するポイントが戻ってくると考えれば、引き続き魅力的なオファーといえるでしょう。

「SBI+三井住友」移行組は増えるか

ほかにも楽天証券は、SPUの条件を変更することも発表しています。こうした「改悪」の続く楽天経済圏とは対照的に、勢いを増しているのがSBI証券と三井住友カードのタッグです。

2021年には、SBI証券の投信積立を三井住友カードで決済できるサービスを開始。月額5万円まで0.5%のVポイントが付与され、ゴールドカードなどでは合計1%〜2%がたまるポイントアップもあります。こうした還元がいつまで続くかは分かりませんが、楽天経済圏から資産形成に関心の高い層を取り込もうという姿勢が感じられます。

また、マネックスカードは2月下旬から投信積立の全銘柄を対象として、同じく月額5万円まで、1%のマネックスポイントを付与すると予告しています。楽天ユーザーの取り込みを狙う、他の経済圏に動きがあるかどうかも注目したいところです。

ITジャーナリスト

(やまぐち けんた)1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。

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