【姫路市】たとえば炒飯。2人前のオーダーでも1人前ずつ調理する創作中華店。すべてはバランスのために
ある夜、急遽、友達から食事に誘われた千姫。「カジュアルな中華でいい?」と聞き、別所町佐土の「創作中華 花菜(はな)」を選びました。幾度となくランチに通い、テイクアウトのみの営業期間中も弁当を頼んでいた店です。
食後、友達は「おいしかった~」と繰り返し、次の日も「いいお店だったね」との連絡が。その人はグルメライター。やっぱりそうよね、皆さんにも紹介しないと、となりました。
海老マヨ・炒飯・点心、ハズレなし
オープンして11年目。大阪の中華料理店で十数年の修業後に独立した花岡剛さんと、妻の美樹さん、スタッフとでランチとディナーを提供しています。
さて、この夜のオーダー「海老のマヨネーズソース」。お皿の上に、もう一つの食べられるお皿があります。春巻きの皮をお玉で抑えてポッコリさせるんですって。ちぎって海老マヨと一緒にいただくのは新鮮でした。
千姫が大好きな「五目炒飯」。ランチやテイクアウトの弁当でも、白ご飯からプラス料金で炒飯に変更してもらうほど気に入っています。
パラッとして、量は多め。「少々薄味なのは、他の料理との兼ね合いを考えて」と剛さん。たとえ2人前以上の注文が一度に入ったとしても必ず1人前ずつ調理するそうです。「2人前以上になると火力や時間などが変わってくる。パラパラ感や卵の加減などバランスが崩れてしまわないように」って。料理に対する細やかさ。
千姫、ますます炒飯のファンになりました。
焼売、小籠包、海老蒸し餃子の3種類の点心盛り合わせは梅酒とともに。
たたいたキュウリ、ゆがいた春雨に蒸し鶏がのった「よだれ鶏(自家製豆板醤)」が代表的メニューだということを後から知りました。しまった。
「よだれ鶏のタレ」の販売もあります。
麻婆豆腐はまろやかな辛味。辛味抜きも可
「麻婆豆腐」も押さえておきたい一品。ランチ、弁当、ディナー、いずれのメニューにも記載されています。まろやかな辛味!
トリコにさせる秘密は①豆板醤を2種類混ぜている。②中華調味料の豆豉(トウチ)をみじん切りにした味噌でコクを出している。③仕上げに中国・四川省の山椒(粉末と粒)を入れている。※粒は当日砕いたもの。
豆板醤、山椒、ラー油などの辛味を全部なくしたり、キュウリをキクラゲに代えたりすることも可能。世代や好き嫌いを超えて、堪能できますね。
ちょっぴり豪華な「ぜいたく花菜ランチ」(1350円)でも、麻婆豆腐が選べます。
店内は座敷、カウンター、テーブルの25席です。
コロナ禍で生まれたパンと絵
レジ付近にはパンが並べられています。毎日ではないようですが、取材日にはありました。「つぶあんぱん」と「ヨモギあんぱん」。北海道小豆を使用した餡は剛さんが炊き、甘酒入り生地のふわっとしたパンを美樹さんが焼きあげます。
コロナ禍真っ只中の2年間はテイクアウトのみの営業で、弁当だけだと寂しいからとパンを店頭におくことにしました。
もう一つ。店内に飾ってある絵。これもまたコロナ禍において剛さんが描いた作品です。
見入ってしまうほどのタッチと色使い。
1作にかけるのは約8時間。
剛さんは「中華という自分の世界以外にも目を向けられた時間ができて、悪いことばかりではなかった」と振り返ります。「ベーカリーに行けばどんなふうにパンが作られているのか研究し、アートを目にすればより注意深く見るようになって、視野の広がりを感じています」と。
中華にパンに絵画と盛りだくさん!
創作中華 花菜(はな)
住所:兵庫県姫路市別所町佐土1丁目122番地
電話番号:079-251-8787
営業時間:ランチ11:30~14:00(LO13:00) / ディナー17:00~21:00(LO20:00)
定休日:月、火曜
駐車場:あり