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【目黒区】できれば誰にも教えたくない! 「立呑み中華 起率礼」は料理・酒・雰囲気すべて良しの酒場

Chikuwa地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

皆さん、お酒はじっくり座って飲みたい派ですか? それとも立ち飲みで気軽にサクッとも好きな派ですか?

遡ること30数年前、大阪へデザイナー修行に出向した先輩に会いに行った時、初めて梅田の地下街で立ち飲み屋に行った私。その時の賑わいや楽しさにすっかり魅せられてしまいました。

ウチの近所にも大阪みたいな楽しい立ち飲みできないかな・・・。と思いつつも長い長い年月が経ちました。

「立呑み 鉄砲玉」
「立呑み 鉄砲玉」

そしてついに、現れたのが学芸大学駅近くの「立呑み 鉄砲玉」です。こちらのオーナー正木勇貴(まさき ゆうき)さんが、今度は自由が丘に新しい立ち飲み旋風を巻き起こしています。

「立呑み中華 起率礼」は2023年12月19日(火)にオープン

「立呑み中華 起率礼」があるのは、自由が丘の西側。学園通り沿いにあるバス停(のりば番号2)の裏手に広がる通称「L字が丘」と呼ばれるエリアです。

周辺には居酒屋やバー、スナックなどが軒を連ねるこぢんまりとした飲み屋街。「立呑み中華 起率礼」がある場所も以前はスナックでした。

上写真を見てわかるように、間口が狭いため、お店で提供する中華料理に必要な高火力のコンロを入れるのに地面を掘って店内に設置したとのこと。なかなか手間とお金をかけて改装されています。

「立呑み中華 起率礼」「名物 よだれ鶏(試食会用)」
「立呑み中華 起率礼」「名物 よだれ鶏(試食会用)」

店内は木材をふんだんに使用し、白と黒のタイルでモダンに仕上げたカウンター。お店の改装、内装にもしっかりとこだわり、女性1人でもふらりと立ち寄れそうな清潔感のある明るい雰囲気となっています。

「中華で立ち飲み」という夢を実現させた正木勇貴さん

写真向かって左がシェフ・井上史子さん、右がオーナー・正木勇貴さん
写真向かって左がシェフ・井上史子さん、右がオーナー・正木勇貴さん

オーナーである正木さんは、以前から「中華で立ち飲み」をやりたいという夢を持っていたそうです。そんな時、「立呑み 鉄砲玉」の常連さんから「自分の妹が料理人で、これからのキャリアに悩んでいる」と井上史子さんを紹介されます。

そしてたまたま、自由が丘にある手頃な広さの物件情報が舞い込み、あれよあれよという間に「立呑み中華 起率礼」の出店が決まった、というわけです。

大皿ではなく小皿で中華を楽しみ、飲める店「立呑み中華 起率礼」

中華料理は大皿で出てくるので、少人数でいってもいろいろなお料理が楽しめない。そう思っているお1人様やお2人様は多いはず。

その点、「立呑み中華 起率礼」では本格的な中華料理を小皿(1.5人前ぐらい)で提供してくれるので、1人でも気軽に絶品中華料理とお酒がリーズナブルに楽しめるというわけです。

井上史子さん
井上史子さん

しかもそのお料理のクオリティがすごい。
シェフである井上史子さんは、「ザ・リッツ・カールトン大阪」の中国料理「香桃(シャンタオ)」や「ウェスティンホテル東京」の広東料理「龍天門(りゅうてんもん)」、広尾「中華香彩JASMINE」などの一流店で8年にわたり料理人として腕を磨いてきた方です。

「立ち飲み」というカジュアルなスタイルながら、出すお料理は本格的というところは、「立呑み 鉄砲玉」とも共通しています(オーナーの正木さんは割烹料理店などで腕を磨いた方)。

正木さんが惚れ込んだ台湾茶「UMACHA」を「お茶割」に

「立呑み中華 起率礼」で飲める「お茶割」は、オーナーである正木さんが惚れ込んだという台湾茶「UMACHA」をていねいに前日から水出しして使用。上品で洗練された香りを壊さぬよう、クセのない甲殻類焼酎で割り、あえてアルコール度数も抑えるというこだわりようです。

もちろん「呑兵衛」のために、アルコール「濃いめ」のリクエストもOK。

写真向かって左が「白酒ソーダ(パイチュー)」、右が「桂花陳酒割」
写真向かって左が「白酒ソーダ(パイチュー)」、右が「桂花陳酒割」

この他、中国酒やビール、グラスワインなど、常時20~25種類のドリンクを揃えるなどお料理に合わせてお酒も楽しくペアリングできるスタイルとなっています。

ナチュールワインもラインナップ
ナチュールワインもラインナップ

それでは、さっそく内覧会でいただいたお料理をダイジェストでご紹介していきましょう。

オリジナルの甘辛いタレが絶品「立呑み中華 起率礼」の「名物 よだれ鶏」

クセがなくうま味の強い総州古白鶏(そうしゅうこはくどり)を使ったよだれ鶏。弾力のある歯ごたえも楽しめます。

オリジナルの甘辛いタレは数種類の香辛料で香り付けされており、自家製ラー油のパンチのある辛さが鶏のうま味をより一層引き立たせています。「立呑み中華 起率礼」におじゃましたらぜひ頼んで欲しい、イチオシメニューです。

「名物 よだれ鶏」とセットで注文すべし! 中国蒸しパン「花巻」

こちらのメニューとぜひ一緒に注文してほしいのが「花巻」。残ったタレをたっぷりとしみこませていただくと至福のひと時です。

「花巻」とはミルク風味のパンを蒸してつくる中国の蒸しパンのこと。中華料理店でよく見かけるのは花の形に成形したものですが、内覧会では丸い形状のものが提供されました。

こちらのタレ、そのままなめながらお酒がグイグイ飲める味付け。シュウマイなどをつけていただいてもおいしい、万能タレとなっていました。

インパクトのある味付けが新鮮、「立呑み中華 起率礼」の「白和え」

「白和え(試食会用)」
「白和え(試食会用)」

和食で提供される「白和え」はどこかやさしい味付けで、淡泊な印象を受けます。しかし「立呑み中華 起率礼」の「白和え」はもちろん中華のアレンジ。

ピータンやザーサイ、パクチーなどを使ってインパクトのある味付けに。芝麻醤(チーマージャン)を和え衣に使用して、まろやかな味わいにまとめていました。

1個から注文可能なのが嬉しい「焼売」

お店で出している焼売はなんと1個からも注文可能。内覧会では肉焼売を試食させていただきました。

点心をつくる専門家である「点心師」がつくる焼売はふっくらジューシー。プルプルとした皮と肉餡が最高です。

焼売は日替わりでチーズ焼売などの日もあるそうです。

ジューシーでやわらかい「煮豚(黒酢味)」

「煮豚(試食会用)」
「煮豚(試食会用)」

豚バラ肉を使う煮豚はちょっと脂っぽいイメージでしたが、「立呑み中華 起率礼」の「煮豚」はとてもジューシーで箸で切れるぐらいにやわらかです。

黒酢のおかげでさっぱりとした風味と豚肉のうま味が素晴らしい一品。お酒がぐんぐん進みます。

広東風に仕上げたまろやかな辛さの「熟成麻婆豆腐」

「麻婆豆腐」といえば中国・四川料理の一つ。赤唐辛子や花椒(ホアジャオ)、豆板醤、豆豉(トーチ―)などを使ってピリ辛に仕上げるのが一般的です。

井上さんは広東料理出身ということで甘めに炊いた肉味噌に、3年熟成のピーシェン豆板醤をブレンド。角のとれたまろやかな辛さを感じる味わいに仕上げています。

葉ニンニクの食感や香りも楽しめる一皿でした。

身もだえするほどのおいしさ「野菜饅頭」

先ほどのシュウマイ同様、こちらも点心師がつくる「野菜まんじゅう」。小松菜としいたけ、肉で作った餡を包み蒸しあげています。

まんじゅうの餡は日によって異なるそうですが、この「野菜まんじゅう」絶品です。ともかくしいたけのうま味がたっぷりで、何個でもいけそうな勢いでした。

2人で行った時は、半分にカットして出してくれますよ。

余分な調味料は使わず咸魚(ハムユイ)のうま味で味付け「ハムユイ炒飯」

咸魚(ハムユイ)とは、イシモチやコノシロなどの魚を塩漬けにして、半発酵させてから天日干しにした発酵食品。香港の人は咸魚があればご飯何杯でもイケる、というぐらい生活に根付いています。

「ハムユイ炒飯」は余分な調味料は使わず、シンプルに咸魚で味付け。発酵食品ならではの濃厚なうま味と塩味はいままで食べたことがないおいしさでした。

お米もジャスミンライスを使い、卵、ネギだけでシンプルに仕上げています。

メニューにあったら絶対頼むべし「汁なし坦々刀削麺」

担々麺というとゴマ油や練りごま、オイスターソース、ラー油を使った味付けというイメージ。しかし「立呑み中華 起率礼」の「汁なし坦々刀削麺」は一味も二味も違います。

もちもちの生刀削麺に、ピーナッツバター、肉味噌、自家製ラー油、花椒などの濃厚タレを絡めて提供。マイルドだけど、ピリッとした辛味が鼻を抜けます。

トッピングに使われているのは「sio」の鳥羽シェフがサラダ専用に考案したナッツだそうで、お店では「汁なし坦々刀削麺」のトッピングに採用。

手作りオレンジ酢
手作りオレンジ酢

途中、手作りのオレンジ酢(酢の中にオレンジの果実を漬け込んでいる)をかけていただくと、さっぱりとしていて爽やかな香りが広がる坦々刀削麺に。

食べるそばからまた食べたくなる絶品麺でした。

内覧会の4日後には再訪、中毒性の高い「立呑み中華 起率礼」

実はあまりにもお料理・お酒がおいしくて、内覧会があった週の金曜日夜に家人と再訪。20時過ぎでしたが、店内はほぼ満席状態でした。

「立呑み中華 起率礼」は予約不可。お店を訪問した時、タイミング良く空いていれば入店できます。

遠くから足を運ぶ場合は、事前に電話を入れて混雑具合を確認しておくとよいとおっしゃっていました。

実は「立呑み 鉄砲玉」を取材させていただいた後も、すかさず再訪している私。正木さんのセンスに「ど真ん中」射抜かれています。

前回飲まなかったドラゴンハイボール(善醸仕込み)と桂花蜜烏龍(きんもくせいウーロン)のお茶割で乾杯。ドラゴンハイボールに使われているのは「古越龍山善醸仕込み」といわれる紹興酒です。

ロックやハイボールで美味しく呑める濃厚で上品な甘さとコクが楽しめるというもの。ドラゴンハイボールという名称は、永昌源が商標登録している紹興酒の飲み方提案のことなのだそうです。

家人が飲んだ「桂花蜜烏龍」はキンモクセイの甘い香り、清涼感があり、甘さが一切ないので、お茶そのものの味わいが楽しめる一杯です。

内覧会で食べていないお料理のみをダイジェストでご紹介しましょう。

トマトのうま味たっぷりの「トマト卵炒め パルミジャーノ掛け」

卵の火の入り方が絶妙でふわっとしたくちどけです。中華の味付けですが、どこか洋風のアクセントがあるチーズの風味とのバランスが最高でした。

味がしっかりついた細麺の「焼きそば」

内覧会では汁なし坦々刀削麺でしたが、この日は焼きそば。糸のような細麺で味がしっかりと染みており、坦々麺とはまた違ったおいしさです。

私たちの注文で売切れになった「海老のマヨネーズ和え」

プリプリの海老と少し甘めのマヨネーズソース。私たちの注文がラストの一皿でした。人気なんですね。

この他、「名物 よだれ鶏」「花巻」「野菜まんじゅう」も注文。2人で行きましたがいろいろなメニューが少しずつ食べられるのでとてもよかったです。

誰でも気軽に飲めて、居心地よく過ごせる「立呑み中華 起率礼」

オーナーである正木さんは以前「若者も大人も、一見さんも常連さんも、皆が楽しく飲めて繋がれる場所にしたい」とおっしゃっていたことがあります。

学芸大学駅近くの「立呑み 鉄砲玉」はまさに正木さんの狙い通り、正統派の立ち飲み酒場であり、あらゆる世代が楽しく飲める店として成長しました。

自由が丘の「立呑み中華 起率礼」はオープンしてまだ2ヶ月ほどですが、こちらもいろいろな世代の人が訪れ、ワイワイ賑やかに飲んでいる雰囲気が伝わってきました。

「立呑み 鉄砲玉」に比べると、「立呑み中華 起率礼」はお酒よりフードの割合が高いと正木さん。こんなにおいしいお料理が食べられるのですから、飲むのを忘れてついつい頼んじゃうのも無理はありません。

いろんな人に「立呑み中華 起率礼」知ってもらいたいけど、お客さんが大勢詰めかけて入れなくなってしまうのも困る。

現在はゆったりめに最大で15名ぐらいを定員として案内している「立呑み中華 起率礼」ですが、本来なら20名以上はイケるとのこと。お客さんでぎゅうぎゅうの「立呑み中華 起率礼」が見られるのはそう遠いことではないかもしれませんね。

■取材協力

立呑み中華 起率礼

【店舗概要】
立呑み中華 起率礼Rettyページ
営業時間:16時~23時、月曜休み
住所:東京都目黒区自由が丘2-14-2
問合せ先:03-4400-0235
※予約不可、現金のみ

地域ニュースサイト号外NETライター(東京都目黒区)

コピーライターからWebライターへ転身。アロマセラピスト・整体師としても時々活動しています。趣味はカンフー(八卦掌・長拳)と古代史(関裕二先生のファン)。目黒区の魅力やおもしろいところを発信していきます。取り上げて欲しい目黒の穴場や情報もぜひお寄せください!

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