【宮城県 松島町】手のひらサイズの煌めく作品「お節句展2023」開催中 ※5月5日まで展示
宮城県松島町の高城浜にあるホテル「松島一の坊」。施設と併設されている美術館といえば「海とガラスと庭園のミュージアム / 藤田喬平・藤田潤ガラス美術館」だ。町内、または東松島市の方であれば、一度は来館したことがある施設ではないだろうか。ガラスという素材の可能性や概念を覆すような藤田氏の作品は、1つ1つの品の周囲をぐるりと回って見つめてしまうほど。同氏のガラス細工技術も含め、想像と造形力のセンスを感じられる空間にたっぷりと浸れる空間だ。
さて、館内では藤田氏のガラス作品展示(常設展示)の他にも、期間限定の企画展示も開催されている。早速、ご紹介していこう!
館内では、2023年1月17日(火)〜同年5月5日(金)までの期間限定で「お節句展2023 ひなとかぶととこいのぼり」を開催中だ。その名の通り、ひな祭りのお雛様にお内裏(おだいり)様、そして兜に、こいのぼり、なのだが・・なんと!それらを'ガラス作品'に仕上げたというのだ。
想像するだけで「え!?」とついつい難しい表情をしてしまう。というのも、雛人形や兜など伝統工芸品の複雑で精巧な品を、一体どうやってガラスで表現するのだろう?と、なかなか完成品の想像がつきにくいテーマだからだ。
展示室に入ると、個性豊かで様々な'ガラス形状'と表現方法の違うお雛様や、兜、こいのぼりなどが展示されている。見どころポイントは、作品は1名のみの作品ではなく、全国各地のガラス作家23名による作品が勢揃いしていること。そのため、同じ表現というものは見当たらないので、全てが新鮮でいて面白いのだ。誰かはお雛様を丸形で表現をしていて、でも別の誰かはお椀をひっくり返した様な形をしていたり、顔の表情をしっかりと描く人もいれば、顔なしで抽象的な香水の瓶の様な姿で仕上げていたり・・など。
もう一つの見どころは、兜やお雛様の着物など模様が必要な箇所には、ガラス素材だからこそ可能な技術が取り入れられていること。ひび割れの技法や、気泡や別の素材をガラスの中に閉じ込めたり、色のグラデーションなど、小さな作品の中に相当な技術が施されているのだ。
この2つの見どころ以外にも、気づきの多い作品ばかりなので、出来れば時間を少し多めに確保して、是非じっくりと急がずに楽しむことをおすすめしたい。
なお、館内の'企画展示'と'ミュージアムショップコーナー'は、無料で見学可能な為、気軽に立ち寄ることができるのも魅力の一つ。また、企画展示室の目の前には、素敵な庭園が広がっているので、椅子に腰掛けてしばらく外を眺める時間も最高だ。庭園も自由に散策可能で、天気の良い日は園内に設置されている'チャペル'のステンドグラスもおすすめ。素晴らしい作品なので是非、建物の中をちょっと覗いてみよう。
窓やコップなど、日常生活で当たり前のように使用しているガラスだが、藤田氏は当たり前の使い方ではなく、自身を表現してくれる親友のような気持ちでガラスを扱っていたのかもしれない。館内の常設展示も含めて、珍しい期間限定の企画展示は、なかなか普段見れないものだ。家族や友人はもちろんだが、一人でふらりと立ち寄ってみるもの良いものだぞ。
イベント名称:お節句展2023 ひなとかぶととこいのぼり
開催期間:2023年1月17日(火)〜同年5月5日(金)まで
開催場所:海とガラスと庭園のミュージアム / 藤田喬平・藤田潤ガラス美術館
住所:宮城県宮城郡松島町高城字浜1-4
休館日:不定休 ※施設公式ホームページの'カレンダー'で休館日の詳細をお知らせ中です。
営業時間:9:30 - 13:30 ※最終入館13:00まで