境界知能とは? 判断基準と子どもの幸せ。
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、境界知能についてお話したいと思います。
話す力やことばの理解、形を認識する力や状況を理解する力など、知的な能力が年齢に比べて全般的に低いレベルにあり、社会生活をしていく上で理解と支援が必要な状態を精神遅滞(知的障害)と言います。
知的能力を心理発達テストで評価し、
IQが、35以下を重度精神遅滞、
IQが、35~50を中度精神遅滞、
IQが、50~70を軽度精神遅滞とされます。
IQが、85以上は、健常者ということになるのですが、
その間、精神遅滞と健常者の間、70~80を境界領域知能と呼ばれています。
ここに属する人は、明らかな知的障害とはいえず、環境を選べば、自立して社会生活ができると考えられますが、状況によっては理解と支援が必要なレベルであります。
基本的な対応としては、まず、子どもの知的能力を客観的に把握し、子どもに合った指導環境を整えることが必要です。その子なりの努力や得意なところを認め、認めたことは、子ども自身にも、また周囲の子どもたちにも伝わるようにすることが大切です。
ところで、この記事をご覧の皆さんは、自分のIQがいくつか知っていますか?
私は知っています。確か、私が子どもの頃、小学校にあがったばかりの頃、テストをやらされた記憶があるのですが、結果を知らされた記憶があやふやで、よく覚えていません。
私の場合は大人になってから、
テストを受け、自分のIQを正確に知ったというわけです。
ときどき、私のカウンセリングルームに、「この子は、境界知能ではないか」と思われる子がいらっしゃいます。境界知能の子は、学校の勉強に全然ついていけないので、学校が全然面白くないと感じることがほとんどです。
親や先生からは、勉強が出来ないことで叱られることが多く、どんどんストレスを溜め込んでいきます。その結果、問題行動を起してしまい、それでカウンセリングルームに連れてこられた…といった流れです。
私は、本人の「親や先生から勉強のことでガミガミ叱られるので、それが凄く辛い。正直、もの凄いストレスを感じている。」という訴えをしっかり受け止め、そのことをご両親に伝えたりするのですが、
多くの親御さんは、私の言葉を聞き入れようとはしてくれません。「この子は、やれば出来るんです。やらないと勿体ないです。今、頑張らなければ、いつ頑張るのですか?」などと言い返してくる始末です。
境界知能の子は、頑張っても成績が中より上に行くことは、ほとんどないです。
いくら塾に通わせたところで、成績が上がっていく可能性は著しく低いです。
健常な子と違って、理解する能力も記憶する能力も劣っているからです。
だからと言って、境界知能の子が人間的に劣っているとは、私は思いません。
境界知能の子は、自分が境界知能であることを受け容れることが大切です。
境界知能の親御さんは、自分の子どもが境界知能であることを受け容れることが大切です。
その上で、子どもがどう自立していくか、子どもがどう幸せになっていくか、考えることが大切です。
境界知能の子を健常者の子にしようとするのは、
無理があるし、本人も周囲の人も、ストレスを抱え込むばかりになると思います。
境界知能の子は、知的障害者とは言えないので、なかなか支援を受けられないという実情はあるかと思いますが、その中でも、「何か自分に出来ることはないか?」あきらめずに探し続けて欲しいと思います。
あと、この記事をご覧の方で、「自分はひょっとして境界知能ではないか?」と思われた方は、1度、発達障害を取り扱っている精神・神経科に行って、検査を受けてみると良いかもしれません。
大切なのは、自分が境界知能であることを受け容れること、
そして、そんな自分を「どうしたら幸せにすることが出来るか?」考えることです。
希望はあなたを捨てません。
どうぞあなたも希望を捨てないようにしてください。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。