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王位獲得18期、1993年以来リーグ陥落なしの羽生善治九段 今期2戦目でライバル森内俊之九段と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2月26日。東京・将棋会館において伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦リーグ白組▲羽生善治九段(1勝0敗)-△森内俊之九段(0勝1敗)戦がおこなわれます。

 数々の信じられないような実績を誇る、将棋界のレジェンド羽生九段(53歳)。王位は史上1位の通算18期を獲得しています。

 また羽生九段は1993年に初めてリーグに入って以来、陥落したことがありません。

 昨年2023年は挑戦者決定戦で佐々木大地七段に敗れたものの、リーグでは優勝。過去13回リーグに参加し、10回は優勝して挑決進出と、これもまた恐ろしい記録を残しています。

 タイトル獲得通算12期を誇る森内九段(53歳)。王位戦においては、七番勝負登場の経験はありません。今期は予選を突破して、2016年以来のリーグ入りを果たしました。

 藤井聡太王位への挑戦権を争う今期リーグ。現在は紅組、白組ともに1回戦までが終わったところです。

 羽生九段は2月13日、リーグ初参加の西川和宏六段(37歳)と対戦。なんでも指せる羽生九段は相振り飛車を選びました。中盤までは西川ペースとも見られていましたが、終盤に入って羽生九段が地力を発揮。最後はきわどい最終盤を制し、鮮やかな収束で勝利を飾りました。

 森内九段は2月2日、木村一基九段(50歳)と対戦。木村九段先手で、角換わりから互いに早繰り銀となりました。激しい戦いを経て、終盤で木村九段がリードを広げ、95手で木村九段の勝ちとなりました。1敗を喫した森内九段。リーグ優勝を目指す上では、さらに負けると厳しくなります。

 数々の大きな舞台で名勝負を戦い続けてきた羽生九段と森内九段。過去の対戦成績は羽生80勝、森内60勝という成績が残されています。

 両者は直近では昨年11月、第1回達人戦準決勝で対戦。森内九段先手で相掛かりとなりました。45手目の段階で3筋に両者の主力の駒が集まり、縦一線に駒が並ぶ「駒柱」ができました。この一局では羽生九段が中段においた飛車が最後までよくはたらき、熱戦の末、羽生勝ちとなっています。

 両者141回目の対戦は、果たしてどのような展開となるでしょうか。

 同じ2月26日、大阪では▲渡辺明九段(1勝0敗)-△西川和宏六段(0勝1敗)戦もおこなわれます。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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