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【保育士直伝!】スマホの時間を子どもが守るために、やると良いたった1つの事

ぽん先生保育士

こんにちは!ぽん先生です。

「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、現在子育て世代を集めてオンライン講座を開いたり、育児に関する情報の発信を行ったりしている現役の保育士です。

今回は、家庭内のルールを子どもが守らない時に、規範意識を高めるための方法についてご紹介していこうと思います。

ルールの中で生きている

私たちは、日々ルールに縛られた生活をしています。

そして、それは子どもたちも同じです。

子どもを取り巻くルールと言えば、保育園でのルールや学校でのルールなど、色んなものがあると思います。

その中でも、親が関わる子どもたちのルールと言えば、大きなウエイトを占めているのは家庭内のルールです。

例えば
・挨拶は必ずする
・靴は揃えてキレイに置いておく
・ゲームは1日30分まで
・話を聞かなかった日はおやつなし

などなど、様々なものがあるでしょう。

しかし、そういったルールをしっかりと守れる子はなかなかいません。

ほとんど場合、親が見ていない時にこっそりとルールを破るのです。

・親が不在だと靴を揃えない
・ゲームを始めた時間を嘘付いて、長く遊ぼうとする
・親が洗濯物を干している間に、こっそりチョコレートを食べた

そんな姿はよくあることで、なかなか自分から守ろうとするという意識は育ってくれません。

子どもの健康やしつけのためにわざわざ設けているルールですが、どのようにしたら子どもたちはこのルールを守ってくれるのでしょうか。

ルールを守るために必要なこと

自分からルールを守ってもらうために必要なこと。

それは、
・自分でルールを作ってもらう
・大人の作ったルールに賛成してもらう

のどちらかを満たしていることです。

そういったルールを通して、規範的な意識が子どもの中で育ちます。

こんな時は!?

スマホゲームの時間に制限をかけたいと思った時にはどうすれば良いでしょうか。

この時に必要なのは、自分から「ルールを作りたい」と思える状況を作り出すことです。

例えば私の場合、3分に1回くらい「今大切なメールが届いたからお返事しないといけないの。ちょっと返してね。」とスマホを返してもらうようにしました。

すると、子どもは「ゲームやってるんだから待って」と集中してゲームをできない事を不快に感じ始めるのです。

そこで、ルールを設けることを提案してみます。

「じゃあ、今から30分間。長い針「6」の12時30分までだったらメール返すのを待てるよ。その代わり、その時間になったらゲームはおしまいにしてスマホを返してもらえる?」

この場合のルールは、子どもたちが集中してゲームするために作るのであり「子どもを守るルール」です。

恐らく、多くの子が「分かった」「良いよ」と答えるでしょう。

すると、時間になったところで「もう30分になったよ」と声をかけると、自分でスマホを渡しに来るのです。

どうしてそれで納得するの?

なぜ自分たちで決めたルールは守ろうとするのでしょうか。

それは、
・自分たちでルールを決める
・親が作ったルールに賛成してから適用する
という事は、民主的なやり方であるからです。

その一方で、大人が
「〇〇だから〇〇してはいけない」
「〇〇しないと〇〇できない」

こういったルールを一方的に押し付ける事は、民主的ではありません。

非常に独裁的なやり方ですね。

独裁政権を行っている国では、国民は弾圧されていますが、国の目が届かないところで集まり、それはデモ活動へと繋がっていきます。

それと同じように、家庭内のルールでも独裁的に決められたものは、見えないところで反発しようとするのです。

その結果、そのルールについてはいつまで経っても規範意識を持ちません。

大人の前でルールに従うのは、力によって弾圧されているからであり、子どもの主体的な行動ではないのです。

そのため、ルールを作る際には子どもたちの意見を反映させる必要があり、そういった過程を通してルールを設けることで、それが規範意識へと繋がっていきます。

ただし、注意点も

しかし、ルールを作る上で忘れてはならないことがあります。

それは、「ルールは必要になってから作るもの」だという事です。

先ほどのスマホゲームを例に取ると、子ども自身が「集中して遊ぶためのルールがほしい」と思ったからこそ成り立つものです。

つまり、子どもたちは「ルールを作るのは自分たちを守るため」という意識を持っていることになります。

しかし、「目が悪くなるといけないから」などのように、子どもがルールを作る意味を理解できなかったり、不便に感じたりしていない場合には納得してもらえません。

それでは結局押し付けてしまっている事になり、民主的なやり方であるとは言えなくなってしまいます。

困った状況は作り出せる

そう言うと、子どもが「困ったな」と感じていない時には、ルールを作ることができないように感じます。

ところが、子どもが「嫌だな」と感じるような状況をあえて作る事で、ある程度誘導することは可能です。

例えば、こんなやり方があります。

・玄関の靴を並べない
→散らかっていたから誤ってお気に入りの靴を踏んでしまった

・挨拶しない
→そこにいたと気付かなくてぶつかってしまった

このように、いくらでも状況は作ることができます。

もちろん、子どもたちが悪意を感じるほどに邪魔をしてしまっては、意味がなくなってしまいます。

しかし、民主的にルール作りを行うためには、子どもの反応を見ながら少しずつ試してみるのも良いでしょう。

まとめ

今回は、子どもたちの規範意識を高めるための方法についてお話ししました。

大人が一方的に押し付けたルールは、どんなに厳しくしても見えないところで隠れて破るものです。

ルールは大人が押し付けるものではなく、子どもたちの同意のもとで適用されるものであり、そういった関わりを通して規範意識は育っていくものです。

そのため、私たちが「子どもの行動に制限をかけたい」と感じた時には、まず子どもたちが「ルールがほしい」と思える環境を作ることから始まります。

困った時こそ、「自分を守るため」にルールがほしいと思うものです。

しかし、初めのうちは物事の因果関係が理解できません。

そのため、大人がある程度の困った状況を意図的に作り出してみながら、ルールを民主的に作っていくと良いでしょう。

保育士

東京都で働く保育士。「少しでも楽しい子育てを!」をモットーに活動中。

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