ハサミが苦手な子には共通点があった!つまずきやすい4つのポイントとその改善点を保育士が徹底解説
こんにちは!ぽん先生です。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、子育てや育児に関する情報の発信を行っている保育士です。
今回は頂いたご質問はこちら。
Q:うちの子はハサミに興味があるものの、上手く使えずにすぐ泣いて怒ります。ハサミが苦手な子にはどうやって使い方を教えると良いですか?
保育園の制作活動でもよく使うハサミ。
3,4歳児くらいから本格的に使い始めるものですが、特に得意、不得意で個人差が大きく表れるのは1つの特徴かもしれません。
ハサミが上手く使えない子には、どのように教えていくと良いのでしょうか。
また、上手く扱えない子にはどのような特徴があるのでしょうか。
今回はハサミが使えない子に共通するつまずきやすい4つのポイントと、それぞれの解決方法についてご紹介していきたいと思います。
これで解決!
ハサミが苦手な子や使えない子に共通することとは何でしょうか。
順番に解説していきます。
1 力が入ってしまう
これはハサミを始めたばかりの子に多く見られるケースです。
例えば、子どもが右手で持っている「ハサミを開いて」と言った時に、紙を持っている左手や口まで開いてしまうなどといったものが挙げられます。
このように、全身や体の一部に力が入ってしまうことで、両手を別々に動かしにくくなってしまうのです。
初めてピアノを両手で弾いた時に、つい両手が同じように動いてしまうような場面を想像していただくと分かりやすいかもしれません。
こういったケースは、経験が少ないことから左右の手を別々に動かす慣れていないと考えると良いでしょう。
改善策としては、説明してできるようにすると考えるよりも、単純にハサミに多く触れ、ハサミを動かす経験をたくさん積み重ねていくことが上達のコツです。
2 ハサミを開けない
ハサミに通した指がまっすぐ伸びていると、指が奥まで入ってしまい、うまくハサミが開けません。
ハサミを上手く開くためには、指の第一関節の辺りでハサミを持つ必要があります。
そういった子には、ハサミに通した指は奥まで入れないことを伝えた上で、子どもの手に外側から大人が手を添え、人差し指と中指を押さえてふんわりと曲げるようにしてあげると良いでしょう。
※写真のように薬指も入れている場合は、薬指も同様に曲げてあげます。
これができるようになると、ハサミを空中で安定して開け閉めできるようになります。
ちなみに、親指は伸びていても曲がっていてもあまり影響はありません。
3 向きが分からない
ハサミを正しく持てるようになっても、切ろうとすると親指が下になってしまう子がいます。
このような場合は、親指を通す穴の上にシールを貼り、「このシールが見えるようにして切ろうね」と教えてあげると分かりやすいでしょう。
また、紙を持つ反対の手も親指を上にして持つことがポイントです。
同時に、前後を反対にして持ってしまう子もいますが、ハサミをテーブルげ置く際に、刃を奥に向けるようにすると持ち間違いを防ぎやすくなります。
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4 ハサミを回転させてしまう
切る際には、ハサミではなく紙を回転させながらハサミを進めていくようにしましょう。
ハサミが体から離れてしまうと、ハサミが傾いて紙が切れなくなったり、切ろうとしているラインからハサミがずれやすくなったりします。
脇が開いている時は肘を外側から軽く押さえてやり、脇を締めてハサミを動かせるようにして補助すると良いでしょう。
ハサミはどうやって上達していく?
ここまでハサミでつまずきやすいポイントについて説明してきましたが、そもそもハサミはどのような過程で上達していくのでしょうか。
これには大きく分けて3つの段階があります。
1 1回切り
まずはここからスタートします。
これは「ちょきん」と1回ハサミを閉じるだけの状態です。
長細い紙やストローのようなものを刻んで遊ぶような段階で、刃を開くのに時間がかかってしまう、または開けない子がこれに当たります。
2 連続切り
「ちょきちょきちょき」と連続でハサミを開閉できるようになり、ある程度の長さがある紙を切り進めていくことができる段階です。
ハサミの開閉がリズム良くできるようになってくる頃に、連続切りがスムーズにできるようになっていきます。
3 曲線切り
曲線切りは、ハサミを動かさずに紙を回しながら切ることができるとともに、ハサミを閉じる速度をゆっくりに調節することができる段階です。
1回切りから連続切りへは比較的短時間でできるようになる一方で、連続切りから曲線切りができるようになるまでは、たくさんの経験と時間が必要になります。
そして、これができるようになると、型を切り抜くことが段々とできるようになっていきます。
ここまでハサミについて説明してきましたが、特にハサミは経験の多さで扱いにハッキリと差が出てくることは分かっていただけたと思います。
しかし、「ハサミは大人が付きっきりでないと怖くて渡せない」という方も少なくないのではないでしょうか。
そんな方には、粘土を使ったハサミの練習をオススメしていて、粘土用のハサミであれば、通常のハサミよりは安心して渡せる方もいらっしゃると思います。
例:お米のねんど はさみのおけいこ(銀鳥産業株式会社ホームページ)
また、ある程度ハサミに慣れてくれば、ワークブックのようなものを買わなくても、雑誌や広告、チラシを切るだけで子どもたちは満足します。
気に入ったイラストや写真を切り抜いてみるなど、難しい形にも手軽に挑戦できるのは大きなメリットだと言えるかもしれません。
いかがでしょうか?
「周りの友達のようにハサミを上手く使えなくて悔しい思いをした!」という話はよく聞きますが、ハサミほど経験の有無がハッキリ表れるものはそう多くないかもしれません。
保育園での制作活動を思い切り楽しむためにも、良かったら家庭でハサミに挑戦してみていただけると嬉しく思います。
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