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民主党バイデン候補の外交(3)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

それでは中東政策を具体的に見ておこう。まず大枠を語れば、アメリカが中東に介入して自らのイメージに似せた民主国家を創ろうというブッシュ息子大統領の時代の初期のような野心に批判的である。アメリカには、そうした力はない。必要なのは中東での国家建設ではなく、この地域からのテロリストによるアメリカ攻撃の阻止である。であるならば必要なのは、少数の対テロ戦争に特化した部隊である。つまり少数の特殊部隊を中東に駐留させてドローン(無人機)などを使いつつテロ組織を攻撃しようという発想である。これも基本的にはオバマ期の政策である。ある意味トランプも引き継いだ考え方である。下のグラフをご覧いただきたい。これはイエメンにおけるアメリカによるドローン攻撃の回数を示している。オバマ大統領になって、日常的にとも言えるほどの頻度でドローンが使われるようになった。そして、トランプがそれを引き継いだ。その実態が数値でデータ的に確認できる。なおブッシュ期に回数が少ないのは、まだドローンそのものの開発や配備が進んでいなかったからだ。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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