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山崎賢人主演『グッド・ドクター』、韓ドラ・リメイクの“壁”を打ち破れるか

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
『グッド・ドクター』公式サイトより

ドラマ『グッド・ドクター』が好評だ。これまでの視聴率は初回11.5%、第2話10.6%、第3話11.6%、第4話10.6%。先週放送された第5話も12.2%と好調だった。

『グッド・ドクター』を放映しているフジテレビによると「この放送枠(毎週木曜日の午後10時-11時)で視聴率12%を超えたのは4年ぶり」らしい。

韓国では日本ドラマのリメイク版が話題

韓国では最近、かつてフジテレビ系列で放映されたドラマ『空から降る一億の星』のリメイク版の制作模様などがニュースになっているが、日本では韓国ドラマのリメイク版が好評だというのだから興味深い。

(参考記事:韓国版『空から降る一億の星』キャスト発表!! ソ・イングク&チョン・ソミン共演に期待高まる

『グッド・ドクター』が韓国で放送されたのは、2013年。チュウォンが主人公を、ムン・チェウォンがヒロインを務めてKBSで放映された。

振り返れば、これまでも多くの韓国作品が日本でリメイクされている。古くは韓国映画『マイボス・マイヒーロー』が2006年に日本でテレビドラマ化されたし、2007年にはペ・ヨンジュン主演のドラマ『ホテリアー』がリメイクされている。

韓→日も日→韓も多いが…

『魔王』『銭の戦争』『イケメンですね』もリメイクされたし、2016年には『ミセン』が『HOPE~期待ゼロの新入社員~』というタイトルでリメイクされた。

昨年夏にも韓国で2006年に放映された『ごめん、愛してる』が、今年春には『シグナル』が『シグナル 長期未解決事件捜査班』として日本でリメイクされている。韓国でも日本のドラマが多数リメイクされているが、その逆も多いのだ。

(参考記事:【最新版】韓国でリメイクされた日本のドラマを一挙紹介。えっ、あのドラマまで!?

ただ視聴率という面でみると、『ホテリアー』は平均8.9%、『イケメンですね』は平均9.95%。年代も放送時間帯も異なるので単純比較はできないが、直近のリメイク作品を見ても『ごめん、愛してる』は平均9.7%、『HOPE』は平均6.1%、『シグナル』は平均7.7%と、“10%台の壁”をなかなか破れていない。

こうした状況を踏まえると『グッド・ドクター』の好調ぶりには目を見張るものがあるが、同作品は「韓国ドラマのリメイク」だから人気があるわけでもないだろう。

韓国の評論家も称賛

韓国のオリジナル版であれ日本のリメイク版であれ、『グッド・ドクター』という作品が大きな支持を得られている理由は、小児科病棟を舞台にさまざまな医師たちの人間模様を描きながら、「良い医者とは何か」という根本的なテーマに迫っているからではないだろうか。

加えて日韓には同じものを“良い”と見る下地や同質性があるだけに、互いにドラマの世界観を共有でき、共感できる部分も多い。

また、その一方で異質性もあるだけに似て異なる部分を発見できる“楽しみ”があり、それが両国にとっては大きな刺激にもなったりもする。日本版は設定やストーリー展開においても韓国版との共通点も多く見られるため、韓国の評論家も称賛しているようだ。

(参考記事:山崎賢人主演『グッド・ドクター』、韓国の評論家も称賛。その違いと共通点とは?

いずれにしても、日本のお茶の間を毎回、感涙させている『グッド・ドクター』。今後はその視聴率がどこまで伸びていくかにも注目が集まってくるだろう。

ちなみに、韓国を原作として日本でリメイクされたドラマで平均視聴率が二桁台を記録したのは、『魔王』(平均11.4%)と『銭の戦争』(平均13.4%)、そして平均19.1%、最終回の視聴率23.2%を記録した『マイボス・マイヒーロー』だけだ。

『グッド・ドクター』はこれらの作品に肩を並べることになるだろうか。注目したい。

初出:韓国スポーツ新聞『スポーツ・ソウル』(2018年8月16日)

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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