出羽三山で祈る生まれかわりの旅~天空の花畑が美しい月山を訪れて~
山形県に鎮座する月山は日本百名山の一座であり、多くの高山植物に出会うことができる花の山としても知られる。
羽黒山、月山、そして湯殿山の総称である出羽三山は、1400年以上も前から信仰の対象として崇敬され、修験道の聖地である。
今回は月山の魅力と併せて、今なお日本古来の山岳信仰を伝える出羽三山神社についてご紹介したい。
月山
月山は八合目まで車でアクセスすることができ、比較的楽に山頂を目指すことも可能である。
八合目(標高1400m付近)の弥陀ヶ原湿原には一周約60分ほどの木道が整備され、天空の絶景を求めて多くの人々が訪れる。
開山期間中、ニッコウキスゲをはじめとした花々が次々と開花し咲き誇る姿や、池塘に映り込む青空、真白な雲など刻一刻と変わる山の風景は訪れる者を魅了してやまない。
月山の山頂まで向かうときは、途中の山小屋にも立ち寄ってみてはいかがだろう。
月山九合目の佛生池小屋は八合目登山口から約1時間半ほど。小屋周辺に咲く花々の種類は多く、そんな自然の花畑を観ながら小休止するのも良いものだ。
ここからさらに1時間ほど登っていくと、月山山頂の月山神社本宮に着く。
ここでは全員がお祓いを受けてから参拝する。撮影は禁止されているのでご注意を。
高山植物の宝庫
月山では6月から9月にかけて約130種類以上の花々が咲き、日本有数の高山植物宝庫である。特に7、8月はあたり一面に花々が咲き誇る高山植物の最盛期と言えるだろう。
ぜひお気に入りの花を見つけて欲しい。
出羽三山神社
月山と湯殿山は冬季の参拝が不可能であるため、羽黒山の山頂には三山の神々を合祀する出羽三山神社が鎮座する。
羽黒山は現世の幸せを、月山は死後の安楽と往生を、湯殿山は生まれかわりを祈る山であり、それぞれ現在、過去、未来を司る。
出羽三山へ詣でることは現在、過去、未来を巡る「生まれかわりの旅」として、生きながらに生まれかわることができると信じられている。
羽黒山の麓にある随神門から山頂の出羽三山神社までは約2km、2446段の石段が続く。山頂まで車で向かうことも可能であるが、巨大な杉並木がはるか遠くまで続く、神聖な空気に満ちた参道を歩いて上ることをおすすめしたい。
石段を上った先に現れる出羽三山神社の圧倒的な存在感をぜひ感じて欲しい。
最後に
出羽三山神社を初めて訪れたのは数年前。東北一周を思い立ち、その旅の途中に立ち寄ったことがきっかけだった。
そのときは羽黒山の出羽三山神社へ、翌年は湯殿山へ、そして今回月山を訪れた。
出羽三山は、何度訪れても清々しい気持ちにさせてくれる、そんな場所である。
出羽の豊かでどこか神秘的な自然の中に身を置いて、古から続く信仰に思いを馳せるのも良いのではないだろうか。
【基本情報】
月山神社本宮
開山期間:
2024年7月1日(月)~9月15日(日)
出羽三山神社
住所:山形県鶴岡市羽黒町手向羽黒山33番地
アクセス:
*お車でお越しの場合
山形自動車道「鶴岡IC」から鶴岡・羽黒線経由で約30分
*バスでお越しの場合
鶴岡市から庄内交通バス「羽黒山頂行き」で約50分、終点下車
石段を上る、または国宝羽黒山五重塔を拝観する場合は、同バスで「随神門」下車
駐車場:有(無料)
参拝時間:
・出羽三山神社参集殿:羽黒山山頂
授与所、朱印所受付時間 8:40~16:45頃まで
御祈祷受付 8:40~15:45頃まで
・随神門授与所:羽黒山の麓、随神門前
授与所、朱印所受付時間 9:00~16:30頃まで