「空き容量が少なすぎる」としてAppleがユーザーに訴えられる
iPhone、何GBモデルを選びましたか?僕はiPhone 5sまで16GBで頑張ってきましたが、さすがにiPhone 6 Plusは4倍の64GBにしました。
写真や音楽、アプリをこまめに整理しながら使って来た経験もあって、まだ半分ほど空いていますが、よく考えると16GBで収めて来たものが既に倍使っているということでもあります。
音楽やミュージックビデオ、ゲームなど、入れたくても入れられなかったコンテンツやアプリを入れた結果でした。iPhoneの体験の充実は、利用するストレージに比例する。そんな法則が確実に存在していると気づいた3ヶ月でした。
そんな最も小さな容量のモデルでは、「実用に難がある」としてユーザーから訴訟が起きています。そもそも、iPhoneの基本ソフトウェアであるiOS 8が空き容量を使いすぎている、というのが訴えの内容です。
最新のOSであるiOS 8についてAppleは、アプリ間連携やApple Pay、iCloud Photo Libraryといった最新の機能を備えた「史上最大のリリース」と位置づけています。ところが、そのiOS 8だけで、16GBモデルの保存領域に18.1%から23.1%を占めています。
これでは、Appleが宣伝する「音楽を聴きまくり、映画を観まくり、写真やビデオをたくさん撮って共有し、ゲームを思い切りプレーして夜を明かし、けれども翌朝の仕事もiPhoneのおかげで効率がバリバリ上がります」という体験ができないじゃないか、という話です。
確かに、音楽を聴きまくって控えめに3GB、映画を1本入れると2GB、写真やビデオをそこそこ撮影して1ヶ月で5GB、ゲームを2本入れようとしたところで「空き容量が足りません」という状態になってしまいます。確かに、全く楽しめていません。
iPhoneの保存容量はiPhone 5sまでは16GB・32GB・64GBというサイズでした。ところが、iPhone 6からは中間が32GBではなく64GBに倍増され、128GBも新設されました。
本当は、16GBをラインアップから削除し、32GBからスタートさせればこんなことは起きなかったと思うのです。しかしそうすると最も安い価格のiPhoneが大量に売れてしまい、Appleの収益を減らすことになります。結果的に64GBに誘導するために16GBを残しているようにも見えます。
確かに、カメラもアプリも高画質化、複雑化が進み、画面サイズの拡大も手伝って、必要な保存領域は広がり続けています。今回、中間、上位の容量は倍増されましたが、それでも必要な容量の成長スピードに追いついていないかもしれません。
まあ、2015年秋にiOS 9がされるときに、「こんなにスリムになりました」とアピールするAppleの姿もまた、目に浮かぶのですが。